楕円と円 By I.SATO

人生も自転車も下りが最高!
気の向くままに日常と趣味の自転車旅を綴ります。

『 私の自転車旅物語 2015 』-呼子・平戸・天草・南阿蘇から高千穂越えの旅 - 8

2022年01月10日 | 『私の自転車旅物語』

 

2015年4月18日

熊本県高森町から宮崎県の高千穂に向かう。高森峠の快晴ロングダウンヒルが気持ち良かった。走れることに感謝しながら。

 

高千穂は天孫降臨の神話の里。

時間がたっぷりあるので高千穂峡と弊立神社に寄ってみた。

 

 

高千穂峡は柱状節理の渓谷美で知られ、天孫降臨の時に、この地に水が無かったたため、天村雲命(アメノムラクモノミコト)が水種を移した「天真名井」の水が滝になったという。ボートで見物する人も多い。

 

 

 

弊立神社。神武天皇の孫が宮崎から阿蘇に向かう途中、一羽の白鳥の案内で立ち寄り、幣帛というものを立てて天神地祇(神と自然という意味か)を祀ったという。

神武天皇を先導したという熊野本宮大社の〝八咫烏ヤチガラス伝説〟と似ている。こうした同じような神話はどのように形成されたのだろうか。

因みに3本足の八咫烏はサッカー日本代表のマークになっている。

 

宮司さんらしき人がいたので尋ねると「この神社は高千穂に降り立った神々が集まるまぁ政府のようなところだね」とユニークな説明をしてくれた。

案内板には「この神社に降った雨が東西の海に注いで地球を包んでいる。高天原の宮の伝承を持つ国始めの尊宮」とある。壮大である。

境内に何と樹齢15000年と伝えられる檜のご神木があった。パワースポットになっていて、訪れていた人によると「ここでは磁石が狂う」とか。

 

 

高千穂の街は山間の中腹に思ったより広く張り付くように広がっていた。

 

この日の宿のYHの経営者は中年の女性だった。家族の介護があり食事提供は1年前に中止していて、宿を続けるかどうか悩んでいた。

 

街まで離れているので車に乗せて貰って自炊要用の食材を買いに出た。久し振りに焼き肉ともりもりの野菜にした。夕食の後に再び車で『夜神楽』見物に送ってくれた。

 

《夜神楽を舞った農家の皆さん》

 

年に一度、夜から翌日昼まで舞うという。全部で33番あり、この夜は天岩戸伝説から4番。2時間の熱演だった。

 

 

力の強い神が岩戸を探し出す。

 

 

細女の舞。やっぱり男の舞い(笑)。

 

夫婦円満、イザナギ、イザナミの二神が仲良く酒を造って飲む。

 

天岩戸を持ち上げてメデタシ、めでたし。

 

高千穂の夜神楽は地域の農民が娯楽として、面白おかしく伝承しているが、継者不足が悩みの種とのこと。

末永く続いて欲しいものだ。

 

宿からの迎えの車に乗り21:00過ぎに戻った。

翌日は高千穂の峰を越えて大分県・豊後高田市に向かうと言うと宿の経営主のおばさんが黙った。

「キツイから止めときなさい」と言いかけて飲み込んだように見えた。

 

高千穂から標高1500m〜1600mの九州山地を越えて大分に向かうにはいくつかのルートがあったが、『天の岩戸』が県道7号沿いなので迷わずにそれに決めていた。

 

女将さんに聞くと「子供の頃に行ったきりで。。。舗装はされたと聞いてますけどねぇ」

ウーン。迷った。距離はあるけれど比較的平坦な延岡方面への道を選択すべきか。

 

しかし、折角ここまで来たのだし、「いよいよ困ったら救援を頼みます(笑)」と言うと、

「分かりましたよ。明日は昼から雨だから早く出発した方がいいよ。」と背中を押して貰った。 (つづく)

                                       


『 私の自転車旅物語 2015 』-呼子・平戸・天草・南阿蘇から高千穂越えの旅 - 7

2022年01月08日 | 『私の自転車旅物語』

年末・年始に中断していた2015年の『私の自転車旅物語』再開します。

感染症が再び急拡大している現状を見るにつけ、同じような長旅を出来る日が早く訪れることを願って。

 

 

2015年4月16日

小雨の中、阿久根市のビジネスホテルから熊本へ向かった。

 

 

水俣市を過ぎたところでトラブル発生。

空気圧を調整していてタイヤ側面に亀裂があることに気付いた。先に待ち構える高千穂の山越えでパンクしては大変なので早めの交換を決めた。

 

ところが今は自転車屋がなかなか見つからない!

タイヤが無かったり、不在だったり・・・やっと3軒目の八代市の店でタイヤ幅は少し広いが使える中古品に交換することが出来た。

 

雷が鳴って雨が強くなり急遽、八代から熊本手前の水前寺までJR輪行することにした。

タイヤの側面はちよっとした道路の荒れやバラストで簡単に切れてしまうからこの先も注意だ。

 

熊本はY.Hの青少年会館に泊めてもらう。

高齢者でも問題無い。(笑)

このBlogの「トカラ列島の旅」で書いたが、翌年、同じ所に泊まっていて熊本大地震に遭遇した。

南阿蘇の道路は橋が落ちるなどして閉鎖されたので1年遅ければどうなっていたか。

 

2015年4月17日

 

 

快晴。

朝の熊本市内は通勤等の車で混雑していたので県道を縫って南阿蘇村へ向かった。

朝食は途中のJAストアで買った『いきなり団子』。

サツマイモの輪切りに小麦粉をまぶして蒸した素朴な郷土食だ。突然来客があっても直ぐに作れるというので〝いきなり〟という名前になったという。

 

南阿蘇の道は平坦で山並みをくっきりと眺めることが出来た。

 

