ラパロスコピストの夢

大阪梅田で子宮内膜症と闘うラパロスコピストのblog
子宮内膜症、子宮筋腫に対する腹腔鏡下手術はどこまで進歩できるか?

はじめにお読みください

健保連大阪中央病院に勤務するラパロスコピスト(腹腔鏡術者)のブログです。婦人科腹腔鏡下手術、子宮内膜症、慢性骨盤痛等の治療を専門としています。

このブログでは腹腔鏡下手術、子宮内膜症、子宮筋腫に関する基本的な事柄については解説していません。まず、下記のウェブサイトをご覧になることをお勧めします。
日本子宮内膜症協会
子宮筋腫・内膜症体験者の会 たんぽぽ

手術を希望される方はこちらをご覧ください。

医療相談、ご質問にはお答えしませんのでご了承ください。

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子宮内膜症が雑草で?

2006-07-16 | 子宮内膜症
先週、両側多房性チョコレート嚢胞核出&深部病変切除をした。
ボスが回診でその患者さんに面白い説明をした。

「今回は松本Dr.がきれいに病巣を取り除きました。
でも、子宮内膜症は雑草みたいなもので、
一度きれいにしても、また生えてくることがあります。
術後もきちんとフォローしてください。」

子宮内膜症が雑草?
そうなら、治療は庭の手入れみたいなものだ。
腹腔鏡下の病巣切除は、ていねいに雑草を根っこから引き抜いて除草剤をまいたようなものである。
チョコレート嚢胞の経膣エタノール固定は農薬をばらまいたようなものか?

経膣エタノール固定後で不妊治療が行われていた場合、
しばしば多房性のチョコが発生し、非常にタチが悪い。
卵巣の周りに炎症がつよい。ダグラス窩の深部病変もしばしば見られる。
私には、土壌まで汚染されてしまったようなイメージだ。

もちろん、腹腔鏡下や開腹でラフな手術をした場合のイメージは、
雑草を根っこから引き抜いたのはいいが、
まわりの花や樹木まで抜いてしまったり刈り取ってしまった・・・といったところだろうか。

低用量ピルや偽閉経療法は、”秋~冬”の状態であり(雑草はとりあえず枯れておとなしくしている)、
不妊治療は(高エストロゲン状態になるわけで)"真夏"にしているようなものだ。(雑草はどんどん生えてくる)

庭はきちんと手入れしておかなければならない。
いざというときに(妊娠&出産)庭がボロボロになっているかもしれない。

庭の手入れは、腕のいい庭師に頼まなくてはならない。
下手な庭師だと雑草が残り放題だったり、逆に花や樹木まで枯らせてしまう。
放置しておけば、庭は荒れ放題になり、
庭師を呼んだときには「まぁ、ここまでよくも放置しましたねぇ・・・」なんてことになる。
コメント (1)
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