天地を 照らす日月の 極みなく あるべきものを 何をか思はむ 

わびぬれば 今はたおなじ 難波なる みをつくしても あはむとぞ思う

体内時計

2013年12月05日 | 科学
 穀物を主食とした三度三度の食事と同じく、ヒト遺伝子に負担となっているのが、夜も明るい中で過ごす生活習慣。ヒトの体内時計は、夜は暗くなる自然の光でプログラムされています。
 朝、太陽の光を体で感じるとセロトニンの分泌量が増え、覚醒を促します。15時間ほど経つと分泌量が減り、メラトニンの分泌を促し、脈拍、体温、血圧を低下させ、自然な眠りを誘ってくれます。他にも、成長ホルモンは夜、副腎皮質ホルモンは朝分泌されるなど、体内時計は、光によって常にリセットされていますが、陽の光を浴びない、不規則な生活をすることなどにより体内時計に乱れが生じると、睡眠障害や高血圧、糖尿病、がんなどにかかるリスクが高くなるとされています。

 セロトニンは、メラトニンの他にドーパミン、ノルアドレナリンなどにも抑制物質として働いていることから、うつ病、心的外傷後ストレス障害(PTSD)、パニック障害などの根本原因も、自然光によらない生活習慣にあると考えられます。

 昂ぶった感情にブレーキを掛けて心の安定した状態に戻す働きをしているセロトニンですが、セロトニンの遺伝子レベルでは、女性のセロトニン量は、男性の約52%であること、情報の文字数が多い「L遺伝子」と短い「S遺伝子」の2つのタイプがあることがわかっています。短いと分泌されやすい?
 29カ国50,135人の遺伝子調査の結果、S型遺伝子保有者の割合が一番高いのが日本で80.25%、ついで韓国の79.45%、中国が75.2%、シンガポール71.24%、台湾70.57%、スペイン46.75%、アメリカ44.53%、英国 43.98%、ドイツ43.03%、そして一番低いのが南アフリカの27.79%。

 不安を感じる時は、セロトニンが分泌されない、神経伝達物資が止まらない状態。深呼吸、ウォーキングなどで、酸素を採り入れて落ち着かせる。アルコールは一般には抑制に働きますが、アルコール依存成立時には逆に覚醒。コーヒー、タバコも覚醒。

 目からの情報により働く物質には、自制のバソプレシン、協調のオキシトシンがありますが、問題はタイミングよく発現されるかどうかです。ヒトとチンパンジーとの違いを決定付けるのは、遺伝子の働きを調整する遺伝子があるかないか。その遺伝子は、自分自身の意思も含めた環境によって、発現するように働いたり、抑制するように働いたりします。
 筋肉には意のままに動かすことができる随意筋と、意のままにならない不随意筋があり、目の瞳孔を動かす筋肉は後者。暗がりの中で光を求める時、多幸感に満たされた瞬間、瞳孔は無意識に開きます。片や、まぶしい時は光を遮断しようと瞳孔が縮みます。嫌なものを見たくない時、恐怖を感じた瞬間、うそをついて後ろめたい時にも縮小します。快感や多幸感に包まれて瞳孔が開き、光が過剰に注ぎ込む状態。こういう時、セロトニンが働きます。
 涙には血液の何倍ものマンガンが含まれています。血液中のマンガンが増え過ぎると気分が不安定になるので、涙を流すことはその軽減に役立っています。また涙には、放出された快感物質も含まれています。

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