南野島男のGood Times

日常感じたことを面白おかしくエッセイ風に書きつづります。
これぞ笑いと勇気の玉手箱!

長崎はまるでアメリカの植民地

2014-08-20 22:34:58 | Weblog

長崎には市民や県民から憩いの場所として愛される「水辺の森公園」という美しい公園がある。

年中外国からの豪華客船は入港するし、春には帆船まつり、夏には港まつり、大花火大会、秋にはベイサイドマラソン大会といろんなイベントが催され多くの市民が集う。公園内には運河が流れ、大きな芝生広場があり、噴水や小川が流れ休日ともなるとたくさんの親子連れで賑わう。公園内にある水辺のレストランは周りの雰囲気に溶け込みとてもお洒落な作りをしていているし、その隣にある長崎県美術館も運河をまたぐ様に建てられ、外観も自然に景観に溶け込み美術館としては最高の立地であると讃えられている。このように水辺の森公園は異国情緒豊かな長崎には本当に愛されるべき公園なのである。ただひとつのことを除けば。

水辺の森公園の一郭には公園内には相応しくない巨大ビルがドーンと建てられている。当初は日本中でそのCMを見ない日はないというくらい朝から晩までその資金力にものを言わせ日本市場を食い物にした保険会社「アリコジャパン」の中枢本部が置かれていたのがこのビルだ。外壁にはこれみよがしにAlikoの文字が入った巨大看板が取り付けられ公園に入る前には嫌がおうでもこの看板と巨大ビルを見なくてはいけないようになっていた。その当時から長崎市民の間からはこのアリコジャパンビルの存在が不評で不評で、僕も何度となくブログで批判めいた文章を書いてきたものだった。しかしその誘致は長崎県と長崎市が決めたものであり我々市民がどんなに声をあげようと相手にはしてもらえなかった。アリコジャパン(親会社はAIG)は周知の事実ではあるが日本での売り上げが本国アメリカの売上をほとんど支えており、しかも利益は日本に還元されることなく全てをアメリカに送金されていたのだ。芸能人を山ほど使ったCM戦略には年間400億円もの広告宣伝費が電通を通じてマスコミ業界に入り込みアリコなしではマスコミも生きて行けないような感じではあった。僕らはこんなやりかたいつまでも続くはずがないし、近い将来潰れてしまうにちがいないと半ば希望的観測で言葉を発していたのだがこれが本当になってしまいアリコジャパンは倒産してしまった。これでやっとあの邪魔な巨大ビルが水辺の森公園から消え去るかと期待に胸ふくらませていた。当時長崎県庁の移転問題が浮上した時に僕は迷わずこのビルをそのまま長崎県庁として使用すれば建設費用も節約出来るし、美術館や市民劇場、もしくは市民県民が利用する公的機関なら全ての人が納得するし最高のアイディアだと思っていた。

ところが破綻したアリコジャパンはメットライフが買い取ったことで中身はそのままで看板の文字がメットライフの文字に変わっただけのことに終わった。これで当分この巨大ビルと無愛想な看板は水辺の森公園で生き続けるのかと思うと嫌になったもんだ。ところが今日の新聞にデカデカと「AIG立地協定締結」の文字、テレビのニュースでもまるでCMのように大宣伝。つまりはアメリカ保険大手AIGグループ傘下のアメリカンホーム医療・損保保険とAIG富士生命の拠点をこのビルに持ってくるという話が決まったという。これでAIG傘下会社が6社入りグループの大規模拠点として日本市場での荒稼ぎに拍車をかけるつもりだ。これでTPPが進められて日本の医療・保険がアメリカの思惑通りになればアメリカによる日本の植民地政策は一気に進むことになる。協定締結式では長崎県知事、長崎市長がAIG関係者と握手を交わし満面の笑みを浮かべ、地元雇用の促進や県民所得の向上を感謝する言葉を述べているがこの人たち市民の本当の声に耳を傾けないといけないね。今年の原爆祈念式典ではあんなに素晴らしい平和宣言を読み上げたのにこのざまは何って感じの田上市長の顔。

日本中の国民が許しても長崎の人間だけは原爆を落としたアメリカを許すことは出来ない。原爆は戦争を早期終結させるために落としたとされるアメリカの言い分は完全に嘘なのである。あれは完全に原爆による人体実験以外の何者でもない。その証拠に広島のウラン、長崎のプルトニウムと種類の違う原爆を使用する意味がどこにあるというのか。日本が降伏することは決まった上でアメリカによる人類史上最悪の人体実験の場所として長崎は選ばれたのである。アメリカはどうしたって日本に謝らなければならない。話は飛躍し過ぎるかもしれないが、その長崎市民が心を休め美しい景色を楽しみ平和を実感するみんなの公園によりによってアメリカの企業グループが入る巨大ビルをそこに立てさせる気がわからない。石原ノビテル大臣じゃないけど「最後は金目」なのか。しかし誘致するならもっと郊外かはたまた離島にしたらどうだ。沖縄では辺野古基地を容認しないと選挙公約で掲げておきながらアメリカのいいなりに寝返り県民を裏切った仲井真知事がいるが、長崎県知事も似たようなものでしかない。戦争による日本の植民地化じゃないが、TPPに参加するということはアメリカの望むように制度を変えられてしまうことであり正に植民地化なのである。その保険市場の最前線の拠点にアメリカに献上するのが長崎だとはね。

長崎市内に高速道路で来れば出島道路の出口の先に広がるのが水辺の森公園であるが、その正面にデカデカと身構え、正面にはAIGの看板が多くの観光客を真っ先に迎えてくれる、それが今の長崎だ。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