甚大な津波被害を受けた被災地の石巻市鹿妻地区・鹿妻三丁目町内会の皆さんが、住民同士のコミュニケーションを深めることを目的として企画されたイベント「大お茶っこのみ会」が9月30日、石巻市鹿妻南にある鹿妻南コミュニティハウス「心の家」で開催されました。
同町内会は津波による被害が大きく仮設住宅で生活される方が多いのですが、被害のあった住宅をリフォームして住まわれている方もいらっしゃいます。住民同士の情報交換の場として定期的な会の開催を求める声があがり、それに応えるかたちで町内会長の西村しげさんたち中心となり、ボランティアなどの協力を得ながら実現したイベントです。私たち、ふんばろう東日本支援プロジェクト・宮城支部もお手伝いさせていただきました。台風17号の影響もあり雨模様が心配な天気でしたが、この日はとてもよく晴れ、汗ばむほどの一日になりました。そんな天気のお陰もあって、たくさんの地域住人の方が訪れ、再会を喜んでいたようでした。
会場となった鹿妻南コミュニティハウス「心の家」は、在日フランス人建築家リシャール・ブリア氏が設計し、自身が副代表理事を務める財団法人フェール城桜協会が、フランスや国内外からの寄付金を募り、今年6月に建てられた集会所です。地場の木材をふんだんに使った建物は木の香りとぬくもりに包まれていて、片流れの屋根の傾斜に合わせた内部天井は広々とした吹抜け空間を作っていました。南に流れた大屋根につづくようにウッドデッキの上にはトレリスがかかっていて、木材の外壁と合わせ内と外をゆるくつなぐとても素敵な建物となっていました。
建物の中では、住民のみなさんが楽しめる催しものが盛りだくさん。開会式の獅子舞から始まり、部屋の一角をステージに見立て、バンド演奏や和太鼓、踊りなどたくさん披露されました。また、ボランティアによるマッサージやフェイスペインティント、ポケモンワークショップなどの出店もありました。屋外ではお腹や舌を満足させるべく、飲食系を中心としたブースが軒を並べました。
私たちふんばろう宮城支部は、クリームあんみつのお店を出しました。実はわれらが小関勝也支部長は、仙台でも老舗の甘味処で修行をした経験があります。その経験を活かし、住民のみなさんに本格的でおいしいあんみつを味わっていただこうと考えました。寒天を冷やし、えんどう豆や粒あん、トッピングのフルーツやアイスクリームをテーブルに並べ、支部長による盛り付けのレクチャーも受け準備万端。10時の販売開始の時刻に合わせてどんどん売れるはず!…でしたが、午前中からあんみつを食べたいと思う人は少ないのか、売れ行きは思わしくありません。ほかのお店は、たくさんの人が集まっているのに、一番端に出店したあんみつ屋はちょっと不調。ところが、救世主が現れます。宮城支部メンバーの小6のお嬢さん、ヒロちゃん、通称“カチョー(課長)”です。カチョーによる「本格的なクリームあんみついかがですか?とってもおいしいですよ〜」の大きな掛け声で少しずつお客さんが集まり、売れ始めました。食べてくださった方はみなさん「おいしい」と言ってくださり、作っているメンバーの喜びもひとしお。更に、メイン会場へ売り歩く「移動販売」の思いつきも功を奏し、最終的には約60食もお買い上げいただきました(売上金はすべて同町内会へ寄付させていただきました)。西村さんからは御礼の言葉と後日お手紙をいただきました。また、こんな笑顔いっぱいのお茶っこ飲み会のお手伝いできたら嬉しいです。
私がこのふんばろう東日本支援プロジェクトの活動を始めたのは、震災後1年経った今年の4月でした。仙台市内の海岸沿いに建っていた私の家は、津波により流失。家にいた娘たちは近所の小学校に避難し津波から逃れ、私自身も車で家に向かっているとき警察官に西に避難するよう指示され、途中津波から命からがら逃げるという怖い体験をしました。このプロジェクトはインターネットを通じて知っていましたが、被災した私だからできる支援や汲み取れる被災者の思いもあるはずと考え、震災後1年をきっかけに参加しました。
それ以降、さまざまな支援活動をさせてもらっていますが、訪問した仮設住宅の方の元気な姿や、ボランティアに対する労りの気持ちに勇気付けられることの方が多いです。また、集団移転の話や各地区の実情は、私にはとても興味深いことであり、ついつい話し込んでしまうこともあります。実際に力になれることはとても少ないかも知れません。ただ、活動を通じてよかったと感じるのは、仮設住宅に住む方たち、他のボランティア団体の方たち、そして一緒に活動する仲間たちとの強い“つながり”ができたことです。きっと一生の宝物となるでしょう。(古澤きみえ)
