かねて感じていたジャーナリズムの衰退を示すような出来事がウクライナ戦争報道の陰に隠れて起きていた。
安倍元・総理大臣の「顧問」を語って、朝日新聞社の峯村健司編集委員が知り合いの週間ダイヤモンドの記者に、元首相インタビュー記事のゲラの開示を要求し、4月13日付けで停職1ヶ月の処分を受けることになった。
峯村編集委員といえばTVのニュ-スワイド番組にちょくちょく顔を出していたが、これが原因か、ピタリと出なくなっていた。
本人が4月7日付けで経緯と朝日新聞社に対する抗議の文書をネットに投稿している。
この中で、「朝日新聞記者行動基準」における「特定個人や勢力のための取材・報道」「取材先と一体化すること」に抵触するという処分理由に反論しているが、他社の記事内容にチェックを入れようとすること自体が報道倫理として大問題ではないか。
これは権力をチェックする立場のジャーナリストが権力者に利用されて報道にチエックや圧力をかけた情けない前代未聞の行為だ。それも三大紙と言われる新聞社の編集委員が。
週間ダイヤモンドの記者は「何故取材のことを知っているのか」と疑問を呈し、「ゲラをチェックするのは編集権の侵害だ」と強く抗議し、開示しなかったとのことだが当然である。
峯村記者は昨年暮れに退職の意向を伝えており、4月20日付けで退職後は複数の大学でジャーナリズムの担い手となる若者を教育するいう。
何故、このような行動を取ったのか。本人は「ニュークリアシェアリング(核共有)について、重大な誤報記事が掲載されそうな事態を偶然に知り、それをくい止めるためだった。」と説明している。
しかも確信を持って堂々と。
週刊誌記者より知見を有していると本人が思っていたにせよ、優れた記者として第三者機関から表彰を受けている人物が何故、このような行動を取ったのか。
処分が発表される13日以降、朝日新聞を含めて報道機関は「他社のことだから」と遠ざけずに全体像を明らかにして欲しい。
政治家に取り入ってTVで得意げに政局ネタを披露するのとは次元の違う権力とジャーナリズムの癒着の深い闇を感じる出来事で恐ろしい気分だ。
朝日新聞は記者と東京高検検事長との常態化した〝麻雀事件〟があったばかりでなおのことである。
私も朝日新聞の峯村記者がとった行動に違和感を覚えました。
記事を書くために政治家に接近するというのはよくある事なんでしょうが、自ずから限度があるはずです。
明らかにスピード違反ですね。
最近あまり見かけなくなりましたが、田崎スシローなどもひど過ぎました。
このようなことは結構日常茶飯なのかもしれませんね。