前回は直腸穿孔が起こった場合や全層切除、半層切除、癒着剥離などで起こりうるトラブルについて触れた。今回は、腸管切除(いわゆる区域切除、低位前方切除)を施行した場合の合併症について考えてみる。
低位前方切除の合併症として縫合不全、吻合部狭窄、術後腸管穿孔、腹腔内膿瘍、直腸膣瘻などがある。他に、癒着による腸閉塞や排尿障害などもある。腹腔鏡下手術では腸閉塞のリスクは低く、排尿障害はかなり深部の子宮内膜症を切除しない限り起こりにくい(大腸癌の手術じゃないから周りの組織を含めて大きくとるということはないのだ)。
★縫合不全
直腸低位前方切除では直腸からS状結腸の一部を切除しますので肛門側と口側の腸管を器械で吻合する。(端々吻合)円周状に針の出るステープラーを使う。
器械を使うのでトラブルがなさそうに思えるが、縫合不全は起こりうる。直腸癌やS状結腸癌の縫合不全は、報告者によってことなりますが、1~15%くらいである。(かなり異なる。たぶん、定義が多少違うのだろう。)縫合不全は術後1週間以内に起こることが多く、術後2週間後にはほとんど起こらない。
消化器外科医によれば、縫合不全を起こしたからといって全てが再手術→人工肛門造設というわけではなく、保存的に経過観察できるもののほうがずっと多いそうだ。ただし、瘻孔がふさがるまで絶食、中心静脈栄養としなくてはならない。(一ヶ月以上かかることもあるそうだ。)
★吻合部狭窄
吻合部が狭窄を起こして、便の通過性が悪くなってしまうことがある。原因としては吻合部の血行が悪くなってしまうためだろう。吻合部に緊張がかかっていたり、感染を起こしたりすると起こりやすくなるのではないかと思う。
閉塞を起こすほどの狭窄もまれにあるらしい。しかし、狭窄自体はあまり起こらないそうだ。それに、狭窄した場合には機械的に拡張して保存的に治療できることが多いと聞いている。
★腹腔内膿瘍
膿瘍の原因は縫合不全による小さな瘻孔による感染だろうと思われる。普通、手術で留置したドレーン(とくに閉鎖式ドレーン)が効果的であれば保存的に経過観察することができる。
低位前方切除の合併症として縫合不全、吻合部狭窄、術後腸管穿孔、腹腔内膿瘍、直腸膣瘻などがある。他に、癒着による腸閉塞や排尿障害などもある。腹腔鏡下手術では腸閉塞のリスクは低く、排尿障害はかなり深部の子宮内膜症を切除しない限り起こりにくい(大腸癌の手術じゃないから周りの組織を含めて大きくとるということはないのだ)。
★縫合不全
直腸低位前方切除では直腸からS状結腸の一部を切除しますので肛門側と口側の腸管を器械で吻合する。(端々吻合)円周状に針の出るステープラーを使う。
器械を使うのでトラブルがなさそうに思えるが、縫合不全は起こりうる。直腸癌やS状結腸癌の縫合不全は、報告者によってことなりますが、1~15%くらいである。(かなり異なる。たぶん、定義が多少違うのだろう。)縫合不全は術後1週間以内に起こることが多く、術後2週間後にはほとんど起こらない。
消化器外科医によれば、縫合不全を起こしたからといって全てが再手術→人工肛門造設というわけではなく、保存的に経過観察できるもののほうがずっと多いそうだ。ただし、瘻孔がふさがるまで絶食、中心静脈栄養としなくてはならない。(一ヶ月以上かかることもあるそうだ。)
★吻合部狭窄
吻合部が狭窄を起こして、便の通過性が悪くなってしまうことがある。原因としては吻合部の血行が悪くなってしまうためだろう。吻合部に緊張がかかっていたり、感染を起こしたりすると起こりやすくなるのではないかと思う。
閉塞を起こすほどの狭窄もまれにあるらしい。しかし、狭窄自体はあまり起こらないそうだ。それに、狭窄した場合には機械的に拡張して保存的に治療できることが多いと聞いている。
★腹腔内膿瘍
膿瘍の原因は縫合不全による小さな瘻孔による感染だろうと思われる。普通、手術で留置したドレーン(とくに閉鎖式ドレーン)が効果的であれば保存的に経過観察することができる。