ピエスのジュエリーまわり

恵比寿南のジュエリーリフォームアトリエ&ショップ、『pièce ピエス』のあれやこれやです。

pièce の作り方

2020-07-30 | zetta -Pierce-
 
zetta collection で一番人気は、
大っきめのハーキマーダイヤを使ったピアスです。

こんなに続くと思わずに、名前はまだない状態だったのですが、
『1部、かけら、断片、部屋・・・』などたくさんの意味を孕む
『pièce/ピエス』となりました。

ご承知のように、お店の名前と一緒です。エヘ。
 
 
シンプルで使いやすく愛着のあるデザインです。
 
作ると少しずつお嫁に行ってしまうので、手持ちルースが少なくなっていました。
そんな中、たまたまルースをたくさん入荷しました。
長く続けているピアスなので、
今回は、へんな形…否、個性的な形にこだわって仕入れてみました!
 


 
いつか行ったハロン湾に浮かんでそうな景色たち。
なにに見えてくるかはあなた次第!
星の王子様的な・・・
 
 
そして、今回は直結タイプではなく、
こちらのキラキラ無限タイプに仕立てていきます。
 


 
恐縮ながら今回は制作過程をご紹介させてください。
 
キラキラ無限タイプは、
ハーキマークオーツ特有の自然に生まれたカット面を活かしたデザインです。
 
なので、まずはその大事な面を選びます。
一番見せたい面の反対側。
ここには刻印とポストもつくので、ある程度の場面が必要です。
間違えられないポイントです。
 
決めましたら…
 


なんてことはない、
インク台にくっつけて、スタンプします。



これで完璧な面が取れます。



形通りカットしたら、0.4mmに引いたK18の板に糊付けします。
 


あまり美しくありませんが、こんな感じです。



こちらを糸鋸でカットしていきます。



糸鋸の跡を消すためと、形を整えるために全ての側面にざっとヤスリをかけます。

吹けば飛ぶような板片たち。
こちらに価値を吹き込みますー。笑



乗っけてみると、当たり前ですがピッタンコ。気持ち良いです。



そして、忘れちゃいけません。打刻。
 
 


『zetta』 と、K18の金称を欧米風に『750』。
ピエスでは、なんとなくこちら表記にしてます。



そしてポストをロー付けします。
 


ピアスのベースの完成です。
 
ポストが付いただけで、なんかこんなデザインなのかな?と思わせるポストの底力。
 
ですが、ここから本番。



ヤニ台に仲良く埋め込みました。



無限キラキラの〝タネ〟を仕込んでいきます。
ひとつずつ割と丁寧にダイヤモンドダスト加工を施していきます。

 
キラキラ投入完了!

 
ヤニ台から外して、側面を整えていきます。
まずはペーパーをかけます。



そしてフエルト。
 
この辺をきちんとしていかないと、残念な仕上がりになってしまうので、
全ての側面をペーパーとフエルトをかけていきます。
 
 


このままでもキレイではあるのですが、
やっぱりそこはジュエリーライクに、全体にバフを掛けます。
 
 
全体が仕上がったら、いよいよ最終工程。

 
種も仕掛けもありません。
UVレジンで接着します!
※熱湯で煮出さないかぎり外れません!



UVライトを照射して硬化中。
 
 
あっという間に硬化します。
 
取り出しまして、〝ずれ〟やレジンのはみ出しなどないか確認します。
 
「よし!ない!」
 
となると、ようやくの完成ですー!
バンザーイ!

長丁場、お付き合いありがとうございました!







★SINGLE PIERCE【pièce】/K18YG,ハーキマーダイヤモンド
 
 
完成しましたが、まだ価格がないぃぃ。
 
決定次第、オンラインショップでご紹介させて頂きます!
結構かわいいですよ!お楽しみに~!


