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いいぞ 野球は

「もし高校野球の女子マネージャーがドラッガーの『マネジメント』を読んだら」を読んだら 2

2010-02-26 00:24:42 | Weblog
「もし高校野球の女子マネージャーがドラッガーの『マネジメント』を読んだら」のなかで主人公のマネージャー「みなみ」は,野球部の「事業」とは,すなわち野球部の定義づけをするプロセスにおいて,ドラッガーの「マネジメント」の次の記述に従った。

『企業の目的と使命を定義するとき,出発点はひとつしかない。顧客である。顧客によって事業は定義される』

みなみは「野球部を甲子園に連れて行く」と先に決めて,その思いだけははじめから揺るがなかったが,何から手をつければいいかわからなかった。この記述をみて,まず,野球部の部員や監督などをじっくり観察することからはじめた。また,あわせて野球部にとっての『顧客』は何なのかを部員とともに導いた。

顧客とは何かについては「これがなかったら野球部は成り立たないもの」をかたっぱしからあげる,といった手法をとった。親,学校,先生,公立高校なのでその自治体や税金を納める市民も顧客だということになる。さらに大会を運営する連盟やスポンサー,野球ファンなど携わるすべての人が顧客だということに気づく。そして顧客を考える上で最後に行き着いたのが,野球部員そのものも顧客だということ。部員がいなければ野球部は成り立たない。

次にこれら顧客が欲していることを次々と考える中で,全員に共通するものが「感動」という言葉だった。よって,野球部の事業は「顧客に感動を与えること」と定義していった。

みなみの目標だった「甲子園に行く」は,結果的にその定義にうらづけされたものとなった。

思うに,「思い」だけでは,それがどんなに強いものであったとしても,行動をおこさなければ組織はかわらないというとなのだと・・。例えば,いきなり監督が「全国大会に行くぞ!」といっても,県大会どころか,地区大会で勝ったり負けたりのチームでは,「本気で言ってるの?」といわれるのがせきのやま。しかし,本当に全国大会へ連れて行きたいのであれば,勝利のためのスキルアップや対外試合のような鍛錬だけではなく,その前にチーム全体で全国大会を目指すという目標を共有した状況にしないと,どこかうそになるはず。この「定義」と「目標」がうまく関係し,それをチーム全体で共有することこそが,いろんな取り組みが功を奏す最低の条件を満たすことになるのではないだろうか。マネージャーみなみは,いろんな部員を観察し部員個々の強みを活かしながら,この「条件」をつくりあげていった。

ここで感じるのは,チーム運営において節々で,この定義や目標を確認する場が必要なのではないかということ。監督・コーチと選手たちとの間でこれが共有されていることは当然でだけれども,全ての保護者やOB役員などもチームの定義・目標を共有することが,なにより大事なことなんだと気づかされる。「一体となる」ってことはこういうことなんだ,とも。

さて,学童チームに置き換えると,この読み物のなかの『マネージャー』とは?誰なのか。それとも誰でもなれるのか。おそらく,そういうことに気づき行動できる人なら誰でもできるのかも。それも一人ではなく何人かで担うものなのかも。いや,それとも・・・。
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