同町内会は津波による被害が大きく仮設住宅で生活される方が多いのですが、被害のあった住宅をリフォームして住まわれている方もいらっしゃいます。住民同士の情報交換の場として定期的な会の開催を求める声があがり、それに応えるかたちで町内会長の西村しげさんたち中心となり、ボランティアなどの協力を得ながら実現したイベントです。私たち、ふんばろう東日本支援プロジェクト・宮城支部もお手伝いさせていただきました。台風17号の影響もあり雨模様が心配な天気でしたが、この日はとてもよく晴れ、汗ばむほどの一日になりました。そんな天気のお陰もあって、たくさんの地域住人の方が訪れ、再会を喜んでいたようでした。
会場となった鹿妻南コミュニティハウス「心の家」は、在日フランス人建築家リシャール・ブリア氏が設計し、自身が副代表理事を務める財団法人フェール城桜協会が、フランスや国内外からの寄付金を募り、今年6月に建てられた集会所です。地場の木材をふんだんに使った建物は木の香りとぬくもりに包まれていて、片流れの屋根の傾斜に合わせた内部天井は広々とした吹抜け空間を作っていました。南に流れた大屋根につづくようにウッドデッキの上にはトレリスがかかっていて、木材の外壁と合わせ内と外をゆるくつなぐとても素敵な建物となっていました。
建物の中では、住民のみなさんが楽しめる催しものが盛りだくさん。開会式の獅子舞から始まり、部屋の一角をステージに見立て、バンド演奏や和太鼓、踊りなどたくさん披露されました。また、ボランティアによるマッサージやフェイスペインティント、ポケモンワークショップなどの出店もありました。屋外ではお腹や舌を満足させるべく、飲食系を中心としたブースが軒を並べました。
私たちふんばろう宮城支部は、クリームあんみつのお店を出しました。実はわれらが小関勝也支部長は、仙台でも老舗の甘味処で修行をした経験があります。その経験を活かし、住民のみなさんに本格的でおいしいあんみつを味わっていただこうと考えました。寒天を冷やし、えんどう豆や粒あん、トッピングのフルーツやアイスクリームをテーブルに並べ、支部長による盛り付けのレクチャーも受け準備万端。10時の販売開始の時刻に合わせてどんどん売れるはず!…でしたが、午前中からあんみつを食べたいと思う人は少ないのか、売れ行きは思わしくありません。ほかのお店は、たくさんの人が集まっているのに、一番端に出店したあんみつ屋はちょっと不調。ところが、救世主が現れます。宮城支部メンバーの小6のお嬢さん、ヒロちゃん、通称“カチョー(課長)”です。カチョーによる「本格的なクリームあんみついかがですか?とってもおいしいですよ〜」の大きな掛け声で少しずつお客さんが集まり、売れ始めました。食べてくださった方はみなさん「おいしい」と言ってくださり、作っているメンバーの喜びもひとしお。更に、メイン会場へ売り歩く「移動販売」の思いつきも功を奏し、最終的には約60食もお買い上げいただきました(売上金はすべて同町内会へ寄付させていただきました)。西村さんからは御礼の言葉と後日お手紙をいただきました。また、こんな笑顔いっぱいのお茶っこ飲み会のお手伝いできたら嬉しいです。
私がこのふんばろう東日本支援プロジェクトの活動を始めたのは、震災後1年経った今年の4月でした。仙台市内の海岸沿いに建っていた私の家は、津波により流失。家にいた娘たちは近所の小学校に避難し津波から逃れ、私自身も車で家に向かっているとき警察官に西に避難するよう指示され、途中津波から命からがら逃げるという怖い体験をしました。このプロジェクトはインターネットを通じて知っていましたが、被災した私だからできる支援や汲み取れる被災者の思いもあるはずと考え、震災後1年をきっかけに参加しました。
それ以降、さまざまな支援活動をさせてもらっていますが、訪問した仮設住宅の方の元気な姿や、ボランティアに対する労りの気持ちに勇気付けられることの方が多いです。また、集団移転の話や各地区の実情は、私にはとても興味深いことであり、ついつい話し込んでしまうこともあります。実際に力になれることはとても少ないかも知れません。ただ、活動を通じてよかったと感じるのは、仮設住宅に住む方たち、他のボランティア団体の方たち、そして一緒に活動する仲間たちとの強い“つながり”ができたことです。きっと一生の宝物となるでしょう。(古澤きみえ)
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