今回は、TLHにおける腟断端縫合の運針で、私が実践しているTwo-stage passというテクニックについて解説します。
Two-stage passとは?
縫合の際、組織が固かったり、左手がうまく寄せようとしても、一度で深く運針するのが難しい場合があります。このような場合に、無理に一度で運針しようとすると、浅い運針になってしまい、組織をしっかりと寄せることができず、腟断端離開のリスクが高まる可能性があります。そこで、私はTwo-stage passを採用しています。
これは、前壁と後壁を二度に分けて運針する方法です。簡単に言うと、一度針を出して持ち直すということです。
Two-stage passのメリット
一度で運針した方が早く済み、持ち直しもないので心理的にも楽です。一見すると早くてカッコよく見えるかもしれません。しかし、浅い運針になりそうな時には、Two-stage passを採用することで、深くしっかりと運針し、創部を正確にしっかりと寄せることができます。
もちろん、毎回Two-stage passを行う必要はありません。しっかり縫えるのであれば、One-stage passで問題ありません。かし、「ちょっと寄りにくいかな?」と思う時には、Two-stage passを採用することで、より安全で確実な縫合を行うことができます。
早さよりも確実性を
私は、早さよりも確実性を重視しています。「ちゃんとやっておきたい」という気持ちから、Two-stage passを採用しています。筋腫核出術でもこうすることで、しっかりと子宮筋層を縫合し、安心して妊娠出産を迎えていただくことができます。小さなことにも手を抜かないでおきたいですね。😊