買収

選挙のニュースで、遠い昔の出来事を思い出しました。

市議か県議だったか忘れたのですが、投票日の二日前の夕方に親父から
「夜になったら◎◎に行って用事を手伝ってやって。」

その〇〇は立候補している人の建物(倉庫)だと言う事は知っていました。

私に行けと言った親父は行かないらしいが、行けばバイトになるのはなんとなく理解していた。

夜になり、指定された所に行くと。
知らないオッサンが出てきて
「ああ、・・さんの息子さん❓」

「はい」　と答えると、建物の中に案内された。

すぐに目に入ったのは、
幅60cmで長さが180cmほどの机に、山のように積まれたお金でした。

私の前の机には千円札でしたが、他の机には万円札も・・・

私の作業は茶色の封筒に3000円を入れるだけです。

私は20才位の時のことで、選挙での買収はよく耳にすることで、そんなに特別悪い事だと言う意識は有りませんでした。

まぁ、今思えば親父は自分の役割を私にさせたのは何故❓と思いますが、、、、

たぶん、その当時の感覚では、遊んでいた私に小遣い稼ぎをさせた位の感覚と思います。

誰でもやってる、、、、そんな感覚です。

投票日の直前にお金をまくのが効果的らしい。


その効果が有ったのか、上位当選しました。

その作業をした翌日の朝、私の枕元に茶色の封筒。開けてみると 10万円入ってた。当時の、若い人の月給の２倍の額です。

私は　「これで、また暫く遊べる⤴⤴⤴」　そんな感じです。

そんな事があった半月後位に、新聞に大きな文字が
「〇〇の運動員逮捕」

そう、、、、私達が現金を入れた茶封筒を数名の人に渡し、投票依頼して逮捕されたんです。

そして数日後に、イモヅルで私の友達も、現金を受け取ったとした警察に呼び出されたんです。

この流れだと、普通は私も不安になるのですが。
私は一切不安は有りませんでしたネ。だって、私の前に親父が絡んでいる訳で。捜査の手が伸びても、そこで止まる事をズル賢い私は分かっていたんです。

結局、親父も私も何も無かった。

現金を受け取った友達の若い夫婦に
「ところで、お前達はなんぼ貰った❓」と聞くと。

3000円づつ‼

思わず笑ってしまった。
私がつめた封筒だ。

たぶん、何万円かの罰金は逃れられない。

若い夫婦は
「6000円貰って、数万円の罰金はあわん。10万円貰ってセーフの奴が居るのに。」
お金の事を嘆くだけで罪の意識は有りません(私も)。

そんな時代が有ったんです💀

小池知事の誤算

権力者に寄り添うことに長けている小池さん。

自民党の国会議員として防衛大臣にまでなった人ですが、大臣になったらなったで、その次の地位が欲しくなるのは政治家として自然なこと。

しかし自分が少しでも前に進んでいると感じる間は良いのですが、なんか最近は上昇が止まっているどころか、もしかしたら下降しているんじゃないか。そう感じると今まで忠誠を誓っていた組織にも嫌気が出てきます。

そんなそんな時に一国一城の主になるチャンスが目の前に・・

それが東京都知事でした。
単なる地方都市の知事じゃない、皇居も国会もあり特別な警察組織も持つ東京 。
その予算は国レベル。しかも、世界に注目されるオリンピックもある 。

その頂点の魅力は大きい

自分の知事選挙に勝ち、自分の味方(子分)となる都議会議員選挙も大勝利 。少なくとも東京では絶対的な支持があると確信は持つでしょう。東京の知事となり、敵としてきた自民党都議会のドンも葬り去った。

オリンピックや豊洲の市場の欠点を全てリセットすることで、ポイントを稼ぎました。
しかし、リセットした後の案が巧くいかない。 壊すのは巧くいったが、作るのは巧くいかないと言う形が浮かび上がっています。
これは政治家でなくて単なる人気者にでも可能な事なんです。


