先日、東京に住む娘から電話があった。
これからベットのマットレスをネットで注文する。
重そうなので、2階に上げるのを手伝えるかと言う。
仕方なく、了解する。
後日、駅で待ち合わせ昼飯を食べ、できたばかりのショッピングセンターを見て回る。
しゃれた手ぬぐいの店で買い物をした。私は手ぬぐいを帽子代わりにする。
普通の帽子だと、汗が額から流れるが、手ぬぐいだと汗止めになり快適だ。
手ぬぐいにしてはちょっと高価な物と、ラベンダーの花殻を入れる小物入れを選んだ。
娘が、「誕生日のプレゼントに買ってやろうか」と言う。
「この間買ってもらった」と言うと、「あれは父の日のプレゼント」だ、と言う。
貧乏な娘に買ってもらうのは気が引けるので、「いいよ」と言い、レジへ。
紀伊國屋書店で、2万5千分の1地形図(東京首都と東京西部)を買う。
10月の例会、「江戸東京坂道散歩」のコース図に使う。
次の店では、軽量な傘を買った。これも、買ってやろうかと言っていたが、辞退した。
後で値段を見て、「そんなにするの!」と言っていた。
屋上に広い庭園があるというので、娘が買ってくれたソフトクリームを食べながら、
涼しい風が吹き抜ける庭園に出た。
しばし、おしゃべりをしてから娘の家に向かう。
最後に少し坂があり、登り切ったところがアパート。
娘から、「疲れなかった?、膝は大丈夫?」などと年寄り扱いされる。
マットレスは、一人で上げるには少し重いかなという程度。
わざわざ東京まで、大の大人が出かけていくほどの作業ではなかった。
お茶を飲み、部屋の片付け方などに少し文句を付けながらしばし過ごし、
5時過ぎ、「明るいうちに帰る」と言って娘の家を後にした。
その後、娘から誕生日のプレゼントとしてシャツが届いた。
それほど派手ではないが、自分で選ぶデザインとは違い、お洒落なものだった。
先に娘がプレゼントしようかと言ったときは、値段が分かっていた。と言うことは、
娘の負担能力に見合った値段であったのかもしれない。
改めて、誕生日のプレゼントを買うとなると、
それなりの値段になってしまうのではないか。かえって、娘の懐具合を考えて、
買ってやろうかというところで手を打っておいた方が良かったかもしれない。
また、いわゆるお洒落なシャツであったということは、私がいつも着ているシャツは、
オシャレとはほど遠く、「いつも父親はダサイ服を着ているなぁ」と思って、
少々恥ずかしくない服を選んでくれたのかもしれない。
手ぬぐいを買うとき、私が選んだ物を見て、コーディネイトが難しいかもしれない、
などと言っていたから、娘なりに気を使っているのだろう。
娘に気を使わせる歳になった。
その気遣いを手放しでは喜べないと感じた東京行きであった。