【カイロ=佐藤貴生】イスラエルのガラント国防相は9日、イスラム原理主義組織ハマスによる攻撃への報復として、パレスチナ自治区ガザの「完全封鎖」を命じ、ガザへの水や電気の供給を遮断すると宣言した。ハマス報道官はイスラエルが警告なしにガザの民間人を攻撃すれば、イスラエルから拉致した人質を処刑すると述べ、軍事圧力への対抗姿勢を示した。 ハマスとイスラエルによる交戦が10日も続き、本格的な戦闘は4日目に入った。ロイター通信などの報道を基にすると、戦闘に伴う死者が10日までに計1800人を超えたもようだ。イスラエルで少なくとも1000人、ガザで830人が死亡した。 イスラエル軍は9日、ガザのハマスの拠点など約2500カ所を攻撃。過去最大規模となる予備役30万人を招集した。ネタニヤフ首相は「ハマスへの空爆は始まったばかりだ」と述べた。ハマスが7日、イスラエルのガザ境界近くで野外コンサートの会場を襲撃した際に、約260人が死亡したことが判明した。 イスラエルのエルダン国連大使は9日、米CNNテレビで、イスラエルから150人近くがガザに拉致されたと明らかにした。米国やフランスなど外国籍の保有者も多数いるとみられている。 米英、ドイツ、フランス、イタリアの5カ国首脳は9日に電話会談を行った。共同声明でハマスの攻撃を「テロ行為」と非難し、イスラエルの自衛措置を支持した。バイデン米政権は中東安定を図るため、東地中海に原子力空母ジェラルド・フォードの派遣を決めた。 産経新聞
【北京=三塚聖平】日本の民間非営利団体「言論NPO」と、中国国際伝播(でんぱ)集団は10日、日中両国で実施した共同世論調査の結果を発表した。日中両国における相手国への印象について、「良くない」もしくは「どちらかといえば良くない」と答えた日本人は92・2%(前年比4・9ポイント増)、中国人は62・9%(同0・3ポイント増)だった。 今年は日中平和友好条約締結から45年の節目だが、尖閣諸島(沖縄県石垣市)を巡る問題や、東京電力福島第1原発処理水の海洋放出もあって双方の国民感情は悪化した状態が続いている。 現在の日中関係について「悪い」か「どちらかといえば悪い」と答えたのは、日本人で68・4%(同12・2ポイント増)、中国人で41・2%(同3・5ポイント増)だった。日中関係の発展を阻害する主な問題として「領土を巡る対立」を挙げた人は日中ともに最も多く、日本人が43・6%、中国人が39・5%だった。処理水の海洋放出を挙げたのは、日本人は36・7%だったが、中国人は5・8%にとどまった。 処理水放出については、中国人で「大変心配している」か「ある程度心配している」と回答したのは47・6%と半数近くになる一方、「全く心配していない」と「あまり心配していない」も26・7%と3割近く存在した。日本人では「全く心配していない」と「あまり心配していない」が37・3%と多かったものの、「大変心配している」か「ある程度心配している」も33・2%だった。 相手国へ行きたいかどうかについて、日本人では「行きたい」という回答が20・2%で、昨年の調査から9・6ポイント低下した。中国で日本人拘束が続いていることが影響した可能性がある。中国人では「行きたい」が41・2%で、昨年調査から3・0ポイント上昇した。 また、日中の経済・貿易関係の今後について「大きく減少する」か「やや減少する」と答えたのは、日本人で48・2%と半数近くに上り、中国人でも31・0%といずれも前年から拡大した。 調査は今回で19回目。日本側が9月2~24日に全国で1000人、中国側が8月18~9月1日に北京や上海など10都市で1506人から回答を得た。
産経新聞
米民主党上院トップのシューマー院内総務をはじめとする超党派議員団が急きょ訪日を中止したことが10日、関係者への取材で分かった。イスラエルとパレスチナのイスラム組織ハマスの武力衝突などの国際情勢に対応するため、日中韓3カ国訪問を切り上げて帰国するとみられる。
時事通信