Friends of Valves 自作真空管アンプ

自作真空管アンプを中心にいろいろ載せていきたいと思います。

記事の投稿練習(2003.7.25製作 3C24ダイナミックカップリングシングルアンプ)

2021-05-02 17:24:07 | 3C24ダイナミックカップリングシングルアンプ

3C24/24G/VT-204
ダイナミックカップリングアンプ


 以前からトリタンフィラメントの送信管でアンプを作ってみたいと思っておりましたが、今回、小型直熱送信管3C24(または24G,VT-204)を入手することが出来ましたので、早速アンプを作ってみました。
 実は3C24などという球は、今まで全然知らず、素性さえよく分からないのですが、今回実際に実験回路を組みカットアンドトライでおおよその動作点をつかみ、”エイッヤー!”でアンプを組上げました。


いくつかの3C24/24G 左からTung-Sol、Heintz&Kaufman(Gammatron)、Lewis製


3C24の特性

項目 定格
ヒーター電圧 6.3V
ヒーター電流 3.0A
最大プレート損失 25W
最大プレート電圧 2000V





 回路の選定についてですが、いつもいろいろアドバイスをいただくValves' WorldのTossieさんご愛用の回路「ダイナミックカップリング方式」を使う事としました。このダイナミックカップリング方式というのは、出力管のグリッドにドライバー管のカソードをダイレクトに接続するもので、ドライバーのカソード電位が+であるため、グリッドを+領域までコントロールしなければならない送信管などにぴったりの回路です。さらに出力管の制御は、ドライバー管のプレート電圧の可変で簡単に出来ますし、出力管のグリッドにカップリングコンデンサーもトランスも不要です。当然回路もシンプルになるので、とっつきにくそうな送信管でも案外簡単に使用することが出来ます。ホントに良くぞ思いついてくれた回路だと思います。

さて、早速実験ですが、実験で知りたいことは

その出力が得られる動作点は?
その動作点を作るのにどんなドライバー管が適当か?

で、この2つを念頭に置きすすめました。と言っても、私の使用可能なトランス類や真空管類から選択していくので、そんなに大げさな事は有りません。また、不精物の性格できちんと記録に残していませんので実験結果も記憶が便りです。申し訳ありません。。。(なお、実際にお試しになる方がおられるかも知れませんのであらかじめ断っておきます。”実験は記憶が頼りなので間違っていたらごめんなさい”)

実験では、ドライバー管は6AH4GT, 6BX7GT, 6BL7GT, 12AU7, 12BH7A, 12B4Aを使用し、電源は380Vぐらいまで出せるものを使用しました。

傾向として、ドライバーのB電圧が同じならば、ドライバー管の”μ”が小さなほうが、出力管に大電流を流すことが出来、μが大きいほど、出力管のプレート電流は小さく出力も小さくなることが分かりました。6BX7の片方を使用したところでは、ドライバーおよび3C24のプレート電圧360Vで3C24にプレート電流80mAほど流すことが出来、出力4Wほど出すことが出来ました。ただし、この4Wは上下の波形が非対称で下側が尖って上側が丸くなっていると言うものです。おそらく歪みはかなりのものと思いますし、プレート損失も定格25Wを少し超えています。せいぜい3Wが実用範囲ではないでしょうか。

6AH4、12B4Aも6BX7よりμが低いので、さらに電流を流すことが出来ますが、3C24のプレート損失を超えてしまいます。あとμの高いところで、6BL7、12AU7、12BH7あたりはどうか試しましたところ、6BL7では、ドライバーおよび出力管のプレート電圧380V、出力管のプレート電流は50-60mA程度だったと思います。出力は2Wそこそこでした。12AU7、12BH7では、出力管の電流はもっと少なくなり、出力は1W辺りでした。

ということで、なるべく出力を取りたいのと3C24と言う小さな出力管の見栄えを良くしたいので、低μ管の12B4Aを使用することとしました。12B4Aのプレート電圧を少し絞り、3C24のプレート電圧を制御すれば大丈夫かと思います。また実験中分かったことですが、3C24のヒーターはどうも直流点火がいいようです。100オームのハムバランサーだけでは、ハムは除去し切れませんでした。


ここでアンプの回路を示します。(実験回路もほぼ同じです。実験では+B3に以前製作した6EM7可変レギュレーターを接続できるようにしました)


3C24ダイナミックカップリングアンプの回路図(片ch) +B1が420V、+B2が205V、+B3が150V




明るい部屋での様子。それでもプレートの赤熱はすごく、放射熱がかなりある。

暗い部屋での様子。 この明かりで読書が出来そう。蛍光灯の豆電球よりは明るいです。ちなみにこれで出力はたった2Wx2 


さて、アンプですが、眩しいほどのトリタンと赤熱するプレートが何ともいえない風情を醸し出してくれます。作ってよかったと思う1品です。しかしこれでたったの出力2W+2W。しかも1時間も動作させているとシャシーやトランスが熱くなります(体感温度約60度)。ですが、そんな欠点も忘れさせてくれる見栄えのよさで、しばらくこのアンプで楽しみたいと思います。

2003.7.25


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