能登半島地震で大きな被害を受けた石川県輪島市で、市内の店舗の営業が少しずつ再開している。扱う商品や営業時間は限定的だが、水や電気などが復旧しない不便な避難生活を送る市民にとって、大きな助けになっている。
同市宅田町のスーパー「パワーシティ輪島ワイプラザ」。レトルトのおかゆを購入した市内の会社員、石田恭平さん(27)は「1歳の子供にアレルギーがあり、備蓄品のミルクが飲めずに困っていた。こうして買えるのは、ありがたい」とほっとした表情をみせた。
同店は3日から、普段より時間を短くしながら営業。パンやカップ麺、菓子など主だった商品は100円に設定。店を運営するヤスサキ(福井市)の橋本直文営業企画部長は「レジも動かず、値付けする時間も惜しかった。お客さんが払いやすい金額にした」と説明する。
店内は棚や天井が崩れるなどしたが、比較的被害が少なかったイートインスペースの一画に商品を並べた。福井の本社から約30人の応援が駆け付けて営業再開にこぎつけた。
初日は食料品や飲料水が主だったが、水や灯油用のポリタンクなど併設するホームセンターで扱う商品も並べた。橋本さんは「物流も回復しつつあり、被災から刻々と変わるお客さんのニーズに応えたい」と力を込めた。
一方、市内のあるドラッグストアも3日から営業を再開。照明が壊れ薄暗い店内でも、多くの客が訪れていた。30代男性店長は「水も電気もないなかでも、最低限の生活をできるよう早く店を開けたかった」と語った。(藤谷茂樹) 産経新聞
能登半島地震で滑走路が損傷した石川県輪島市の能登空港を24日まで閉鎖する見通しとなったことが6日、県への取材で分かった。仮復旧工事に着手し、早ければ25日に民間機の運航再開を目指す。
県は修復を急ぎ、数日以内に自衛隊機の発着を可能とする見込み。運航再開に向けて、被害を受けたターミナルビルの復旧も進める。
国土交通省によると、地震の影響で滑走路には深さ約10センチ、長さ10メートル超の亀裂が4、5カ所発生し、欠航が続いている。救援物資などを輸送するヘリコプターは2日から利用している。
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