佐賀県を訪問中の天皇、皇后両陛下の長女、敬(としの)宮(みや)愛子さまは12日、佐賀市のSAGAアリーナで、国民スポーツ大会の柔道競技を観戦された。担当者の説明を聞きながら、少年男子の1回戦をご覧になった。
午後は県赤十字血液センターを訪れ、災害時の対応や献血の様子を視察される。手すき和紙の工房にも足を運び、紙すきの実演をご見学。夜に帰京される予定。
産経新聞
自民党総裁選からあっという間の解散劇。15日公示とされる総選挙に向け、石破茂首相ら党執行部は1次公認を発表した。非公認となった一部の議員からは「理解できない」といった批判の声もあがり、不出馬を決める動きも目立つ。「裏金議員」の行く末はどうなるのか。政治ジャーナリストの安積明子氏に聞いた。
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「『選挙における非公認』よりも重い処分を受けた者については、非公認とする。『選挙の非公認』よりも軽い処分であっても、現時点で引き続き処分が継続している者については、政倫審で説明責任を果たしている者を除き、非公認とする。処分を受けたその他の議員のうち、説明責任が十分に果たされず、地元での理解が十分にすんでいないと判断される者についても、非公認とする」「派閥の政治資金パーティーをめぐる不記載があったその他の議員についても、比例名簿への登載はしない」
■「決定プロセスには理解に苦しむものがある」
「政治とカネ」の問題をめぐる裏金議員の処分について、上記のように石破首相が発表した翌10月7日、自民党は阿鼻叫喚となった。次期衆院選でこの「非公認」の要件に該当するのは、下村博文元文部科学相(東京11区)、西村康稔元経済産業相(兵庫9区)、高木毅元国対委員長(福井2区)、萩生田光一元政調会長(東京24区)、三ツ林裕巳元内閣府副大臣(埼玉13区)、平沢勝栄元復興相(東京17区)の6人で、引退を表明した林幹雄元経産相や、政倫審に出席した武田良太元総務相と松野博一前官房長官は除かれた。
平沢氏は総裁選で石破首相を応援し、告示直前には地元である葛飾区の柴又帝釈天の商店街で、映画「男はつらいよ」の主人公・寅さんのコスチュームを石破首相に着させて歩かせた。またJR亀有駅前に約800人もの支持者を集め、自らマイクを握って石破支援を訴えた。にもかかわらず、石破首相からこのような“仕打ち”を受けたのだ。
平沢氏は口でこそ恨み言を言わなかったが、Xで「この問題に関する決定プロセスには理解に苦しむものが多々「あります」と石破首相に対する不満を爆発させた。
7日は午後7時から全国幹事長会議が開かれ、11都府県の幹事長から「なぜもう少し早く決定できなかったのか」といった不満の意見が次々と噴出した。とりわけ東京都連では、前会長の萩生田氏ら大物国会議員3人が“非公認処分”を受けた上、東京6区の越智隆雄元内閣府副大臣が次期衆院選に出馬しない意向を表明した。越智氏は「石破総裁の判断以前に(不出馬を)決めていた」とするが、清和会の創始者である故・福田赳夫元首相の孫が、自ら出馬を辞退した意味は小さくない。
混乱はこれだけにとどまらない。石破首相が非公認の要件とした3つのうち「説明責任を果たさず、地元での理解が進んでいない」の該当者については、この日はまだ発表されなかったからだ。
■「裏金議員」という汚名しかない
「非公認の枠が一気に広がるかもしれない」という怯えが、自民党議員の間で広まった。ある議員は「裏金500万円以上は非公認になるかもしれない」と推測した。まるで2005年の郵政選挙での「造反議員狩り」の様相にも似ていたが、もしかしたら、それ以上に深刻なものかもしれない。当時の造反議員たちには「地元の郵便局を守らなければならない」という“大義”があったが、今回は「裏金議員」という汚名しかないからだ。
石破首相は 8日、昼と夜に計約2時間、森山裕幹事長と小泉進次郎選対委員長と会談した。そして衆院が解散された9日午前に最終調整を行い、小選挙区では、不出馬を表明した越智氏のほか、菅家一郎元復興副大臣(福島3区)、中根一幸元外務副大臣(埼玉6区)、小田原潔元外務副大臣(東京21区)、細田健一元経産副大臣(新潟2区)、今村洋史元衆院議員(東京9区)の計6人の非公認を追加で確定した。
また比例ブロックでは処分を受けた「裏金議員」や支部長の比例重複を認めず、比例単独を申請していた上杉謙太郎元外務大臣政務官(東北ブロック)、尾身朝子元総務副大臣(北関東ブロック)、杉田水脈元総務大臣政務官(中国ブロック)は不出馬が確定した。
なお、新たに非公認とされた6人は、自民党が4日の情勢調査で「地元での活動不足」と認定したと見られるが、実は別の思惑があったようだ。たとえば今村氏の非公認が決まった東京9区では、2021年に公職選挙法違反問題で衆院議員を辞職し、自民党を離党していた菅原一秀元経産相に10月9日に復党が認められている。次期衆院選では勝利した人が追加公認されることになっており、より強い人材を確保するほうが自民党にとって都合が良い。
もっとも非公認とされた12人のうち11人は旧安倍派に所属していたため、「石破首相は旧安倍派を一掃しようとしている」との声も聞かれる。実際に東京9区で今村氏よりも優勢な菅原氏は、菅義偉元首相の側近として知られていた。