大雨による川の氾濫で多くの犠牲者が出ているのは本当に悲しいことです。
また、一命は取り止めたが家や工場や田畑などで大きな被害を受け、その復興や将来の事を考えて途方に暮れる人たちも大勢居ると思います。
記録的な大雨とはいえ、人間の生活にこれだけ密着している川をコントロール出来ない現実を見せつけられた。
幾ら科学が進んでいると言っても、自然の前では微力にか過ぎない事を思い知らされた。
日本三大暴れ川の一つ・筑後川。
そして、日本三大急流の一つ・球磨川。
いずれも日本人がこの地で生活を始めてから、づぅ~っと氾濫を繰り返している代表的な川。
当然、その対策もとってきたはずなのに結果が伴わない。
日本三大暴れ川 (河口の地)
利根川(坂東太郎)・・・千葉
筑後川(筑後次郎)・・・佐賀
吉野川(四国三郎)・・・徳島
どの川も度重なる氾濫の歴史を持っています。
そして、筑後川においては歴史ではなくて現在進行形だと証明されてしまった。
唯一、利根川は元々東京湾に流れ込んでいたのを大掛かりな工事によって、今の千葉県から太平洋に流すようになり、一定の効果は出ています。その工事を始めたのは江戸時代と言うのですから、当時の指導者は現在の指導者より先を見る目が優れていたのでしょうね。
日本三大急流(河口の地)
球磨川(熊本)
富士川(静岡)
最上川(富山)
急流は川の高低差が大きく流れが速い事を示し、必ずしもそれだけで氾濫の可能性が高いとは言えませんが。現実的にはそれらの川の多くも氾濫の歴史を持っていますし、今回の球磨川の氾濫で急流であることが氾濫の大きな要素だと証明することに成りました。
この三大急流から漏れていますが、本当は富山県の常願寺川が最大の高低差があります。
ただ川の長さが50数㌔mと短くて知名度が低いので除かれているみたいです。
知名度が、、、、なんか腑に落ちないですね。
高低差が第四位の最上川は、有名な芭蕉が「五月雨を集めて早し最上川」と詠んだことから急流として有名になり過ぎたのでしょうか・・。
この三大暴れ川や急流は、長年にわたり肥えた土を山から運び、広い地域で作物を育てるのに適した農地を作りました。
そして、今も観光地として地域に利益をもたらします。
だからと言って人命の代償を払うのは・・・・とてもじゃないが受け入れられない。
農地がダメになったり、工作物が流されたりするのも辛い事ですが、人命を守る為なら致し方ない。
最低のラインとして人の命を守る事は時の指導者にも責任が有ります。
ダムによる治水は一か所では効果が低く、その向こうの山にも必要で長期の工事となります。
堤防のかさ上げや強化にしても川の全域に必要で、これも長期の工事になります。
当然の様に自然保護の立場の人達から猛烈な反対運動も有ります。
また逆の発想と言うか政治家の勝手な考えと言うか、、、
災害の可能性の高い地域から安全な地域に住み替えしてもらうと言う意見も有ったりします。
いずれにしても、良い点も有れば欠点もあり判断の難しい問題です。
そして「良い方法」が時代の求めや科学の進歩で変化もします。
川が氾濫して大きな被害が出ると、その部分の工事は最優先になり完成も早い。
しかし、それは対岸や他の地域に危険を押し付けた事にしかなりません。
人の命と言う大きな代償を払いながら少しづつ前に進むしか方法はないのだろうか・・・
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