回転寿司の真相シリーズ123皿目 第1部/恐ろしい?回転寿司編
ROUND8-A 暗躍する水産業者・水産加工業者
回転寿司店の多くは市場を通さず水産加工業者から安く仕入れる
回転寿司業界は市場外取引でネタを入手/回転寿司店の仕入れルート1
豊洲市場や地方の卸売市場を通さない流通などを、「市場外取引」(下図参照)と言います。旧・築地市場に隣接し、名店が並ぶ「築地場外市場」とは異なります。産地からの直送などセリを通さない流通全般を指し、市場外取引は全国的レベルで行われています。水産物の流通経路は複雑で、水産加工業者・産直・“闇ルート”なども含め、市場を通さない流通量は飛躍的に増大しています。回転寿司業界は、その最たるものです。
回転寿司店にとっての市場外取引のメリットは、市場取引経由の中間コストが掛からないため安く仕入れられることです。中小の回転寿司店を始め大手チェーン店は、独自の市場外取引の仕入れルートから入手します。しかし実態は、かなり“怪しいルート”から仕入れているのです。扱い量が増える分だけ、回転寿司業界は水産加工業者との“如何わしい密着”が深くなっていきます。それらは、後号で説明致します。
TV番組で、回転寿司の店主が築地の市場取引によって、鮪(まぐろ)丸々1匹を店に仕入れるシーンを見ます。それは、年始やセールの時だけのパフォーマンス(企業宣伝)です。皆様の多くが、回転寿司店は築地市場から新鮮なネタを仕入れていると思っており、それは“大きな間違い”です。回転寿司店がネタを築地から仕入れていては、経営が成り立ちません。精々、中小の回転寿司店のごく一部が、市場業者から鮪などに限り、冊(さく)・ブロックサイズの半加工品の形で仕入れる程度です。
▽市場外取引 (回転寿司業界の一例)
図表/回転寿司の真相
酷い実態は全ての回転寿司店を示すものではありませんが
多くの店で横行しているのも事実です。