栄冠ゼミ (著)、220円(税込) 私立校・中高一貫校生の一学期から始める勉強の仕方を紹介
この時期に言われるのは、少し厳しいことと思いますが、
昨今の私立校・中高一貫校の現状を踏まえて、書かせて頂きます。
来週から部活動への入部が始まると思います。
まずは仮入部で様々な部活動を体験することになると思います。
失礼ながら、若い皆さんは、好き嫌い、興味のあるなし、面白そうつまらなそうという感情で、
部活動を気軽に決めようと思っている方が多いと思います。
しかし、それが昨今の私立校・中高一貫校の学校・先生方との意識のズレを
生んでいるように思えます。
昨今は、『文武両道』を目指す学校が増えてきています。
もちろん、それを体現・実現する方が少なからずいるため、
その精神・教育が悪いというつもりはありません。
しかしながら、生徒側の学力・成績状況、意識を、若干無視してきているようにも
思えます。
事実として書かせて頂きます。
私立校・中高一貫校において、進級・進学が厳しくなるのは、
圧倒的に『運動部』です。
様々な要因がありますが、夏の大会(7月・8月の全国大会)に出場するためには、
5月、6月に、地区大会、県大会などがあり、その時期に一学期中間テスト、期末テストが
重なるため、どうしても勉強がおろそかになります。
加えて新入生などは、部活動についていくだけで精一杯、大会用の練習に付き合わされて、
普段の勉強は、授業は、疲れていて、はかどるどころか、やることすらできない。
宿題は溜まる一方で、授業はどんどん進む。
そうして、この一学期で成績を落す。
夏休みは、大会・合宿などで部活三昧。
迎えた二学期には、すっかり勉強にはついていけない。
受験校であれば、夏の大会ですっぱり終わり、引退、
一発勝負の“受験”に向けて、“秋”から頑張るでうまくいきます
ですが、私立校・中高一貫校の進級・進学において、
「一学期の成績」もきっちりと計算されます。
当然、一学期の成績を落としていると、足かせのように、
二学期につきまとい、進級・進学に大きく関わってきます。
それだけの可能性を秘めている部活動、運動部です。
その覚悟があるのか、その上で文武両道を目指すものとするのか、
さらに、「できなかった」時、部活動は、勉強は「どうするのか」「どう対応するのか」、
そこまで考えての覚悟があるのか。
そこで、お聞きします。
その部活動は「本気」で目指すものなのか、それとも「趣味・好きな事」でやるものなのか。
昨今の私立校・中高一貫校では、『本気』で文武両道を目指すものとなっており、
各個人において勉強が、成績が落ちてきたからといって、
休部や退部にさせないものとなっています。
悪い書き方になりますが、個人的にはこれが「飼い殺し」になっているように思えます。
それで、「高校」「大学」へと進級・進学できれば、問題ないのですが、
高い授業料を取っているにも関わらず、部活動で活躍させておいて、
勉強ができなければ、つまり『文武両道』の片方でもできなければ、
「高校」「大学」へと進級・進学させないという非情な結論をつきつける。
失礼ながら、若い皆さんが、自分の好きなこと、興味のあるもの、面白そうなものに、
“それ”だけに、走ってしまう、集中してしまうのは、当たり前のことだと思います。
加えて、嫌いなこと、興味のないこと、つまらない、面倒なことは、後回しにするのも
道理がかなってしまうことだと思います。
大人でもその傾向があるというのに、若い皆さんに、
その時、その場、その状況での判断がつけづらい皆さんに、
文武両道、そこまでのことを求めるのは酷だと思います。
ただし、できる人はできるので、目指すこと、それ自体は悪いことだとはいいません。
しかし、できなかった時、部活動も中途半端、勉強も中途半端、
せっかく入った私立校・中高一貫校において、進級・進学できないどころか、
留年、中退となる状況・可能性を秘めているということまで「覚悟」できているかどうか。
私立校・中高一貫校においては、そこまで考えての部活動入部であると、思って下さい。
昨今の私立校・中高一貫校の『文武両道』は諸刃のものとなっています。
できる人はできているからこそ、学校側は強気でその道を勧めてきますが、
自分のことをよく考えて、どうするのか決めて下さい。
個人的には、今、入部するかどうするのかというよりも、
入部した後、自分が(自分の勉強・成績が)どういう状況になったら、
部活動を、どうするのか、どう対応するのか、決めておくことをオススメします。
最近は、成績がオール1、不合格でも、部活動を優先する、部活動中心の生活をする方が、
増えてきました。
その考え、その生き方は構いませんが、その結果、上記したように、
せっかく入った私立校・中高一貫校において、進級・進学できないどころか、
留年、中退となってもやむなし、仕方ないといって、すっぱり諦めることができるのかどうか。
すこし極端な話ではありますが、自分がそこまで考えているかどうか、
問われることになった時、すでに勉強が、成績が、『追いつかない』なんてことに
なることが、最大の悲劇です。
さらに、この結果から、勉強・宿題から逃げるように、部活動(だけ)を頑張る。
この状態がまさに、先ほど書いた「飼い殺し」の状況・状態です。
何も考えず、部活動を、青春を一生懸命頑張ったにも関わらず、
進級・進学は、別のお話、“文”武両道できなかった、あなたが悪いと、谷底に落とされる。
部活動において、ほぼ毎日、多くの『時間』と『機会』を部活動“だけ”に使うことは、
その可能性を秘めています。
もちろん、何度も書いておりますが、『できている』『できた』人も少なからずいますので、
目指すことは悪いことではありませんし、できれば褒められ、認められ、
できなければ『できない』方が悪い、『やれない』のは自己責任という、
今風のすっきりした生き方・考え方かもしれません。
こんなうるさいこと、最終的に高校・大学へと進級・進学できた後、ただの戯言だった、
嘘ばっかりだった、ありえないことだったと言えることを祈ります。
『できている』『できた』人にとっては、ここに書いてあることが全くの嘘、事実無根の話です。
しかし、「できなかった」人の中で、真実・事実になってしまうことがあったとき、
後悔することのないように、早めに気付けるように、書かせて頂きました。
来週からの部活動の選択の際に、少し頭に入れておくと、
参考になるかと思います。
最後に、もう一度書かせて頂きますが、昨今の私立校・中高一貫校においての、
勉強、部活動、『文武両道』は、『できる・できた』人を基準に考えています。
その学校側の意向と、生徒の意識がズレていると、悲劇が生まれることになります。
よく考えての部活動として下さい。
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