Friends of Valves 自作真空管アンプ

自作真空管アンプを中心にいろいろ載せていきたいと思います。

Altec 414Aがやってきた(その4)

2021-07-24 18:24:57 | スピーカシステム

前回からの続きですが、今日は、ネットワークをつけて測定してみました。

いくつか測定しましたので、測定時のL,Cの値を記載しておきます。

〇条件1

  • ウーハー:L=3.3mH, C=4.7μF 12db/oct
  • ツイータ:L=0.4mH, C=2.5μF 12db/oct

VituixCAD2による計算結果は下記のようなグラフです。ただし、ユニットは固定抵抗扱いです。クロスする周波数は2800Hzあたりになっています。

次にウーハー、ツイーター、両方の3つの測定結果を順に示します。

ピンク色のツイータのお尻の特性が丸まっていますが、あまり気にしないでください。測定方法を変えたらどうもこんな感じになってしまったようです。とりあえずはクロスする周波数帯を見たいので。

ウーハーです。

ツイータです。

全体です。赤とピンクはそれぞれウーハーとツイータですが、黄色の線にレベルを合わせてみました。

すると、クロスは、2500Hzあたりとなり、理論値よりも少し低めに出ました。やはり、スピーカを純抵抗とするには無理があるようです。

音はバランスが取れているような、まだ雑味があるような・・・

 

次に条件を変えてみます。

〇条件2

  • ウーハー:L=3.3mH, C=14.7μF 12db/oct
  • ツイータ:L=0.4mH, C=2.5μF 12db/oct (条件1と同じ)

VituixCAD2による計算結果は下記のようなグラフです。クロスする周波数は2100Hzあたりになりました。

次にウーハー、両方の2つの測定結果を順に示します。ツイータ(ピンク色)は条件1と同じですので割愛します。

ウーハーです。

全体です。

クロスする周波数ですが、実測では1700Hzくらいの様です。また、クロスするあたりで実測結果が少し窪んでいます。この窪みですが、実際の音を聞くとものすごく影響があります。1700Hzあたりのちょうど可聴帯域だからか、この特性図のように真ん中あたりの周波数が足りない気がして3Wayのスピーカにしたいぐらいな影響を感じます。要は、ウーハーとツイータが離れすぎのような気がしてきます。ただ、ウーハの雑味は消え、ツイータも含め音質はつやっぽくいい感じです。

 

であれば、もう少しツイータのクロス領域を下げてみたくなるのが人情で、下記条件3を試してみました。

〇条件3

  • ウーハー:L=3.3mH, C=14.7μF 12db/oct (条件2と同じ)
  • ツイータ:L=0.4mH, C=5.8μF 12db/oct 

VituixCAD2による計算結果は下記のようなグラフです。クロスする周波数は1700Hzあたりになりました。

次にウーハー、ツイーター、両方の3つの測定結果を順に示します。ウーハーは条件2と同一ですが、測定条件(FFTのウェイト設定)を元に戻したので、再度3つ示します。

ウーハーです。

次にツイータです。

全体です。

実測ではクロスは、1400Hzあたりになったようです。しかもクロスしているところの窪みは少しとなり、ウーハのつややかさと、ツイータのつややかさはそのままです。なかなかいい感じの音質で、最終的にはこの条件3でネットワークを組んでみることとしました。

 

結果として、やはり、スピーカを固定抵抗のようにしてネットワークを組みことは、実際の特性を無視した形で設計することとなり、実測と比較してもかなり無理があることが確認できました。また、こんな簡単なフリーソフトで自分のシステムを確認できることがわかり、スピーカシステムの設計の際の指標として活用できそうです。

本当は、この辺り実際のスピーカの特性としてTSパラメータなどという、一昔前なら聞いたこともないようなパラメータを測定してVituixCAD2で設計するなどということもできるようですが、そこまでは難しく、まあちょっと無理でしょう。

最後に完成したネットワークの写真を載せておきます。なお、インピーダンス補正回路は入っていませんので、悪しからず。

 

(LE85の下にコンデンサが隠れています)

ではまた~。

 

コメント
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