ガリバーと言えばロープで仰向けに縛られて、その周りを小人が囲んでいる絵本の挿絵が思い出される。
300年前にイギリスの作家スイフトが書いた『ガリバー旅行記』は4部作になっていて、人間の愚かさ加減を風刺的に描いた作品であることを最近知った。
小人の国から巨人の国を旅して第4部に理性の国である「馬の国」が描かれているらしい。
その国で「何故、戦争が起きるのか」と主人に問われたガリバーが答える。
*君主が野心家で統治する土地や人民がいくらあっても足りないと考える場合
*腐敗した大臣達が悪政に対する臣民の抗議を押さえつけるか矛先をそらそうと君主をそそのかす場合
*意見の相違が起きた場合。それが些末であればあるほど戦争は激しく、血生臭く、長引く。
*自分の国に無いものを相手国から奪う場合。逆に奪われそうになるか・・・双方で決着がつくまで続く。
*隣接した友好国であってもその要衝を手に入れれば自分の国土が十全になる場合。
*国が侵略されそうになり、支援を求めた場合。首尾良く防衛した後に支援を求めた国に駆逐される場合もある。
毎日、毎日、戦争の惨状を見聞きするにつけ、この300年、人間は何にも進歩していないことを知る。
こんなことが続いてよいはずが無い。
黒部第4ダム 2023.11.1