宙場館

市町村文化圏に住む、あるしがないアマチュア楽隊人の日々

6w2h

2005-06-12 19:40:00 | 悩み
 とある取引先のセンターに30歳そこそこの職員さんがいるが、この方は仕事の仕方に少々問題があり、私は「パニック君」と心の中で呼んでいる。

 なぜパニック君かというと、仕事を進めるにあたり「6W2h」(when,where,who,what,why,whom,how,how much)が欠落しており、段取りができていないまま「つまみ食い」で仕事をし「自爆」した頃に私に助けを乞う、ということを繰り返しているためである。これまでの3ヶ月弱でこんなことがあった。

1.)ワンウェイクラッチ事件:アタッチメントのワンウェイクラッチが壊れたので、急いで部品を頼みたいと泣きついて来たのがとある金曜の昼。こっちは午後から別の取引先での展示会準備が控えているのに、明日部品が欲しいとパニック状態。急いで営業所からパーツリストを取り寄せようとしたところ、JAのFAX設定ミスで受信ができず、こちらの携帯電話でパーツセンターに確認する始末。
 それでも何とか発注を済ませたものの、週明けになったら「手が付けられないので組み立ててください」と泣きついてきた上、組んでみたら彼が発注した部品だけでは組み上げることができず、追加発注をした上で組み直す羽目に。おまけに実際の納期は泣きついてきてから1ヶ月先であり、金曜日の昼に慌てることは何も無かったのだった。
#組立工賃が発生しているんですけど、請求してもよかですか?

2.)ヒュージブルリンク事件:1.)の修理機をパニック君とお客さんに届けた帰り、パニック君、「実はトラクターが田んぼの中で止まっていまして…」とまたまたお願いモード。現場に着いて状況を聞くと、「ヒュージブルリンク(ヒューズの一種です)が切れエンジンが止まったので、新しいものを取り付けたところまた切れました。もう一本持ってきたので何とか再始動させて田んぼから出そうと思うのですが…」と言うので「溶断の原因は分かっていますか?」と聞くと「…」。仕方がないので、本社の営業技術に現象を伝え点検項目を確認し、部位の一つである燃料カット用のソレノイドを見ると…見事に焼き切れており、リード線を外してソレノイドを殺し、同時に燃料ポンプのカットレバーと分離してレバーをラジオペンチで作動側にすると何とかエンジンは始動し、田んぼからの脱出に成功した。トラクターをパニック君に委ね、いそいそと営業所に戻ったのは言うまでもない。

 さて、彼にとって一番の悲劇は「上司に恵まれなかった」ことだろう。彼の元上司はこの春の人事異動で別のセンターに異動したのだがこの方、輪を掛けて酷いのだ。この方、木曜日の昼に「トラクターが動かなくなった。本社の営技に教えてもらいたいが、番号が分からないので携帯まで電話を入れてくれるように頼んでくれ」と電話を入れてきた。が、朝イチで別件の電話が本社営技から入っていたはずなんですが…。

 たまたま、比較的現場の近くにいたので電話をする前に現場に向かってみると、トラクターが田んぼから上がる途中のスロープで変速ができなくなり、停止している状態。この状態で直すって…それより何とか農道まで上げることが先決だな、と思っていたらレッカー車が…。レッカーを手配したなら上に上げた後で電話しろって!営技はこの時期非常に忙しくて殺気だっているんだぞ!!、と心の中で呪いつつ悪戦苦闘の末、農道に上げて変速機を動かしてみると…トラクターは正常に動き出した。結局、スロープを登ろうとした際にスリップしてずり下がったため、変速機が一時的に噛み込んでしまったのが原因のようで、電話しなくて正解、という一件だった。

 前任者はこの泥沼に足を踏み込んでしまい苦労したようであるが、自分は「助言はする、が、必要以上の手助けはしない」という後藤特車2課第2小隊長的なスタンスを取りたい。結果として、それが相手のレベルアップに通ずるはずだし、何より彼等のほうが業界では先輩のはずだから…。修理、というのは「いつ、どこで、何が、どのようにした時、なぜ」壊れたかを把握して「何を、どのように、いつまでに、いくらで」直すかをお客さんに伝えなければならない、というのを改めて感じる今日この頃である。

追伸:携帯を水ポシャして30秒しか繋がらない、と言いつつ自分がセンターにいる時は頻繁に電話するのも考え物だよ、パニック君!