演芸見ブんログ

寄席・野球観戦等に行った備忘録を残しています

08/08/06 ヨセゲー ~We're Geikyo~(お江戸日本橋亭)

2008-08-06 | 芸協見ブんログ
口上…『三笑亭夢吉・三笑亭可龍』(下手側からの並び順)

三笑亭可龍…『火事場にて』

※高座返し・・・宮田陽・昇
鏡味八千代・初音…「太神楽曲芸」

※高座返し・・・三笑亭可龍・神田きらり
三笑亭夢吉…『強情灸』

《お仲入り》

宮田陽・昇…「中国」

※高座返し・・・鏡味初音・八千代
神田きらり…『村井長庵 雨夜の裏田圃』(お登勢殺し)


可龍さんが企画・立案した会。楽しみに日本橋亭に向かいました。
木戸では可龍さん・きらりさん・初音さんに八千代さんも加わって楽しそうに談笑中。
私も自ら『気の置けない会』と勝手に位置付け、最前列上手側の座椅子に陣取り開演を待ちました。
開演時間になり、真打披露口上でおなじみの曲が流れ幕が開きました。
高座の上には可龍さんと夢吉の二人。めくりには“口上”と書かれています。
可龍さんに促されて夢吉さんが真面目にこの会の趣旨を話し始めると、可龍さんが夢吉さんの扇子にちょっかいを出し、夢吉さんは一気に不貞腐れモード
代わって可龍さんが趣旨説明を始めると今度は夢吉さんが可龍さんの時計をいぢり始める。
もう本当に“兄弟けんか”のような口上でした。
ちなみに趣旨説明では、
通常の寄席ではみられないような企画・・・といった内容でした。(超簡略)

トップバッターは今日のメンバーの中では香盤が一番上の可龍さんで、「夢吉さんがじっくりと古典を、きらりさんがトリで怪談をやるそうなので、自分は新作をやりたい!」
と、花丸さんが作った『火事場にて』を楽しく口演しました。

高座返しにはナント陽・昇さんが登場!
今回の出演者の中で唯一高座返しの経験がない二人。
高座を後方に下げ、めくりをめくるなど真面目に働くさんに対し、ちゃっかり座布団に座っていたさん。
慣れぬ高座返しに戸惑い気味でしたが、高座の準備を整えて下がる時は拍手が送られました。
高座返しで拍手って・・・

ピンクの着物が鮮やかな初音さんと八千代さん。
まずは初音さんが「五階茶碗」、八千代さんが「傘」の芸を披露。
続いて初音さんが口でビーチボールに息を吹き込みますが、かなり苦しそう・・・
それを隅で見守る八千代さん
最前列のお客さんを高座に上げ、お客さんがビーチボールを投げて初音さんが傘で受けるというもの。
八千代さん曰く、
「直線的に投げては、いくら曲芸師でも受けられません!」
実に理に適った、納得の説明でした。

可龍さんときらりさんが登場して、高座を再び前に出し、緋毛氈の乱れを直したりしていましたが、ここできらりさんが高座の角に思い切り足をぶつけてしまいました
かなり痛そうなきらりさんを横目に可龍さんは座布団を高座の隅に置くイタズラ。

何も知らずに高座に現れた夢吉さんはその座布団を見て一気にテンションダウン
慌ててめくりを確認すると、ちゃんと“夢吉”になっていました
郷土愛のマクラから江戸っ子の強情さということで『強情灸』の一席は、喜怒哀楽の激しいかなりハイテンションな内容
夢吉さん、おつかれさまです

後半は不気味な髪型のさんがハイテンポで飛ばし、さんも負けじと応戦。
定席より持ち時間が長く、最後は「中国」を汗だくになって楽しませてくれました。

照明が落とされきらりさんが静々と登場。
松鯉先生に唯一教わった怪談は、「内容よりもオマエの顔の方が怖い」ということで封印されてしまったそうです
先日の深夜寄席でも読んだ『村井長庵』ですが、今日は私の大好きな「お登勢殺し」の一席。
実の妹のお登勢を手下の三次に10両の金で殺させるというものですが、お登勢を殺した三次が金を要求すると、あまりにも理不尽な理由で拒否する長庵。
吉原田圃での殺害場面と併せて、真夏の夜に身も縮まるような読み物を聴かせてくれました

今回は1回目ということで、どの芸人さんも探りながらの様子でしたが、これを糧に2回目以降は通常の寄席では見られない内容や企画を願って止みません。