今年もツール・ド・フランスの季節になった。5月にイタリアの緑を満喫して、6月にスイスに行った気分になって、今また地中海でヴァカンスを過ごす。まあこんなに楽にその気になっていたらいかんなあ。
中華街の旨いものを写真や映像で見て食べた気持ちになることは絶対にないのに、自転車競技を見ていると行った気分にすらなるのはなぜだろう。
フィンガルの洞穴を聴くとイングランドの北方に行った気持ちになる。こうした心の動きと中華街の旨いものとの差はなにか。素朴な疑問だが、あれこれ思いは巡らせることができそうである。こういうところから考え始めるとおもしろいでしょう。
さてそれはさておき、自転車競技は日本では競輪のイメージが強すぎて少し間違った目で見られているようだが、ヨーロッパの3大スポーツといえば、サッカー、自転車のロードレース、F1に代表されるモータースポーツを指す。
モータースポーツは日本人ドライバーで有名な人が何人かいるけれど、自転車競技で世界的な選手はほとんどいない。世界的に有名どころか、最大のイベントであるツール・ド・フランスには過去たった2人しか参加していない。
最初に参加したのは名前は忘れたが、個人参加が可能だったころ、よほど変人だったのか、船で渡仏して出場したそうだ。
大会がおよそ現在の形になってからはたった1人、13年前に今中大介選手があるのみだった。今中選手は残念ながら3週間完走できず、リタイアを余儀なくされた。
それほど大きくて過酷な競技に、今年2人の日本人選手が参加している。新城選手と別府選手という。別府選手は日本のロードレース界でのエリートだったから、僕でも名前と顔は知っていた。世界の強豪チームに籍を置いたこともあり、そのうちに大きな大会でテレビに映ると楽しかろうと期待していた。
新城選手も、熱心なロードレースファンの間では知られた存在だったらしいが、熱心なファン層が限られているわが国では、高が知れている。高校ではハンドボールをやっていたそうで、福島晋一さんという選手(かな?ちょっと前までは選手だった)が見出して両親を説得してフランスのチームに(この時点ではフランスに本拠を置く日本のチームに)入ったという。
この人は選手を発掘するのが大変上手なのだそうだ。どの世界にもそういった名伯楽はいるものだなあ。
13年ぶりに、それも一度に2人も出場するのでメディアはこぞって配信している。
3週間のレースは、毎日が独立したレースにもなっていて、それをステージというのであるが、第2ステージで新城選手が何と並居る有名選手に伍して5位になった。解説者もかつての選手であったが、驚きのあまり声が出ない。アラシロー?5位?・・・こんな感じ。
さあ、その後ネットで見ると大変だ。例によって日本のメディアが馬鹿騒ぎを始めている様子だ。
今中選手の時も凄かったらしい。彼らはマイナーな競技をメジャーなものにしたい気持ちが強いから、大勢の皆さんに取材に来ていただいてありがたい、と言っている。しかし、メディアもひとつ大人にならないと、あらゆる分野で育つものも育たない。
過酷な3週間を考えると、心ない持ち上げ方をしないでもらいたい。ロードレースの何が過酷といって、ひとつ例を挙げるならば、一日9000キロカロリーを摂取しなければならないことだ。胃腸がよほど丈夫でなければやっていけないという。僕の周りには摂取するだけなら大丈夫だ、と胸を張りそうな人間が多いのであるが、普通の人にはできることではない。そんな日々に、周りで銀蝿のようにぶんぶん飛び回って顰蹙を買わぬように願いたい。
2選手の活躍を僕も大いに喜んではいるが、何といっても途轍もない大きな大会の脇役でしか、今のところないのだから。トップとタイム差が付きすぎると失格になる。落車による骨折、擦過傷、その他のアクシデントも日常である。21日間完走するだけでも大変な快挙だ。完走を祈る。
中華街の旨いものを写真や映像で見て食べた気持ちになることは絶対にないのに、自転車競技を見ていると行った気分にすらなるのはなぜだろう。
フィンガルの洞穴を聴くとイングランドの北方に行った気持ちになる。こうした心の動きと中華街の旨いものとの差はなにか。素朴な疑問だが、あれこれ思いは巡らせることができそうである。こういうところから考え始めるとおもしろいでしょう。
さてそれはさておき、自転車競技は日本では競輪のイメージが強すぎて少し間違った目で見られているようだが、ヨーロッパの3大スポーツといえば、サッカー、自転車のロードレース、F1に代表されるモータースポーツを指す。
モータースポーツは日本人ドライバーで有名な人が何人かいるけれど、自転車競技で世界的な選手はほとんどいない。世界的に有名どころか、最大のイベントであるツール・ド・フランスには過去たった2人しか参加していない。
最初に参加したのは名前は忘れたが、個人参加が可能だったころ、よほど変人だったのか、船で渡仏して出場したそうだ。
大会がおよそ現在の形になってからはたった1人、13年前に今中大介選手があるのみだった。今中選手は残念ながら3週間完走できず、リタイアを余儀なくされた。
それほど大きくて過酷な競技に、今年2人の日本人選手が参加している。新城選手と別府選手という。別府選手は日本のロードレース界でのエリートだったから、僕でも名前と顔は知っていた。世界の強豪チームに籍を置いたこともあり、そのうちに大きな大会でテレビに映ると楽しかろうと期待していた。
新城選手も、熱心なロードレースファンの間では知られた存在だったらしいが、熱心なファン層が限られているわが国では、高が知れている。高校ではハンドボールをやっていたそうで、福島晋一さんという選手(かな?ちょっと前までは選手だった)が見出して両親を説得してフランスのチームに(この時点ではフランスに本拠を置く日本のチームに)入ったという。
この人は選手を発掘するのが大変上手なのだそうだ。どの世界にもそういった名伯楽はいるものだなあ。
13年ぶりに、それも一度に2人も出場するのでメディアはこぞって配信している。
3週間のレースは、毎日が独立したレースにもなっていて、それをステージというのであるが、第2ステージで新城選手が何と並居る有名選手に伍して5位になった。解説者もかつての選手であったが、驚きのあまり声が出ない。アラシロー?5位?・・・こんな感じ。
さあ、その後ネットで見ると大変だ。例によって日本のメディアが馬鹿騒ぎを始めている様子だ。
今中選手の時も凄かったらしい。彼らはマイナーな競技をメジャーなものにしたい気持ちが強いから、大勢の皆さんに取材に来ていただいてありがたい、と言っている。しかし、メディアもひとつ大人にならないと、あらゆる分野で育つものも育たない。
過酷な3週間を考えると、心ない持ち上げ方をしないでもらいたい。ロードレースの何が過酷といって、ひとつ例を挙げるならば、一日9000キロカロリーを摂取しなければならないことだ。胃腸がよほど丈夫でなければやっていけないという。僕の周りには摂取するだけなら大丈夫だ、と胸を張りそうな人間が多いのであるが、普通の人にはできることではない。そんな日々に、周りで銀蝿のようにぶんぶん飛び回って顰蹙を買わぬように願いたい。
2選手の活躍を僕も大いに喜んではいるが、何といっても途轍もない大きな大会の脇役でしか、今のところないのだから。トップとタイム差が付きすぎると失格になる。落車による骨折、擦過傷、その他のアクシデントも日常である。21日間完走するだけでも大変な快挙だ。完走を祈る。