前回に引き続き、父の勘違い発言
○年金に関しての迷言 その2 「俺の年金で、お前達は飯が食える」
これは、老齢基礎年金と老齢厚生年金の違いを知らなかった為です。
前回、最後の方に書きましたが、父が受取っているのは「老齢基礎年金」なのですが、最初に入所した介護施設で同室だった方は商社マンだったので「老齢基礎年金」+「老齢厚生年金」を受給しておりました。
因みに、この方は父が入所した1ヵ月後に別の介護施設へ移動いたしました。
更に、その方の昔話を聞くと、サイドビジネスとして旅行代理店の営業マンみたいなことをしていたそうです。携帯電話もメールも無い時代に、平日に両方の仕事が出来たというのは信じがたいのですが、その方の奥様も同じ事を仰られていましたので、兼業は事実なのでしょう。その時に稼いだお金で国に余計に年金を納めたとの事も言っていますので、私の勝手な推測では、厚生年金保険法施行規則第2条に定められている『2以上の事業所勤務の届出』をしたのではないでしょうか?
当時その方が如何程の稼ぎだったのかは判りませんが、規則第2条の届出を行う事で、両方の会社から受取った給料の合算値で厚生年金の標準報酬月額が決定いたします。老齢厚生年金は、厚生年金被保険者であった期間中の標準報酬月額[平成16年3月31日まで]の平均値を使います(細かい事は省きました)。ですから、この届出をした人は、全く同じ条件で働いていたけれど届出をしていなかった(兼業禁止だから黙っていた)人よりも高額の厚生年金が支給されます。
その上、厚生年金の被保険者であった各月の標準報酬月額は物価変動を考慮した再評価率を掛けた値ですから、オイルショックのときの標準報酬月額は10倍で評価されます。再評価後の値に対しても一定額に達していなければ設定された最低額に読み替えます。ですから、父の世代で厚生年金に長期間加入していた方が受取る老齢厚生年金はベースからして高額なのです。その方が受け取っていた具体的な年金額は聞いて居りませんが、「介護施設の個室費用(月額20万円??)+妻及び息子夫婦の生活費」は十分にカバーできる金額だとの事でした。奥様が『お父さんの年金だけで家の事まで全部賄えるわ。お陰で、私は自分の年金で孫に好きなモノを買ってあげられる』と夫に感謝する発言をして居たのは当然です。
父は私が会いに行くまでの数日間に何度もその話しを聞かされていたようです。制度の違いを知らない為に、自分が受け取っている年金も同額だと思ってしまったようで、私が『お父さんが受け取っている年金は月額6万円程度だよ』と教えると、何か分けの判らないことを呟いたと思ったら、『年金がそんなに低い筈は無いから、手続きして来い』と。
あのね~家族が受け取れるで有ろう公的年金の手続きを、社会保険労務士の資格者が怠るとお思いですか?
親でなかったら、『月額400円の付加保険料どころか、毎月の国民年金保険料も納期限に納めないような家計状態にした張本人が、今更何をほざいているの』『伯父(母方)の口利きでチャンと社会保険に加入させる会社[業種は同じ]に入れたのに、沽券にかかわると言って拒否したくせに』と公衆の面前で罵倒したかったですよ。
え!『親父(私の祖父)やアキ(私の伯父)は、老齢基礎年金より高い年金を受け取っていた』。
ハイハイそれはですね・・・「年金」 その3 で推測を書きましょう。