タクシー料金を支払わず運転手を殴ってけがをさせたとして、大阪府警国際捜査課は21日、強盗致傷の疑いで、アイスランド人の職業不詳、アディソン・オリバー容疑者(24)=大阪市西淀川区=を逮捕した。調べに対し黙秘しているという。
逮捕容疑は17日午前10時20分ごろ、大阪市北区堂山町でタクシーの乗車代約3千円を支払わないまま、男性運転手(59)の顔を殴って逃走。約180メートル先の路上で、追跡してきた運転手を再び殴って転倒させ、顔面を骨折させるなどのけがをさせたとしている。
府警によると、容疑者は大阪市浪速区内で乗車し、当初は行き先として西淀川区にある自宅の住所を伝えていたという。逃走後は別のタクシーに乗るなどして帰宅したが、防犯カメラやドライブレコーダーの映像などを解析して特定した。
産経新聞
イスラエルとパレスチナの紛争が緊迫度を高めている。パレスチナ・ガザ地区を実効支配している武装組織のハマスが、イスラエルへのロケット弾攻撃や戦闘員による領土侵入を行い、民間人を多数殺害し、100人以上を誘拐した。
イスラエルはガザ地区に対して報復の空爆を行い、さらに地上戦の準備が整ったと報道されている。ハマスを支援するイランなど中東諸国とイスラエルとの緊張も増しているため、原油先物価格などが一時高騰した。
今後の展開次第では、「石油ショック」的な事態もあるかもしれない。ウクライナ戦争が長期化し、中国の失速などもあり、世界経済の先行きがさらに不透明化することは避けられない。
日本ができることは、経済面では政府と日銀が協調して国民生活を安定化させることだ。岸田文雄政権が現在策定している補正予算が重要な意味を持つ。「経済成長の成果の適切な還元」を目的にした「思い切った対策」が本当にできるのかどうかが試されるだろう。だが、この時に大きな障害がある。〝ザイム真理教〟だ。不景気でも緊縮を追求する財務省が立ちはだかる。
最近では、鈴木俊一財務相が、「税収増を還元する」とする岸田首相の方針に対して、「十分な財源的な裏付けがあるとは思っていない」と驚くべき発言をした。首相の予算編成の方針に、閣内から平然と異議を唱えるのがザイム真理教の姿だ。財務省は首相や国民の上に立っているという認識だろうか。
鈴木財務相は、税収増は2022年度のものに限るという認識を示している。22年度の税収増は約4兆円だ。そこにコロナ対策での予備費などを景気対策に振り替える金額が4兆円。合わせて8兆円程度だ。日本経済の総需要不足が最大で20兆円と推定されるので、これだけではとても足りない。
認知症の原因の一つとなるアルツハイマー病の症状の進行を抑える新薬「レカネマブ」が年内にも保険適用され、実用化される見通しだ。革新的新薬として注目されるが、その適切な使用や普及には、対象患者かどうかを見極める検査態勢の整備が欠かせない。検査薬メーカー各社は、診断精度の向上に役立つと期待される血液検査薬の開発を進めている。
製薬大手エーザイと米バイオジェンが共同開発したレカネマブは、脳内にたまるアルツハイマー病の原因物質「アミロイドベータ(Aβ)」を除去する。従来の認知症薬とは、作用の仕組みが異なり、臨床試験(治験)では症状悪化を27%抑制した。9月、国内での製造・販売が厚生労働省に承認された。
処方の対象となるのは認知症患者とその前段階の軽度認知障害の人で、投与前に陽電子放射断層撮影(PET)か脳脊髄液の検査でAβの蓄積状態を調べる。ただ、PETは専用の大型機器が必要で、国内で対応できる病院は60ほどに限られ、費用負担は数十万円にのぼるという。また、腰に針を刺す脳脊髄液検査は患者の体への負担が大きい。
そこで、これらの検査の前に、より簡易な血液検査を使って診断を支え、治療につなげようとする検査薬メーカーの取り組みが活発化している。エーザイの内藤晴夫最高経営責任者(CEO)も「血液による確認が急速に進歩している。普及していくと投与の対象になる患者が増えていくと考えられる」と話し、検査の充実を期待する。
シスメックスや富士レビオ、検査薬メーカーが開発活発化
シスメックス(神戸市)は今年6月、微量の血液からAβの脳内蓄積状態を調べる試薬を発売した。血液中に存在する関連タンパク質から脳内のAβの蓄積状態を約17分で把握できるという。
エーザイと共同開発を進めてきた常務執行役員の吉田智一氏は「長く新薬が出ていなかったアルツハイマー治療薬。協力できることはないかと最初は手探りでした」と振り返る。エーザイの治験の情報を分析しながら、検査の精度を高めていった。「薬が正しく処方されるためにも、検査が担う役割は大きくなっている。患者さんが安全に治療を受ける機会が失われることがないように、これからも力を尽くしていく」と話す。
