過去3回の投票率(小選挙区選)を見ると、2014年に戦後最低の52・66%に落ち込み、17年に53・68%、21年に55・93%と少しずつ回復しているものの、いずれも60%未満にとどまった。戦後の投票率は「55年体制」下で初めて自民、社会両党が激突した1958年に76・99%を記録した後、おおむね60~70%台で推移してきており、近年の低さは際立っている。
投票率低迷の要因には悪天候や新型コロナウイルス禍の影響があったとみられるが、自民党と他の野党との支持率に圧倒的に差がある「一強他弱」の政治情勢から、選挙への関心が薄れたとも指摘される。
自民が政治資金問題で批判を浴びる中、就任直後の石破首相は新政権への国民の信任を得ようと総選挙に踏み切った。立憲民主党の野田代表は政権交代を訴えており、有権者の関心が高まる可能性もある。
若い世代の投票率向上も課題だ。衆院選では2017年から選挙権年齢が「18歳以上」に引き下げられたが、10歳代の投票率は他の年代に比べて低い傾向が続いている。投開票日の27日は秋の行楽シーズンと重なるため、各自治体は期日前投票の利用を呼びかけるほか、若年層への啓発活動にも力を入れる方針だ。