【オリンピックに対抗?】ロシアが「自前の大会」開催へ 日本は… (youtube.com)
■現時点で70か国以上、8000人近くが参加見込み 有働由美子キャスター 「こちらのサイトを見てほしいんですが、『バドミントン』や『バスケットボール』などスポーツ競技が並んでいます。しかも、ピクトグラムは東京オリンピックと似た感じです。ほかに『チェス』『柔術』『相撲』など、今のオリンピックにはない競技もあります。これは『ワールド・フレンドシップ・ゲームズ』という、ロシアが自前で行う大会です。小栗さん、ロシアは何のためにこんな大会を行うんでしょうか?」 小栗泉・日本テレビ解説委員長 日米の政治・外交に精通 「ロシアのある思惑が見えるんです。というのもこの大会、期間はパリ・パラリンピックの閉会式のわずか1週間後からモスクワなどで開かれまして、大会のサイトによると、現時点で70か国以上、8000人近くが参加する見込みだということです。また、優勝者にはオリンピックメダルとは違い純金でできたメダルのほか、オリンピックにはない賞金を出すということで、金メダリストには日本円にして約600万円を用意するということです(タス通信による)。さらに2年後の2026年には、ソチで冬季大会も予定しているということで本家のオリンピックをかなり意識していることがわかります(IOCによる)」 有働キャスター 「というか、対抗意識むき出しな感じですね」 小栗解説委員長 「そのパリオリンピックでは、ロシアはウクライナへの軍事侵攻を続けていることなどからロシアとしては参加できず、中立な立場の個人資格に限って参加を認めています。IOC(=国際オリンピック委員会)は19日、新たにセーヌ川で行われる開会式のパレードへの参加を認めないことを決めました。こうした中、ロシアにとっては、自前の大会というのは国内、そして国外それぞれに向けたメッセージがあるというふうにロシア政治に詳しい拓殖大学の名越健郎特任教授は指摘しています。まず、国内向けについては『オリンピックに国として出られないため、国旗・国歌が使えないということで不満が高まっている。独自の大会を行うということで国威発揚をはかる狙いがある』ということです。一方、国外に向けては『ロシアと親しい北朝鮮やイラン、さらには中国やインドなどにも声をかけて、参加してほしいと思っているのでは。西側諸国とは一線を画してスポーツの面でも新しい国際秩序を作ろうとしている』というんです」 有働キャスター 「スポーツをも使って世界を分断しようというふうに見えますよね」 ■IOC「明確に反対する」 日本の立場は? 小栗解説委員長 「この大会に対してIOCは、『選手を政治プロパガンダに利用することに明確に反対する』と表明。またAFP通信によると、ウクライナのスポーツ相も『この大会はオリンピックの代わりになどならない』と批判しています」 有働キャスター 「この大会については、日本はどういう立場なんでしょうか?」 小栗解説委員長 「政府関係者によれば、『日本は今のところ、参加も支援もしないスタンスだ』ということです」 有働キャスター 「辻さん、これについてはどう思いますか?」 辻愛沙子・クリエイティブディレクター(「news zero」パートナー) 「そもそも平和のために作られたのがオリンピックなわけで、他国に侵攻し続けているロシアは問題視されて然(しか)るべきだなということはまず思います。ただ、その上で違和感が2点ありまして、1つ目は、ではなぜイスラエルは参加が認められているのかという点です。平和を前提とするなら一貫性をもってほしいと思います。2つ目ですが、ロシアの反応です。オリンピックがダメなら別の大会を作ればいいということではなくて、なぜ出場が認められないのか、その理由だったり背景に向き合うべきですし、何よりも機会を奪われたロシア選手のためにも侵攻をとめる。まずこれに尽きると思います」 有働キャスター 「わたしは、スポーツの大会はどこまでもアスリートのために存在するべきで、その一人ひとりを尊重しないのはどんな大会であれ、あまりにも乱暴で無礼だと思います。政治の世界がどうあっても、スポーツの世界だけはアスリートファーストが万国共通であってほしいと願います」