演芸見ブんログ

寄席・野球観戦等に行った備忘録を残しています

08/12/03 東西交流 貞山・南陵二人会(上野広小路亭)

2008-12-03 | 講談協会
一龍斎貞鏡…『山崎の合戦 抜き読み』

神田山緑…『伊達家の鬼夫婦』

旭堂小二三…『大岡政談 黒雲のお辰 夢の浮き橋』

白山雅一(飛び入り)…「声帯模写…灰田勝彦《鈴懸の径》~田端義夫《かえり船》~柳家三亀松~三遊亭圓生~藤山一郎《東京ラプソディ》」

旭堂南陵…『太閤記 金龍縄張問答』

《お仲入り》

春風亭美由紀…「年の瀬~さのさ節(花づくし・水づくし・芸者の気持ち)~ぎっちょんちょん~東京音頭/奴さん・芸者さん(踊り)」

一龍斎貞山…『出世の富くじ』

貞鏡さん
今日も『山崎の合戦』からの抜き読み。
今まで聴いた中で一番良かった。
何が良かったって、“目”!
じっくりと前を見据えて、泳ぐこともキョロキョロすることもなく、“生きている目”という感じでした。
読み口もしっかりしていたし、あとは張り扇をもうすこし勢い良く叩ければ…と思いました

山緑さん
ちょっとこの読み物は苦手で・・・

小二三さん
大岡越前守の政談物。
先日の「東西若手交流会」の時のように、迫力ある口調でグイグイのめり込んで行きました。
図らずも短い期間で2度も小二三さんの講談が聴けて、これだけでもこの会に来た甲斐がありました

ここで白山雅一先生の飛び入り出演!
芸能生活66年!御年21歳!・・・2月29日生まれなので…
実際は83歳の大ベテランですが、三十数年ぶりにお姿を拝見できて大感激!
お姿はそれなりにお年を召されましたが、ハリのある声や見事なスキンヘッドは三十数年前と変わっていません
「灰田勝彦」さんは死んだ親父が大好きだった人で、よくカラオケでも歌っていました。どうしても「灰田勝彦」さんと聞くと親父を思い出します…
「田端義夫」さん・・・バタやんの「かえり船」はギターを持った姿が頭の中をよぎりました。
「柳家三亀松」師は高座を拝見した記憶はないのですが、三笑亭夢丸師匠の逸話話でおなじみの方。
白山先生は三亀松師の内弟子だったそうで、直弟子ならではの楽しいお話も聞けました。
「三遊亭圓生」師は「若い頃と晩年のどちらが聞きたいか?」という問いに客席から「両方!」
若い圓生師と晩年の圓生師が掛け合いで会話をするという、白山先生ならではの妙芸でした。
「藤山一郎」さんは紅白歌合戦の最後の“蛍の光”の指揮でおなじみ。
姿勢を正して、マイクをゆったりと動かしながらの抑揚のある歌声に感動しました!
昔「東宝名人会」で白山先生が“牧野周一”先生(ポール牧・牧伸二師の師匠)のモノマネをやり、その後に出てきた牧野周一先生が登場すると客席から笑い声が…。
『あー、白山くんがやったんですか!』という牧野先生の第一声に客席は大笑い!ということがありました。
今は寄席で“点”から“線”になることはあまりなく、顎をちょっと突き出して歩く牧野先生のお姿を懐かしく思い出してしまいました。
(“点と線”…遊雀師匠が「佐渡おけさ」のマクラをやって、うめ吉さんが「佐渡おけさ」を弾くと客席から笑いが起こるようなことはありますね!)
飛び入りとはいえ、長い芸歴に培われた素晴らしい芸を見せていただきました!

南陵先生
「太閤記」から明智日向守光秀と羽柴筑前守秀吉の読み物。
戦国武将の物語は自然と引き込まれていきますが、南陵先生という大御所から聴くとまた格別です!

お仲入りの後は美由紀姐さん
この会は講談の会だけに「出囃子」はないのですが、ここだけは美由紀姐さんの『梅ヶ枝』が流れました。
まずは義士伝の大高源吾と宝井其角宗匠の「両国橋の出会い」でおなじみの『年の瀬』から。
続いて『さのさ節』の「花づくし」を弾こうとして、「あんな男の一人や二人…」とやってしまい、『あっ、これはいつも寄席でやる方でした』と訂正
その後「水づくし」「芸者の気持ち」と続き、なかなか寄席ではかからない『ぎっちょんちょん』まで聴くことができました。
久々に見る踊りは「奴さんと姐さん」ではなく『奴さんと芸者さん』で、自ら吹き込んだというテープをバックに、楽しい踊りを見ることができました!

貞山先生
白山先生の「三遊亭圓生」に因んで楽しい逸話を披露。
若い頃「東宝名人会」に出演された貞山先生の高座を客席の陰から見ていたという圓生師。
支配人に「槍の持ち方がおかしいから言っておいて」と伝言し、翌日支配人が貞山先生に伝えたそうです。
貞山先生が楽屋へ挨拶に行くと、古今亭志ん朝師とお話の最中にやんわりと指摘されたとか。
ところがその後、志ん朝師にも「あなたは上下の切り方が強すぎる」と注意をされたそうで、志ん朝師が「あなたのせいで、こちらまでトバッチリを受けた」と苦笑いしながら言っていたという、実に興味深い話を聞かせて下さいました。
『出世の富くじ』は落語の「宿屋の富」とは違い、浪人物が買った富くじが1等に当たり大喜びしたものの、女房の「あぶく銭を持つとロクなことがない。貧乏でも慎ましく生きたい」という言葉に浪人も納得して当選金を受け取らないが、「当たった」と大喜びしている声を聞いた町人から発覚したこの出来事が元で、浪人物が出世をするという内容。
時期が時期だけに「義士伝」を聴きたいという想いはありましたが、心温まる一席を聴き「よーし、年末ジャンボを当てるぞ!」と意気込むアタシでした・・・ウソです

旭堂小二三さんから、HPのブックマーク追加を快諾していただきました。
『旭堂小二三のおうち』
コメント
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