今回の小池騒動に拍車をかけたのが民進党 。これは前原さんが小池さんに騙されたとか色々憶測が飛んでいますが・・・
これは小池さんにすれば、ドイツのメルケル首相じゃないが 、予想以上に選挙難民が多かったんです。
民進党からは2～30人も来れば上等と予測していたと思います 。それなのに民進党の前原さんが
「みんなで希望の党に行こう」と
　これは正直 参ったって感じでしょ 。
しかし、参ったとはいえその魅力も大きい 。民進党には全国的な組織があります。政権選択選挙と言うからには 、少なくともある程度は全国に立候補させなくちゃならない。
もちろん民進党が持つ 政党助成金も魅力です 。
候補者のポスターを貼るだけでも希望の党では、全国津々浦々と言う訳にはいかない 。その現実を考えれば全国組織を持つ民進党は魅力です。

それらの魅力が小池さんの判断を迷わせた 。
すなわち希望の党としては衆議院議員の過半数を超える候補者を用意してなかったという事です。 今回の選挙で政権をとるなんて考えていなかった証拠です。

これが小池さんにとり、最初の誤算です 。
元々 、小池一派だけで 233名も 候補者を用意していなかったんです 。それが予想以上に民進党から流れ込み、衆議院選挙は政権選択選挙ですと マスコミの前で言い切ってしまった。

確かに衆議院選挙は政権選択選挙なんですが 、小さな政党は正論の前に何かをつけて選択選挙と言います。例えば自民党政権対反自民党勢力とか・・・

自分の党と 他の党とで、 政権選択してくださいと言う場合には、 最低限の条件として 過半数の立候補者は必要です 。それに満たない立候補者しかいない政党が政権をとると言うのは無茶な話です。

希望の党が第一候補として 200名弱の名前が上がりましたが 、希望の党の素人たちが半分です 。

なんだかんだ言っても多くの素人が当選するでしょうね。ある程度の新人議員は必要ですが 、半分は過ぎますね、問題ありです。

ベテラン秘書がつかないと何もできない人達ですから 、秘書が政治をする様なものになってしまいます 。
新人議員と秘書では 経験も知識も優れている官僚たちは大喜びでしょ 。政策は官僚たちの思いのままです 。

そして希望の党が本当に大躍進して、政権をとるほどの当選者が出ると派閥が発生します。
小池グループと 元民進党グループ 、先に民進党を出たグループなどバラバラになってしまいますね。

重要な政策に一致人たちといっても 、不安定で弱い立場の時に「踏み絵」をさせられた人たちなので、これは本心とは思えないし 。一致したのも外交問題に関連した事柄だけで、内政に関しての一致はほぼゼロです。

希望の党は消費税凍結と、、、
しかし、前原さん達はつい先日まで認めていたのですから。

小池さんのもう一つの誤算は 、自分の行動や仲間になろうとしている人たちに対しての批判です。

自分の知事選や仲間の時の選挙では、ほとんどが期待一色で マスコミの批判は軽く 表面的に有っただけ 。欠点を掘り下げてその答えを求められる様なことはなかった。

しかし、国政となると 期待希望だけでは許されない。
小池さんは政治のことなど深く考えない人たちの票だけでも、かなりの当選者を作ることができる事を実感として知っているんです。

知名度が高くて人気者の小池さんはムードで戦いたい。マスコミが話題として取り上げてくれるのは良いが、それと共に批判意見も言われてしまうのです 。その批判に対応する準備不足が色々なところで見えています。

◎　民進党からの大量の選挙難民

◎　自分に対しての批判


そんなバカなと感じる様な単純なことですが、この二つの事が小池さんにとっての誤算です 。
事前に考えたとしても、重くは捉えていなかったのでしょう 。

それが原因なのか元々の性格なのか 、小池さんの生意気な言動が目立ちます 。
大都会とは言え東京の知事です。国政を預かる人たちよりは格下のはず。いくら政党の代表といえども 何の実績もない政党の代表が 国会議員を完全に下に見た言動が多すぎます。
国という器の中で暴れる東京地方の知事としては勇ましいのですが。
全国津々浦々まで影響し、何の枠もない。
しかも国民の代わりである代議士を軽く扱うのはいかがなものか❓