楕円と円 By I.SATO

人生も自転車も下りが最高!
気の向くままに日常と趣味の自転車旅を綴ります。

撤退も勇気あるプレー

2021年01月23日 | 楕円 -Rugby-

ラグビーもワールドカップの導入とともにプロ化して世界規模となったが、国を代表するチームに入り、国と国との対抗戦であるテストマッチに出場し、その証としてキヤップを貰うことが伝統的な名誉として残っている。因みにキヤップとは自軍のユニホームの端切れ布で作った小さな帽子のこと。

ここで言う「国」は古くはイングランド、ウェールズ、スコットランド、アイルランドにフランス、イタリアを加えたシックスネイションだ。

今年6月26日に日本代表がスコットランドで1888年からの歴史と伝統を誇るブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズとの国際試合を予定している。双方がキャップ対象試合と認めたテストマッチとして行われる。世界のスポーツ界で最も象徴的なイベントの1つになっている。

ライオンズは4年に一度編成されるドリームチームで、今年は南アフリカ遠征が予定されているのでその前哨戦。日本人が考える以上に母国のファンと関係者は力が入る一方、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大に気を揉んでいると思う。今のところ開催とも中止とも伝わってきていない。

 

ようやくと言うべきか、「新型コロナウイルスの世界的な感染拡大で東京オリパラの開催は難しいのでは」という海外報道がいくつか出てきて、国内メディアも大手を振って?この問題を取り上げ始めた。

7月の東京オリンピック代表に内定している選手は20パーセント程度(2021.1.2現在)で、33競技600人規模に対して、13競技の117人という。

400人を超える選手は今後の日本選手権や国際大会をもとに選考するというから、コロナウイルスの変異、日本国内のワクチン接種スケジュールから、どう考えても無理というものだ。

 

いつも思うことだけれど、この国は外圧がなければ何事も決められないし、変えられない宿痾がある。菅首相、森会長の発言は「オリンピックの中止決定権はIOCにある」とたかを括っているとしか思えない。バッハ会長も狸の化かし合いの風情だ。

この時期に世界中からアスリートと観客を東京に集めて、オリンピックを開催することが「競技者の健康を守る」というオリンピック憲章からみて本当に良いのか。銭金ではないだろう。

 

オリンピックより早い6月のラグビーのスコットランド遠征の行方に注目している。「ラグビーが生活の全てになってはならない」という発祥の国の伝統もあった。「撤退」も勇気あるプレーである。

コロナウイルスは「観るスポーツ」「見せるスポーツ」を考え直す機会を与えてくれている。橋本大臣も山下JOC会長も力量が試されている。