塗装といいましても、様々な種類と方法があると思います。
ウチでつくっている家具では、ほとんどが自然塗料のオイルで仕上げています。
まず、どうして自然塗料か?といいますと、
「エコで安心・安全」という、今ではすっかり標語みたいになってしまった理由
という訳でもありますが、体質的に化学塗料は苦手なんです。
気分が悪くなります、頭痛がしてきます、おまけに喉も痛くなってきます、という具合で、
あまり仕事にならなくなってしまうので、極力使わないようにしています。
まあ、気分的な問題でもあります。
今回は、オイルベースでの白色塗装をすることになったのでちょっと紹介。
数年前に一度、白色のオイル塗装をしたことがあるのですが、
思ったように白色にならなくて断念した記憶があります。
自然塗料のオイルだけでは強力な着色ができないのですね。
特に白色のように明るい色を、茶色の木材へ塗ってもうっすら白色が被る感じで、
白にはなりません。
ですので、その後、白系の着色をする場合には、割り切ってペンキを使っておりました。
ペンキの場合、極端な話、塗装する材は、木だろうが、鉄だろうが、コンクリだろうが、
なんでも有りで、塗ってしまえば下地の材の存在感は隠れてしまいます。
木材の個性が隠れてしまうのは、ちょっと残念な気分になることもあります。
前置きが長くなりました。
塗装の前にやっておくこと。
それは素地研磨。
塗る材にペーパーがけすることです。
今回塗る材は、既製品の杉板(本実加工品)。
既製品でカンナ仕上げしてあり、本当はそのままでもいいのですが、
着色する場合はペーパーをかけたほうがきれいに仕上がります。
カンナがけしてあるとはいえ、近くでよーく見てみると、
毛羽立っていたり、傷がついている箇所がちらほらとあります。
クリア塗装する場合は、それほど問題はありませんが、
着色の場合は、その部分に色むらがはっきりと出ることがあります。
塗った後から修正するのは大変ですので、予め研磨しておけば安心。
塗装する板材とサンダー ↓
240番のペーパーできれいにしていきます。
番手が高くなると非常にきめ細やかに仕上げることが出来ますが、
その分、ペーパーが薄く、すぐに磨り減ってしまうので、
まめに交換が必要です。
サンダーがけする時はコレ ↓
防塵マスクと防振手袋。
この防振手袋は、手のひらと指の部分に細長いバネが何本も入っており、振動を吸収してくれます。
ごわごわしているので、道具を握るくらいしか使えませんが、
連続長時間のサンダーがけをする時には、手がしびれにくく重宝します。
次に塗料と塗装道具 ↓
今回は、オイル塗装の前に、水性ステイン(写真左)を使うことにしました。
水性ステインとは着色剤のことです。
木目を残しながら、結構濃い目に着色することが出来ますので、
その後に、白のオイル塗装をすれば、それなりに白色に仕上げることが出来ます。
写真中央下にあるのは、コテバケです。
スポンジ状のパットにハンドルがついています。
パットは交換できるようになっています。
平面を均一に塗り伸ばすことが出来ますので、早くきれいに仕上げることが出来ます。
すーと楽々です ↓
塗る前 ↓
塗った後 ↓
写真では木目はつぶれているように見えますが、実際には薄っすらと残っています。
1m前後の板を90枚近く塗装しました ↓
薄曇だったのが、曇ってきて、空の様子を伺いながらの塗装。
広ーい屋根付きの作業場があるわけではなく、半屋外での作業ですので、
天気には気を使います。
塗装し終わって、乾く前のタイミング(←これが難しい)でウエスでふき取り、
そこそこ乾いてきた頃に、小屋の中へ持ち込み、一枚一枚立てかけて養生。
やっと終わったー、という時に雨がパラパラと。
こんな時、なんかちょっと快感です。