婆さんが行く

婆さんの食卓とワンコ

お彼岸 (空の初散歩の日)

2010-03-21 11:22:57 | Weblog
若い夫婦が一生懸命 お墓を洗ってみがいている。
このお墓の花入れの下にゴキブリが住んでいるらしい。わざわざ石をどけてこわごわ覗いては、大騒ぎをしている。
わぁー! きゃぁー!
熱心に掃除をしているのかと思えば ときおり子供のようにふざけて戯れている。
風が心地よく通り過ぎ 木々が芽吹き始め絶好のお彼岸日和
「この場所 まったくお墓が建たないな。ゴキブリがでる場所なんて嫌だよ」
若い妻は、笑っている。
「俺 この壁が嫌なんだ!」
墓の後ろは、土砂崩れを防ぐ大きなコンクリート壁が まるで巨人の墓のようにある。
思わず笑ってしまう。
「なんで自分だけ座ってるんだよ」

遠くに、むきだしのコンクリートの基礎を見つけた私は、ちょうどいい腰掛に
どっかり座ったまま高みの見物
膝の上には、初めてのお出かけ 初めての散歩に怯える『くう』がいる。

そうだそうだ お墓に水をかけなくちゃね。

私は、眺めがよくて いつまでもぽつんと墓が一つのこの場所がいたく気に入っている。
階段を登りきった場所には、観音様まであるんだから最高じゃないって思う。
これで 子供の頃の田舎のように 煮しめや赤飯お菓子なんか持ってきて食べたらピクニック気分かな!?

『くう』は、少し歩いては、座ってかたまってしまう。
ぶるぶる震えていつもと様子が違う。
車中では、吐いてしまうし まったく元気がない。
車と犬の吠える声にびくびく
人をみれば興奮して 耳と尻尾をたらしてキュンキュン 警戒心を全身で表現。
何日で慣れるか楽しみです。
本音は、このまま大人しいほうが楽でいい。

片手で抱いたまま お水をとる。
陽が差すお墓はすぐに乾いた。