能登半島地震で道路が寸断され、2週間近く孤立状態だった石川県輪島市の鵠巣(こうのす)地区で13日、孤立が解消した。県によると、13日時点で3市町の15地区に孤立集落が残っており、復旧作業を急ぐ。
鵠巣地区は、市中心部につながる海岸沿いの国道249号が地震による土砂崩れで埋まるなどし、400人以上が取り残されていたとみられる。その後、土砂の除去作業が進み、13日午前になって国道が開通した。
住民らは地区内の市立鵠巣小に身を寄せ、食材を融通し合うなどして避難生活を続けてきた。住人で市職員の村田直之さん(57)は「みんな喜んでいる。10日以上、風呂にも入れなかった」と疲れをにじませた。
石川県七尾市から地区内にある夫の実家に帰省中だった坂上みゆきさん(53)も「道が通れる、というありがたさを実感した」と安堵の表情を浮かべた。
坂上さんは、かつて民宿だった夫の実家から避難所に布団を持ち込み、寒さを訴える高齢者に配ったという。「ここは地域のつながりが強い。だから助け合って生活できた」と話していた。
孤立状態が解消し、安堵の表情を浮かべる鵠巣地区の住民ら=13日午後、石川県輪島市大野町菰沢(橘川玲奈撮影)
産経新聞
石川県は13日、能登半島地震による死者は午後2時時点で220人になったと発表した。このうち災害関連死としたのは13人。住宅被害は前日の集計から七尾市で4700棟以上、志賀町で2千棟以上増え、県全体で1万1297棟になった。
安否不明者は26人。死者数は自治体別に、珠洲市98人、輪島市88人、穴水町20人、能登町6人、七尾市5人、志賀町2人、羽咋市1人。
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