七尾市で“恩返し炊き出し”ネパールカレーで支援の輪 「北陸割」最大2万円補助【スーパーJチャンネル】(2024年1月23日) (youtube.com)
能登半島地震の被災者を支援する動きが広がっています。かつて日本の支援で地震から復興したというネパール人の人々が「恩返し」の炊き出しを石川県七尾市で行いました。 ■七尾市で炊き出し「ネパールカレー」 被災地を未曽有の寒さがつつみます。今後、雪は強まる見込みです。寒さに耐える被災者を支援する人がいました。 じっくりと煮込まれたチキンカレーが避難所に届けられました。ただのカレーではありません。具材の主役は鶏肉。ショウガやニンニクを利かせたスープが自慢のネパールカレーです。 被災した人 「ありがたいですね。本当に」 「皆様に支えられて生きているなと思って、とてもうれしいです」 カレーを振る舞うのは、日本で暮らすネパール人の皆さん、総勢9人。七尾市に協力し、支援活動を行っています。突き動かしたのは、かつての恩返しでした。 一般社団法人ネパール協会 顧問 ジギャン・クマル・タパさん 「私たちもネパールの地震があったし、(日本の)色んな人が色んな支援をされていたので、今、私たちにできることはこの活動かなと」 ■日本の支援で地震から“復興” 今から9年前、ネパールでマグニチュード7.8の地震が起こりました。死者は8800人を超え、国民の5人に1人が被災したといわれています。校舎にはひびが入り、崩れる恐れが。生徒は学びの場を失いました。 一般社団法人ネパール協会 顧問 ジギャン・クマル・タパさん 「子どもたちは、震災後は青いビニールの仮設のテントの中で勉強する時間も長かった」 不自由な環境で勉強する子どもたちを救ったのが日本人だったといいます。 一般社団法人ネパール協会 顧問 ジギャン・クマル・タパさん 「日本の人々がボランティアとか寄付を集めて、ネパールの学校を建て替えて今、元気に子どもたちが勉強をしている。皆さんのことを思って応援している人はいっぱいいるので、前向きに一緒に頑張りましょうということを伝えたいと思います」 ■近江町市場も閑散 観光客減少 支援の輪が広がる一方で、地震は観光に暗い影を落としていました。金沢市民の台所「近江町市場」。 近江町市場商店街振興組合 石山博之事務長 「週末だとこの辺りはすれ違うのも大変なくらい客が来ているが、ちょっと寂しい感じ」 地震の後、市場を訪れる観光客は去年と比べて7割ほど落ち込んだそうです。 影響は海の幸にも…。かつて店の棚いっぱいに並んでいたカニは、23日は様子が違います。売れたわけではありません。 高川物産 高川敬士店長 「毎日、漁に行けない。入荷量が少ないのと、出したからには1日で売れる量しか並べられない」 ■「北陸割」旅行2万円上限補助 コロナ禍前は年間2000万人以上の観光客が訪れていた石川県。政府は石川県に観光に来てもらうため、新たな支援策を打ち出しました。それが「北陸応援割」。 北陸地域で3月から4月にかけて、旅行代金の半額が補助されます。1人1泊、2万円が上限です。 ■温泉旅館苦境「全件キャンセル」 金沢・湯涌 山音 吉田康晴支配人 「我々も本当に期待しています」 期待の声が聞こえてきたのは、金沢市の湯涌温泉にある老舗旅館です。建物に被害はありませんが、経営は岐路に立たされているといいます。 金沢・湯涌 山音 吉田康晴支配人 「(Q.もう全件キャンセル?)全件キャンセルです。前代未聞です。(地震後)1月は7割近くがキャンセル」 今月120件あった予約の7割がキャンセルになり、損失は750万円にも上ります。国の緊急支援に期待する一方で、石川県全体に効果が広がることを望んでいます。 金沢・湯涌 山音 吉田康晴支配人 「能登も含めた心と文化をつないでいかなくてはいけない。経済を回すことが能登を応援する。金沢はそういう面ではキーになる。皆さんの理解でいらっしゃっていただきたい」 今回の「北陸応援割」では、地震の被害がひどい奥能登は復旧が最優先。割引の対象にせず、改めて手厚く支援する方針です。