2015年4月19日
予報通りの小雨だった。
早朝、高千穂から豊後竹田に向かう。途中に山がある。
出発する時にY.Hの女将さんが玄関で「大分に一番近い道だけど、それだけ急ですからね。頑張って。」
「頂上に尾平越というトンネルがあるからそこでこれを食べて。一番、大きなのを選んだから。」と1本のバナナをくれた。
「そこから先はずっと下りだからネ。」
《天岩戸神社》
緩やかな山道を5~6Km走ると天岩戸神社の西本宮に着いた。
岩戸川をはさんで西本宮と東本宮が鎮座し、両社とも古事記・日本書紀に登場する天照大御神が弟の傍若無人な行動に頭を悩ませて隠れた「天岩戸」と呼ばれる洞窟をご神体として祀っている。
川辺には八百萬の神々が集まって相談をしたという天安河原がある。
《天岩戸》
天岩戸伝説は全国各地にり、高千穂町と志摩市の天岩戸(惠利原の水穴)が有名という。義経伝説、浦島太郎伝説にどこか似ている。
登ってきた高千穂の峰々。
何度も休憩しながら25Kmほどの上りを4時間かけて小平越に到達。段々畑の集落があった。
まるで日本のマチュピチュだ。
あとはトンネル出口から長い長い楽しい下りだぁ!!
高千穂のYHのおかみさんは山越えの厳しさを知っていてバナナを持たしてくれたのだろう。小雨の中で道路淵に座って食べた甘い味は忘れられない。
これまで最長の下りはレースで走った大滝村の牧場の2〜3Kmの直線道路。最速72Km/時を経験したが、もう恐ろしくて出来ないと思いながら慎重に下った。
見通しが効くようになって、遠くに豊後竹田市の市街地が見えた。
霧が立ち込めた深い山は高天ヶ原降臨神話を感じさせてくれてチョイスに満足しながらさらに下る。
途中、ブレーキシューが減ってリムと擦れる金属音がした。
家に戻って地図で調べてみると、高千穂町から豊後竹田まで、最高地点は尾平越峠で周辺の山の標高から1500mはあっただろうか。
そこから急峻な下りは25Km。ブレーキシューがへたるのも頷けた。
街について、パーツを買って直ぐに交換した。
小雨でもあり、竹田に一泊することにした。旅館に飾られていた「姫だるま」。
家内安全・商売繁盛を招く縁起物として、正月2日の早朝、「おきあがり」のかけ声とともに商家の軒先に配られる姫だるまは、岡藩時代からの竹田市に伝わる伝統工芸品だそうだ。
竹田は滝廉太郎の『荒城の月』のモデルとなった「岡城」の町であり、隠れキリシタンの郷であった。
(つづく)
高千穂神社の語弊は我が家のお守りコーナーを飾っている。