 

山桜と肥後のあか牛。

 

 

この頃、阿蘇山が活発な噴火を繰り返していて、道路には注意報が出されていた。

殆ど人に出会わずに30Kmほど走って“水の生まれる郷”・南阿蘇村に到着。

 

 

 

 

至るところに阿蘇の伏流水が「○○○水源」として噴出していて、清流は飲んで美味しい。

白川水源地池の近くに子供達と大人が共同して命名した日本一長い南阿蘇鉄道の「水の生まれる里白水高原駅」があった。珍しい六角形の駅舎だ。

その前で地元の郵便局に勤めるバイクライダーの若者と出会い、暫く話をした。

その間、地域の人々が通り過ぎる度に声を掛け合っていた。仲の良い街だと思った。

 

阿蘇の外輪山。

 

 

この日の宿は野営の予定で、阿蘇山の南に位置する高森町の温泉付の公園に行ってみた。

準備をし始めたところで通りすがりの人に、「山が噴火しているので避けた方が良い」とアドバイスを受け、街に引き返してユース旅館に泊まることにした。

 

自転車を置いた物置スペースには、火山灰がかなり積もっていた。

 

宿のすぐ隣に地酒の蔵があった。豊かな伏流水でいい酒が出来るらしい。

夕食の時に飲んでみたが、米の味がする重たいタイプの酒だった。

 

阿久根からここ高森町までは平坦で二日間で160Kmのツーリングだった。 

明日からはいよいよ神話の里、高千穂越えだ。 (つづく)

 


目立たないラジオ報道番組の改編

2022年01月06日 | 日記

3年前から東京のラジオキー局の報道番組を録音して聴いている。

今日(1/6)の文化放送の『ニュースSAKIDORI』を聴いていたらMCから3月25日で終了することが告げられた。エッ、残念だ。

気のせいか急な印象を受けた。

 

ラジオは専従記者が少ないという。いくつか聴いているが、どの局も国会、現場取材、電話取材に機動力があり、所謂「尺」が長いので、キャスター、コメンテーター、ゲスト解説者の分析・意見が掘り下げられていて核心を突いている。

 

 

TBSラジオでは2020年に番組の大幅な改編があり、報道番組の中止、変更が続いた。

 

・歯に衣着せぬしゃべりの久米宏氏の『ラジオなんですけど』が2020年6月に終了。

・気鋭の評論家、荻上チキ氏の『Session22』が2020年9月から22:00から15:30開始へ移行。

・経産省の〝プレミアムフライデー〟を持ちネタにしているライター・竹田砂鉄氏の『ACTION(15:30開始)』が2020年9月に終了。『アシタノカレッジ』の金曜日のみのMCへ移動。(22:00開始)

などである。

今のところどの番組にも変化は感じない。

 

一説によると、官邸はTV報道番組の発言をチェックしているという。いくつかの夜の時間帯の〝模様替え〟が話題になったことがあったが、それを堺に〝忖度報道〟への傾斜が顕著になった姿を見てきた。

最近の一連のラジオ報道番組の終了、改編が気になる。

 


レフリングの今昔

2022年01月04日 | 楕円 -Rugby-

正月は久し振りにラグビー大学選手権準決勝の明治大VS東海大をTV観戦した。

明大相撲部出身の北島監督の〝押す〟の時代に、今では大会のカテゴリーは違うが東海大と対戦したオールドプレーヤーとしてはどちらも応援だった。

 

最後は明大が振り切ったが互角。東海大は後半に追いついて逆転してからのダメ押しが無く、防いだ明治が試合運びで1枚上手だった。

 

最近はレフリーの声が集音マイクから流れてくる。

FWの密集で「そのブレーを続けたら次は反則をとるよ」といった警告やホールドされているプレーヤーに「ボールを早く放せ」といった指導的な指示も行っている。

オフサイドに位置しているプレーヤーに注意喚起することさえもある。

 

レフリーから言われて、分かっているけど出来ないことが多々ある。

危険なプレー、不正なブレーのチェックだけをして貰って十分と思っていた世代から見れば過剰とも思える親切なレフェリングになってきた。

 

暮れのOBの集まりで、大昔のあるレフリングのことがいつものように話題になった。

「(スクラムを組む時に)畜大さん、相手は弱いですから加減してください」

「(双方倒れ込んだ密集で)こんなに綺麗にボールが出てくるはずがない」

 

これは危険なプレーのチェックなのか、不正なプレーのチェックなのか。

はたまた〝教育的〟指導なのか・・・。

 

ラグビーでは力の差がありすぎる試合は危険防止から普通は組まれないが大会の予選ではあり得る。

「手加減して」と言われてもそのようなトレーニングはしていないし、相手に失礼である。ラグビースクールの試合でないのだから時のレフリーは実に難しい指示をしたものだ。

 

ラグビーではプレーヤーでも何の反則なのか分からないことがある。ましてや観衆は分からない。特にFWの密集では見えないプレーも多く、「この場面でこんな形でボールは出ない」と断定した件のレフリーの自信に今になって感心する。

 

これから暫く冬のスポーツ、ラグビーの試合が続く。時代とともに変わるレフリングも楽しみたい。

 

当事者のWの名誉のため。

「テクニックであり、断じて手を使っていない!」

一同爆笑となる。

 


初詣

2022年01月01日 | 日記

2022年1月1日 曇りのち粉雪

 

 

6時に家を出て近くの開拓神社に初詣した。

気温マイナス18℃の予報だったのでいつもより1時間遅くにした。

夜も明けた7時に社に着いた。篝火はやっぱり闇に映える。

 

往復8Kmを歩いたり走ったりしながら2時間。

気持ち良く汗をかいて風呂に入り頂く正月の酒は格別だ。

 

2022.1.1  雀団子