川畑でした。
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ジュエリーは物語を持っています。

2020-07-11 | Order&Reform -Others-

宝石、こと、リフォームに伴うジュエリーまわりの思い出話は、

千差万別、十人十色、

そこには必ず誰かの存在があり、所有に至る理由があり、それらを孕んだ物語があります。

これらのお話を伺うのがとても好きです。

 

今回のKさんは、幼少期に過ごされた中東で、

現地のお知り合いから贈られたターコイズとラピスラズリのルースたくさん。

 

さらっと書いてみましたが、色々びっくりが。

 

「中東にいらしたんだ!」

という驚き、プラス…

「宝石をもらえるんだ!」

という驚き!

プラス…

「しかもちっちゃいコにあげてしまうんだ!」


 

ルースはそのまま、長い長~~い年月眠っていたそうです。

そして長い眠りから起きて頂いて、

この度、ピエスでジュエリーにお仕立てさせて頂くことになりました!

 

 

美しいスカイブルー。
眺めているだけで、清廉潔白な人間になったような錯覚を起こしてしまうほど美しさ。


たっぷり呼吸して、新鮮な空気が四肢の隅々まで行き渡ったような充実感。

なにを言いたいのかよくわかりませんが、

とにかくきれいなターコイズは精神衛生に良さそうです。

個人的にも大好きな石です。

 

 

一番大きなルースはリングへ。

地金をたっぷり使用して、まあるくまあるく優しいフクリン留め。

 

 

ペンダントトップ。

 

 

裏側にはイニシャルを配置。

イニシャルを通して、母岩が望めるこの景色がとても好きです!

研磨された表面だけ眺めると忘れてしまいがちなのですが、背面のぼこぼこした母岩を確かめるに、

あぁ、天然石だなぁ、と実感できつつ、

イニシャルを配したことで、問答無用のパーソナル感。

これがオーダージュエリーの醍醐味なのではないでしょうか!


 

ピアスです

左右のサイズは若干違うのですが、
ピアスはお顔を挟んで使用するアイテムなので、
多少の誤差は問題ないと考えております。
Kさんにも賛成頂き、ピアスのセットとしてお作りさせて頂きました。





背面には「cloud」

zetta collectionでおなじみの「雲」モチーフです。

青空にも雲。

晴天な時もあれば、雲が掛かる日もある!

…なんて奥深い思いは、僭越すぎて込めきれませんが、

青色に浮かぶ雲はもこもこ柔らかそうで、大好きな眺めです。

 

 

中東の空はどんな空が広がっているのでしょうか?

 

 

そして、ラピスラズリ。

 

 

 

 

こちらも大きさの違いがありますが、ピアスへ。

ラピスラズリのミッドナイトブルーには星。
星はAさんのお好きなモチーフでもあるそうで、嬉しい一致!





ラウンドはリングへ。

定番の "つぶつぶリング" へ。

アームには、他のジュエリーから外したダイヤモンドをバラバラにセッティング。

これがとても良いアクセントになりました。






先にオーダー頂いた、タンザナイトのつぶつぶリング。

"つぶつぶ"と"つぶつぶ"を合わせて"つぶつぶつぶつぶリング"です♪

 

 

私の緊張しつつも一番楽しみなひととき!着画を撮らせて頂きました!

黒のトップスに映えるスカイブルー。とにかくお似合いです!



はっきりぱっきりした青色が、使いにくい?

と思われる方いらっしゃるかと思いますが、

ところがところが…

白にも黒にもグレーにも、赤色の差し込んでポップにも…

デニムにも晴れの日の装いにも…

いろんな表情ですんなり溶け込んでくれる心強い青色です。

そして顔映りが抜群です。ワントーンアップは確約です!

 

ターコイズにラピスラズリにタンザナイト。

気が付けば、全て12月のお誕生石です。

そんなKさんは12月生まれさん。

中東の方はAさんのお誕生石をご存じで、

ターコイズとラピスラズリを贈られたのでしょうか。

だとすると、10歳に満たない日本のお嬢さんに贈られた…

という想像すると、とたんにステキな物語がむくむくと膨らんできます。

 

 

 

裏からも愛でられるジュエリーたち。

ここからもKさんのジュエリーストーリーが続くのです。キャッ!

ありがとうございました!

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