南野島男のGood Times

日常感じたことを面白おかしくエッセイ風に書きつづります。
これぞ笑いと勇気の玉手箱!

バラ色の人生

2007-10-05 23:03:49 | Weblog
今日一日頭の中ではずっとエディット・ピアフの歌が流れていた。 
昨日観た映画『ラ・モーム』、邦題『エディット・ピアフ(愛の賛歌)』の余韻が今もまだ耳に残っている。
「愛の賛歌」なんて中高年のオバサマたちがカラオケで「あなたの燃える手ーでー」と余所行きの声で歌い上げる曲のひとつくらいにしか思ってなかった。
ピアフそのものもフランスの有名なシャンソン歌手くらいの認識しかなかった。
しかし、この映画を観て完全にノックアウトされてしまった。 
奥深い、実に奥深いのだ。
ピアフの歌がこんなに奥深いものだとは知らなかった。 
「愛の賛歌」や「バラ色の人生」はピアフ自身が作詞しているし、彼女の人生そのものを命を燃やしながら歌っていたのだ。 
ピアフの生い立ちを知り、生き方を知ればますます彼女の歌が心に響いてくる。
実際のピアフは知らない僕だが、ピアフ役のマリオン・コティヤールの演技は演技の域を超えてピアフそのもののように思えた。 
細く描いた眉毛はどこか美空ひばりを彷彿させるものがあるが、偉大な歌手というのはどこか共通するももがあるのかもしれない。 
そういえばかのビリー・ホリデーもエディット・ピアフと同じ年に生まれているらしい。
シャンソンといえば今まではジョルジュ・ムスタキと日本でも「オーシャンゼリゼ」や「ピノキオ」で有名なダニエル・ビダルくらいしか知らなかったがエディット・ピアフ抜きではシャンソンは語れないことを思い知った。 
日本では美輪明宏や岸洋子や金子由香利がシャンソンを広めたそうであるが、今は閉店してしまったシャンソン喫茶『銀巴里』の復活を願う人は少なくないのではないだろうか。 
12月29日は「シャンソンの日」になっているそうが、この映画を機に再び日本でもシャンソン人気に火が点くことを期待したい。 

波乱万丈な人生を生き、それでも命を懸けて歌い続ける魂の歌声を知ればそうやすやすとはピアフの真似して「愛の賛歌」なんて歌えるもんじゃないかも。
そんな人生を生きてきながら「水に流して」を歌い上げるピアフの歌に魂を揺さぶられずにすむ人なんていなかったのは分かる気がする。 
エディット・ピアフを知らないままいるところだった僕にピアフを教えてくれたこの映画にはつくづく感謝したいものである。