霞が関から若いキャリア官僚が大量に去っている。
共同通信によると、2019年は20才代で87人。これは6年前の21人の4倍にあたり、「自己成長したい」というのが理由の半数近くに上るという。
これから1年以内に退職を考えている30才未満の職員も1割程度いるというから人材流出は暫く続くのではないか。
およそ公務員倫理にほど遠い、忖度昇進、疑惑反論答弁、公文書改竄に従事させられ、挙げ句の果てに世間から叩かれるのであればヤル気を失
う。こうなるのは目に見えていた。
最近の国会で、直ぐに行き詰まるような粗雑で支離滅裂な答弁が繰り返されている。コロナ対策も行き当たりばったりで右往左往している。職員
不足、時間不足と無関係でないのではと感じている。
地方の行政機関もとばっちりを受けて多忙を極めているのではないか。これまでの安倍・菅政治で行政組織が蝕まれ、崩壊しかかっている。いや
崩壊した。かつて末席にいた者として残念で悔しい。
公務員を批判するのは簡単だ。しかし、医療現場もそうであるように、どこの行政機関も人手不足の中で、休日、昼夜も無く働いているはず
だ。手が回らなくなって個人情報の秘匿に関わるような仕事もどんどん民間に委託されて行くだろう。
他国のことを云々する前に、優れた人材の流出は国益の損失であり、やがて政策の不完全さとなって自分達に跳ね返ってくることに国民はもっと
気づくべき時と思う。
市民から公職選挙法違反などの疑いで安倍晋三が告発されている「桜を見る会」に動きが出てきた。観測気球を上げるような検察のリークが気に
なる。
“秋霜烈日”の気概を取り戻し、「本丸捜査」をやり遂げて欲しい。それが役所を再生させる魁となるのではないか。
世論の高まり次第だと思う。