福島木工家具店

製作した家具の紹介と日記

屋久杉座卓の修理

2021-07-17 22:01:36 | テーブル ・ 机

たまに家具の修理依頼があったりします。

ものを大事にしたいとの気持ちに嬉しくなるものです。

 

ただ、修理内容によっては、新規でつくるよりも手間がかかることもあるのが現実。

修理途中で想定外のことがでてきて、予算をオーバーしてしまうことも珍しくありません。

 

こちらも依頼者の気持ちを尊重し、費用対効果のことも考えながらの仕事となります。

修理について、現実的に難しい内容や予算面などから、不本意ながらお断りする場合もあります。

 

 

・・・と前置きが長くなりましたが、今回修理したのはこちら ↓

屋久杉の座卓

 

屋久杉の座卓のイメージといえば、天板が分厚い(5〜6cm)、天板の形はダイナミックな感じなどなど、

屋久杉の生命力を表現したような座卓が多いのですが・・・

今回の座卓は写真のとおり、ともて端正(私好み)。

天板の厚みも1寸(約3cm)もありません。

 

そして、これが特徴的なのですが、天板の周囲をヤマザクラの角材で囲ってあります。

これは修理でペーパーがけしているときにヤマザクラのあまーい香りがしてわかりました。

屋久島ではヤマザクラが自生していて、古くから木工品として利用されています。

 

粗いペーパーで大きな傷を落とし形を整え、細かいペーパーで仕上げていきました。

そして、塗装は屋久杉テーブルで一般的なウレタン塗装でなく、私が普段しているオイル塗装。

オイルは、通常のものと、仕上げに耐水性のあるもの2種類を使用。

天板なので、塗膜をいつもより厚めになるよう塗装しました。

 

もともとの屋久杉の素材が良いのも合わさって、とても綺麗にしっとりと自然な感じで仕上がりました。

私が好んでオイル塗装をするのは、その仕上がりの質感。

素材の手触りが好きです。木と触れ合っている感じ。

 

お客様も大変喜んでくださり、これからもずーっとこの座卓を大事にしてくれることでしょう。

 

 


 

 

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