11月22日(日)開催予定の、「メロマン室内管弦楽団 第33回演奏会」の案内チラシの裏面に、「Program Note」と題して、演奏曲目についてのコメントが載っており、興味をひかれましたので、少し長くなりますが、ご紹介します。
【第一部】
★歌劇「コシ・ファン・トゥッテ」より(4分30秒):モーツァルト作曲
この歌劇はモーツァルトが33才とき(今からちょうど220年前)に作曲されました。有名な歌劇「フィガロの結婚」や「ドン・ジョヴァンニ」、そして最後の交響曲「ジュピター」も書き終えた彼の最円熟期の作品です。皇帝ヨーゼフ2世の依頼で作られたといわれるこの歌劇、日本語では「女はみんなこうしたもの」だそうです。何やら問題をかもし出しそうな題名ですね。主な登場人物は、2組の恋人たち、侍女そして老哲学者の6人で、男女の微妙な心理を描いた喜劇です。
序曲では4種類の木管楽器がめまぐるしいメロディを演奏します。(よく指がもつれないものだと感心します)4人の恋人たちをユーモラスに描いているのでしょうか。
★ピアノ協奏曲第23番イ長調K.488:モーツァルト作曲
このピアノ協奏曲の特徴のひとつは管楽器の編成にあります。フルート、クラリネット、ファゴット、ホルン、以上です。たいてい登場しているオーボエが無く、その代わりにクラリネットが用いられています。(モーツァルトはクラリネットのやわらな音色がたいそう気に入っていたそうです)そして華やかさの立役者であるトランペットとティンパニもありませんのでソフトな室内楽のような編成となっています。どんな響きなのでしょう。お楽しみに・・・。
[1楽章](12分)
どこかで聴いたことのあるような親しみのある優しいメロディが流れます。ほんとに気持ちがいいです。この楽章だけカデンツァ(演奏者にソロで自由に演奏させる部分)がありますが、この23番のカデンツァはモーツァルト自身が記譜したものが残っており、どの演奏者もこのカデンツァを演奏しています。
[2楽章](7分)
なんて悲しいい音楽なのでしょう。モーツァルトもこんな哀しみの淵にいたことがあるということなのでしょうか・・・。でも聴いていると不思議と癒されるのです。
[3楽章](8分)
前楽章の哀しみを吹き飛ばすような明るく快活な音楽です。モーツァルトのピアノ曲は迫力のあるピアノではなく、いくつもの数珠玉が軽やかにそして繊細にコロコロと転がる感じがします。当時のピアノの温室や音量などの性能にマッチさせて作られたものだと思いますが、現代のピアノで演奏してもその魅力は失われるどころか、なお一層輝いています。やっぱりモーツァルトはいいなぁ・・・。
【第二部】
★交響曲第7番イ長調Op.92:ベートーヴェン作曲
「のだめカンタービレ」(漫画・ドラマ・アニメ)で有名になったこの曲、このところベートーヴェンでは最もよく耳にする曲ではないでしょうか。メロマンも例にもれず演目に取り入れました。
この交響曲は評価が分かれていることでも有名です。ワーグナーとリストは絶賛していますが、ウェーバーは完全否定し、ワインガルトナーは「最も精神疲労を感じる曲」と言っているそうです。
ベートーヴェンの交響曲にはモーツァルトとはまた違った癒しがあると思いませんか?「あしたもガンバロー!」みたいな。第9番「合唱」ではバリトンに「こんな調べではなく、もっと喜びに満ちた調べをみんなで歌おう」と歌わせていますね。彼は「音楽には救いがなければならない、それにやっぱり楽しいものでなくっちゃ」と考えていたのではないでしょうか。私はこの第7番は心の底からわき上がってくる喜びや楽しさを素直に表現したものだと思うのですが・・・。
[1楽章](12分)
4分近いゆったりとした序奏で始まります。最初にオーボエで歌われる4つの音は、楽器を変えたり反転した音形になったり、いろいろな演奏で全楽章を通して陰に日向に出てきます。序奏が終わると「さあ! 楽しく行こう!」と、スキップを踏むようなリズムが始まります。文句なしに楽しい音楽です。(そのように演奏したいとは思っているのですが、このリズム、聴くと演奏するとでは大違いでとっても難しいんです・・・)
[2楽章](8分30秒)
短調の重苦しい感じで始まりますが、何故か心地のいい曲です。
ベートーヴェンはこの楽章の演奏のテンポをアレグレットと指示していますが、演奏家によって速いものからすごく遅いものまであります。初演時にこの第2楽章が賞賛を浴びて2回もアンコールされ、その後「不滅のアレグレット」と呼ばれているそうです。どんなテンポで演奏されたのでしょうね。
[3楽章](8分)
うきうきとした楽しい音楽です。中間部は「田園」を思い出すようなのどかな雰囲気を管楽器がかもし出します。再び初めの「うきうき」にもどって、終わりかと思うと、また同じ中間部です。そしてまた「うきうき」です。ベートーヴェンはいつまでもいつまでもこの音楽にひたって居たかったのでしょうね。私たちもお付き合いします。
[4楽章](7分)
お祭りのフィナーレのような熱狂的な音楽です。体中でお楽しみください!初演当時はほんとうに斬新なものだったのではないでしょうか。でもこの4楽章、アマチュアの私たちにとっては大変過酷なものなのです。ほとんど休む間もなくff(フォルティシモ)で演奏しなければなりません。1~3楽章までえんそうしてきたその上にです。笑顔どころか必死の形相を呈しているかも知れません。でも心はとってもエキサイティングしているはずですので、どうか演奏者の顔にとらわれないで下さいね・・・。
以上で終わりです。
とっても楽しい文章で、管理人は、この演奏会に行ってみたくなりました。演奏時間を書いていただいているのも、いいですね~。
皆様もいかがでしょう!?
下記は、演奏会の案内チラシに記載されていた、メロマン室内管弦楽団ホームページのアドレスです。
http://www.geocities.jp/meloman_sasayama/