地方の女たち

夜の街で出会った女達と男達

私に名前はありません

2019-02-18 12:22:00 | 日記
私、、、
いつ生まれたのか 、、、
母親のことも覚えていません。

それでも結構長く生きているみたいで、私と一緒にいた妹たちはもういません。
どこに行ったのか 、、、
死んでしまったのか、、、

私は数ヵ所の家で餌をもらって、生き伸びてきました。



人間なんてチョロいもんで、ちょっと鳴いてスリよれば餌をくれます。
たまにはまずい餌もあるのだけど、そこは辛抱で大人の対応です。

今年の冬は寒さがこたえた。どうしても寒さに我慢が出来ず、大きな段ボール箱に飛び込んだのですが、、、

足腰が弱っているせいなのか、出ることができません。仕方なく、その場で用を足すことにもなってしまった。

そんな生活が何日も続いた、、
床は汚れ私の体も汚れてしまった、
もうダメなのか・・・

ある日、突然に ダンボールが動いて斜めになった。

今だ‼
力を振り絞って飛び出したが、、、
その場から動けない⤵

大きなオッサンが近寄ってきて私を見てる、、、どうする気だ❓

このオッサン、よく見ると どこかで見かけたような気もする。

こういう場合 大抵の人間は私に向かって
「トラちゃんとかミーちゃん」とか 勝手に名前をつけて呼んで呼ぶのに、 このオッサンは黙って見てるだけです。
しばらくして 黙って立ち去り、また戻ってきた。

そして、、、
私を捕まえて別の箱に閉じ込めた。

扱いが乱暴だ、もう少し丁寧に優しく抱き上げろ‼

バタンバタンと音がした。
多分、車のドアの閉まる音だ。
私はどこかに連れて行かれてる。



1時間ほど狭い箱の中で揺られ、 連れて行かれた先で やっと箱が開いた。

見上げると、、、
さっきのオッサンと知らないオバサンが覗き込んでる。

知らないオバサンは、やはり言った。
「ミーちゃん、トラちゃん、花ちゃん、テッちゃん、、、」

私は名前なんか無い。
気高い野良猫だ。
たちまちレディーの私にテッちゃんは無いだろう‼

こんなオバサンとは仲良くできない。


そう思ってから、すでに2ヶ月になろうとしてる。
仕方ないのでオバサンにも時々愛想はしてやるが・・・
この先、私はどうなるのか❓