ピエスのジュエリーまわり

恵比寿南のジュエリーリフォームアトリエ&ショップ、『pièce ピエス』のあれやこれやです。

ジュエリーはアクセサリーなのです

2015-06-23 | Order&Reform -Rings-
オーダーのご紹介です。

外国のお土産のルースだそうです。
おばあ様の代から受け継がれてこられたという、ヒスイとペリドット(だと思われます。)。





なんと70年くらい前のお土産だそうで、
一度もジュエリーに変わることなく、ずっとルースの状態でお持ちだったそうです。


デザイン系のお仕事をされていらっしゃる素敵なTさん。
お仕事柄、製図も描かれるそうで、完璧なデザインのイメージシートに感動です。
見習わなければ・・・。

今回の制作は信頼できる職人さんにお願いしているので、
ジュエリーの製図と細部のすり合わせと、最終の仕上げだけのお手伝い。






まずは、ヒスイのご紹介。



細胞分裂するイメージで・・・と、
無数の粒々をまとったヒスイのペンダントトップ。

その粒々には、ランダムにブラックダイヤが20p。TOTAL0.297ct。
完全にいぶした粒々の中、キランと黒く深く輝きます。



裏側にはハートの抜きが施してあり、ヒスイの深緑が覗きます。


どこまでいぶして良いのか分からず、何度か確認させて頂きながら、探り探り・・・。


出来上がってみて、素敵!と思ったのですが、
そういえば何を通されるのかな?と疑問が。

勝手にシルバーチェーンを通してみて、ん~なんか違う。
いぶしの印象が強過ぎて、なにかちぐはぐに見えてしまいます。

天然石の連ものを通そうとすると、バチカンに通らない・・・
それにヒスイの深緑に立ち向かえる、天然石が手持ちにありませんでした。

「ガーン、何もご提案できない・・・」

と、新たな不安を胸に抱いてのお渡しとなりました。


そんな不安をよそに、出来上がりをとても気に入って頂けました!

そして、バックからすっと一本のコードを出されました。

黒のベルベットのコード!

ペンダントに通すと、途端に、柔らかで暖かみのある雰囲気になりました。

ベルベットの上品な質感と、ヒスイの深緑と有機的ないぶし銀の粒々が、
完璧なバランスでマッチして、そこにはジュエリーが在りました。

そして、なにより華やかなTさんの雰囲気にぴったり。


どんなお洋服に合わせようかしら?と楽しそうに話されていました。
いつもトータルで考えていらっしゃるそうです。

豊かなのです。

そうなんですか?みなさん。

私はいつも行き当たりばったり。来た電車に乗り込む・・・みたいな。w
豊かじゃない・・・。







そして、ペリドット。



ボリュームたっぷりの華やかさんです。

このペリドットの深みのある若草色って、他に見られない独特な緑色は、
飽くことなく、いつまでもいつまでも眺めていられます。








細かな槌目のついたシャンクをミラー仕上げで挟み込みました。

シルバーでのお作りなので、槌目部分がだんだん硫化し、
陰影がついてくるとペリドットの若草色がより映えてくると思います。



こちらも出来上がりをとても気に入って頂け、その場で着けてらしたリングを外されて、
ペリドットリングにお着け替えになられました。





ダイヤのハーフエタニティと挟み込んで、華やかさが倍増です。
お手元を動かされる度に、思わず目で追ってしまう存在感。

こんなハードルの高そうな重ね着けを、さらっと着けこなしてしまわれました。


ジュエリーなんですが、アクセサリーなんですよね。
上手く言えませんが、主体はもちろんTさんで、リングはあくまでTさんの装飾品なんです。

これって、ご自分を良くご存じでないと到達できないステージな気がします。うん。


オーダーを頂いたくせに、またもや勉強させて頂いたのでした。









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★ イベント参加のお知らせです。

  8月19日(水)~25(火) 銀座松屋1Fスペースオブギンザ
 
  THEATREUXさんのブースに参加させて頂きます。

 
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