人が歩ける程度だけれど、この冬は向かいのKさん宅の除雪もするようになった。
80才台前半のおばさんか買い物の帰りに家の前で転んで右腕の2カ所を骨折したために入院し、90才台前半のおじさんが身の回りの世話をして貰うために施設に入ったからだ。2ヵ月が経った。救急車がなかなか出発しなかったのはやはりコロナ禍のせいだろうか。
転勤で家を空けている3年間、隣のおばさんに除雪をして貰っていたことがある。今度はこちらの番だと思っている。
向かいのおじさんは耳も良く、話しかけると直ぐに振り向いてくれた。夏の朝、自転車散歩に出掛ける時はいつも玄関前の掃き掃除や庭のツツジの手入れをしており、除雪も几帳面だった。おばさんも話しかけると愛想も良く、近所のスーパーに買い物籠を曳いて出掛ける健脚だった。
先日、近隣の町に住んでいる息子さんと話しをする機会があった。おばさんの骨折は間もなく退院出来そうだけれど、二人とも体力が弱まり、今回を契機に施設暮らしになるという。
一人暮らしの高齢者を地域で見守る必要性が高まっているが、元気な二人暮らしの場合でもちよっとしたことで生活が様変わりしてしまうことを目の当たりにした。
こうして突然の別れのようなものがやってきて、話しも出来なくなった寂しさを感じるが、誰しも明日のことは分からない。一日一日しっかり暮らしたい。
《Kさん宅前 2021.1.13》