Out of Vogue

似非吟遊詩人TATSUO(HaHaHa!!)の言いたい放題!!

MICMACS A TIRE-LARIGOT

2010-09-20 23:46:11 | Film
久しぶりっ!!
すっかり涼しくなってきてるな

今日は久しぶりとなるJean-Pierre Jeunetの
『MICMACS A TIRE-LARIGOT』を観てきたよ

なんとね俺がこいつを書き始めてから
JeunetのFilmって始めてなんだよな
以前にも少し触れたと思うけど
とにかく好きでね
始めて観たのはご存じ『Delicatessen』
それ以来『Alien Resurrection』以外は
全て観てるけど この人って仕事が遅いのか
あんまり撮ってないんだよな

Filmは冒頭から彼らしさのオンパレードでね
特に色使いが好きなんだけど
素晴らしかったね

久しぶりに楽しいFilmに出会えたよ

そうなんだよJeunetって明るいんだよな
見た目の色とか雰囲気は少々暗めなんだけど
最終的にはみんなを明るくするんだよ
大爆笑とかはないけどね
ほんのりしたユーモアって感じかな
とにかく楽しめたよ

始めて観たBAZIL役のDany Boonは
喜劇役者って肩書きらしいんだけど
なかなかのポテンシャルを感じたな
彼はいろいろ監督もしているらしく
そちらにも当然興味が行くところだよ

またひとつ楽しみが増えた訳だ…



Story that becomes cool...?

2010-09-05 23:59:24 | Weblog
暑いな…

この溶鉱炉並みの暑さで俺の思考回路とやらは
完全に溶けてしまったようで全く機能しない

それなら少し涼しい事でも考えてみようか…
う~ん まとめるとこう


次の角でタクシーを降りる
積もり始めたばかりの雪を気にしながら(まるで自然!)

ランチタイムで賑わっている食堂
早口で吐き出される殺人事件のニュース
汚れた口をナプキンで拭き取る強欲そうなマダムを
のぞき見る自慢話ばかりの小男(加齢臭が酷いっ!!!)
そう全てがいつも通り

そして微かに震える両手はポケットに入れたまま

「ご注文はお決まり?」
相応しくないミニスカートを履いた
年齢不詳のそばかす女…

「…シェリーを1杯」

「えっ!? それだけ? 食事はしないの?」

『それ以上聞くならお前のその目から眼球を
引きずり出して だらしないその口に押し込んでから
お前には必要のない脳みそをこの小汚い床にぶちまけてやるが…』
と言いたかったし 行動に移したかったが 
大事な仕事を控えているんだ 無駄な時間はない

「あぁ… とにかく寒いんだシェリーだけでいい」と
呟いてみせた(なんて完璧っ!!)

「………りょ~かい~っ!!」
くるりと振り返り厨房へ向かう女

いつだってそうだ 俺はうまくできるんだ(そうだ!)

今までだって失敗なんてしたことないんだ
だけどそうだ いつもなんだ
どうしたってそうなんだ
そうだ 手が震えるんだ…
寒いからじゃないのは俺が一番知ってるんだ
分かってるんだ だけど… 
いや俺は失敗したことなんてないんだ

少し落ち着いた…

そう俺は誰よりもうまくやれる

さて そろそろ始めるか…

「お待たせぇ~」
女がシェリーの入ったボトルと
グラスを持って戻ってきた

先にボトルをテーブルの真ん中に置いた

次にグラスへ手をかけた時だ

女の目からすっかり白目がなくなっていた

漆黒の眼球で俺を見て薄ら笑っている…

だらしなく開いた口からはヌメヌメしたどす黒い
触手のようなものが無数に伸びて俺の方に
向かっていた(ここまではセオリー通り!)

もう少しすると触手が俺の頬から額へと生臭い臭気を
放ちながら舐め回して味見をする(不合格なら即死だ!)

当然黙ってる訳にはいかない

俺はポケットから右手を出して
中指にはめた かぎ爪を象った純銀製の指輪で
女の上唇から眉間までを引き裂いた

触手は濁流のように女の顔から溢れた

ここまでわずか10秒ほどの出来事
ようやく他の連中が尋常でないことに
気づきだしたが 当然 硬直…

あとは下あごを完全に引き裂いて
そのまま下へ…

ちょうど人間なら胃の辺りまで切り裂くと
勝手に裏返って死んでしまう

が その断末魔の暴れようときたら(!!)

俺は素早く胃の辺りまで切り裂いて
床に大量の血と生臭い触手をばらまいた

そして断末魔…

コンピューターで合成したような叫び声と共に
狂った猛獣のように店の中で暴れだした

振り回した触手が客の顔を切り裂き
次の一降りで頭蓋骨を粉砕した

首は千切れ内臓はミキサーにかけられたように
店中に飛び散った

気付けば何人いたか分からないくらい

肉片と内臓と汚物とで溢れかえった店内は
いつもの匂いが漂っていた

刑事ドラマなら 新人刑事が吐瀉する場面だ

そして10秒

断末魔の悲痛な叫び声が少しずつ弱くなっていく
動きも のたうつ程度だ

黙っていても死が訪れる
見ているだけだ
いや見届ける義務がある 
それが俺の仕事なんだ



目的… 不明
意味… 不明


そして生存者… 俺


ニュース

「平日の昼間という食堂が最も混雑する時間帯を
狙った大量殺人の犯人が無罪を主張」