2022年に米国で脳脊髄液の検査試薬の承認を得た臨床検査薬大手の富士レビオ・ホールディングス(HD、東京)も血液検査によってAβの蓄積状態を測る試薬の開発を進める。23年内に米国での承認申請を目指し、石川剛生社長は「国内も間をあけない形で申請したい」とする。島津製作所(京都)も質量分析技術を使って血液検査ができる機械装置を開発。エグゼクティブ・リサーチフェローの田中耕一氏のノーベル化学賞受賞技術をベースにする。
一方、日本認知症学会や日本老年精神医学会など関連6学会は9月末付で、脳脊髄液や血液中の指標などを使った検査の適正使用指針を発表した。認知症の診断精度を向上させる検査として期待されるものの、精度の確立や測定結果の解釈が不十分な場合、患者に不正確な情報を提供するリスクもあり「適正な使用が求められる」と強調した。また、血液検査に関しては「より一層のデータの蓄積と、多様な集団における性能を検証する研究が必要」などと指摘する。
エーザイと共同開発を進めてきた常務執行役員の吉田智一氏は「長く新薬が出ていなかったアルツハイマー治療薬。協力できることはないかと最初は手探りでした」と振り返る。エーザイの治験の情報を分析しながら、検査の精度を高めていった。「薬が正しく処方されるためにも、検査が担う役割は大きくなっている。患者さんが安全に治療を受ける機会が失われることがないように、これからも力を尽くしていく」と話す。
2022年に米国で脳脊髄液の検査試薬の承認を得た臨床検査薬大手の富士レビオ・ホールディングス(HD、東京)も血液検査によってAβの蓄積状態を測る試薬の開発を進める。23年内に米国での承認申請を目指し、石川剛生社長は「国内も間をあけない形で申請したい」とする。島津製作所(京都)も質量分析技術を使って血液検査ができる機械装置を開発。エグゼクティブ・リサーチフェローの田中耕一氏のノーベル化学賞受賞技術をベースにする。
一方、日本認知症学会や日本老年精神医学会など関連6学会は9月末付で、脳脊髄液や血液中の指標などを使った検査の適正使用指針を発表した。認知症の診断精度を向上させる検査として期待されるものの、精度の確立や測定結果の解釈が不十分な場合、患者に不正確な情報を提供するリスクもあり「適正な使用が求められる」と強調した。また、血液検査に関しては「より一層のデータの蓄積と、多様な集団における性能を検証する研究が必要」などと指摘する。
産経新聞
イスラエルとイスラム原理主義組織ハマスの大規模な軍事衝突を受け、イスラエルに進出する日系企業に日本人駐在員を退避させる動きが広がっている。帝国データバンクによると進出企業は92社あり、現地の情勢が一段と悪化すれば、イスラエルへの投資意欲の減退や、拠点の一時撤退などにつながる恐れがある。
「取引先への影響は大きく、現地では既に操業を停止した企業がある」
森六ホールディングス(HD)のグループ企業で化学品の輸出入を手がける森六ケミカルズの担当者はこう漏らす。同社は8日にイスラエルの駐在員に帰国を指示し、既に帰国しているという。
富士通はデータセキュリティーや人工知能(AI)の研究拠点を西部テルアビブに置く。数人の駐在員が帰国していたタイミングで大規模戦闘が始まり、現在は再派遣を見合わせている。担当者は「状況を注視しながら、必要な対応を検討していきたい」と語った。
三井物産は駐在員や家族を国外に退避させた上、現地へ新たに出張しないよう全社員に注意喚起をした。伊藤忠商事、住友商事、丸紅、豊田通商も退避済みだ。ある大手商社は「人命最優先で取り組む」と強調する。
種苗会社サカタのタネは最先端の園芸技術の情報収集を目指し、今年6月に拠点を開設したばかり。2人が駐在していたが、情勢緊迫化で民間機の席を確保し今月12日に日本へ退避が完了した。
外務省はイスラエル北部のレバノンとの国境地帯と、ガザ地区と境界周辺の危険レベルを最高度のレベル4(退避勧告)とするなど現地の危険レベルを引き上げており、業務再開は見通せない。
日系企業は、先端技術を持つ現地のハイテク企業やスタートアップ(新興)企業と提携する拠点としてイスラエルに進出するケースが多い。日本人駐在員の退避は済んでも、今後は現地雇用のスタッフが軍に招集されたり、ハマスの人質になったりするリスクがある。
帝国データバンクの担当者は「イスラエルは知の集積を強みにした技術立国。技術者が死亡するような事態になれば企業の進出にも大きく影響する」と指摘。M&A(企業の合併・買収)などの投資計画は当面、停止せざるを得ないとの見方を示す。 産経新聞