【北京=三塚聖平】東京電力福島第1原発処理水の海洋放出が始まった8月24日以降の3週間余りで、北京の在中国日本大使館に累計40万件以上の嫌がらせ電話があったことが20日、分かった。日中外交筋が明らかにした。ピーク時には1日4万件にのぼったという。日本大使館は中国側に対応を求めているが、当局は事実上黙認しているとみられる。
外交筋によると、8月24日から今月17日までの期間で、激しい罵倒の言葉を使った嫌がらせ電話や無言電話が計40万件以上にのぼった。最も多かったのは放出開始の翌日にあたる25日で、1日4万件を突破した。それをピークに減少したというが、最近でも1日あたり5千~1万件の着信があるという。
放出開始後、無関係な日本国内の個人・団体に中国から迷惑電話が相次ぐといったことも起きた。また、在中国日本大使館にれんが片が投げ込まれるといったことも発生した。ただ、これまでのところ反日デモなどは確認されていない。習近平指導部は政権の安定を最重視しており、社会不安につながりかねないデモを封じ込める構え。
産経新聞