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「木枯らし1号」はいつ吹くのかな?最近はなぜか発表されない年が多くなった/少数派

2022年11月10日 | 気象・季節・暦
Ns170minoritytp 少数派シリーズ/気象・季節・暦
「木枯らし1号」はいつ吹くのかな?最近はなぜか発表されない年が多くなった

「木枯しに抱かれて」 小泉今日子  作詞・作曲 THE ALFEE 高見沢俊彦 (音量にご注意下さい)

■東京地方の条件は「10月半ばから11月末まで」に「風速8m/s以上」の風が吹くこと
そろそろ冬が訪れる季節、それを知らせるのが「木枯らし1号」です。寒くなりやや強めの風が吹いたから、そろそろ冬ですよ~と気象庁が情緒的に発表しているものではありません(笑)。発表は「東京」と「近畿」が対象で、当然ながら基準となる条件が設定されています。「木枯らし1号」とはどういう事象なのかを説明する前に、「東京地方」は2018、19、21年には条件が満たされずに発表されませんでした。発表の記録が残っているのは1951(S26)年からで、21年まで”発表なし”が都合7回、うち3回がここ数年なのです。特に18・19年の2年連続は、初めてのことです。原因は分かっていませんが、やはり温暖化・異常気象なのでしょうか? さて今年は・・・期待するのもおかしいですね。
22.12.2追記/東京は今年もなし、近畿は11/13に吹いた。

●木枯らし1号の発表基準(条件)
木枯らしは日本中で吹きますが、発表されるのは気象庁の「東京地方」と「近畿地方」のみです。しかし両地方の条件は、若干、異なります。時代とともに少しずつ定義が変化しており、現在の定義となったのが1991年からです。

▽東京地方
1.期間は10月半ばから11月末までの間
2.気圧配置が西高東低の冬型となって、季節風が吹くこと
3.風向が西北西~北である
4.最大風速が概ね風力5(風速8m/s)以上
※最大風力とは、瞬間風力ではなく10分間平均風速
▽近畿地方
1 期間は霜降(10月23日ごろ)~冬至(12月22日ごろ)まで
2 気圧配置が西高東低の冬型の気圧配置
3 風向・風速が北よりの風が吹き、最大風速8m/s以上

条件は両地方とも微妙に違いながら、一定期間内に風速(秒速)8m以上のほぼ北寄りの風が吹いた場合です。気象庁は、51年以前のいつから発表を始めたか正確な記録がないそうです。「発表」がない年は東京地方の7回に対し、近畿地方は87年からスタートながら92年の1回のみです。近畿が少ない理由は、2つあります。①観測地点の数が東京は北の丸公園の1か所に対し、近畿は大阪・神戸など指定された計測地点が多いこと。②対象期間も、東京は10月半ばから11月末までの間に対し、近畿10月23日ごろ~12月22日ごろと長いことによります。そもそも対象地域が近畿圏に対し、関東圏ではなく東京なのかは不思議なことです(投稿者調べでは理由不明)。なお期間内に事象がその後に起きたとしても、「木枯らし2号」「木枯らし3号」~とは呼びません。

■「木枯らし1号」の命名は新聞記事か?背景にTV時代劇”木枯し紋次郎”か?
もちろん最初から気象庁が、「木枯らし1号」と言う粋なネーミングをした訳ではないのです。投稿者が調べたところ、「木枯らし1号」が使われたのは、新聞の記事タイトルです。①1969(S44)年11月7日の読売新聞夕刊、②1973(S48)年11月2日の朝日新聞朝刊。その年の初めての木枯らしに「1号」と加え、メディア特有の洒落たタイトル付けをしたのではと推察されます。従って当時は、世間的にまだ認知されていないこと。新聞等で「木枯らし1号」がよく取り上げられるようになったのは、1988年(S63)年10月13日に、大きな突風被害が発生してからです。背景には、72(S47)年に股旅物のTV時代劇の「木枯らし紋次郎」の影響が大きいと言われています。なお、いわゆるメディア用語だったものが「気象用語」になった経緯、それ以前は何と呼んでいたのかも分かりません。

投稿者としても、その経緯について「あっしには関わりのないことでござんす」。紋次郎(主演:中村敦夫)が口にする決め台詞で、当時の流行語になりました。余談ながら、『木枯し紋次郎』のTV時代劇の制作総指揮を担ったのが市川崑監督です。曲もそれまでの時代劇とは一風変わり、その新鮮さが幅広い支持を得ることにつながりました。「木枯らし」が付く歌謡曲は、その他にも多く歌われています。寒くなり、哀愁を呼ぶのでしょうか。一方、「春一番」は昔から使われた言葉で、安政の1859年、長崎県・壱岐島(いきのしま)で、数多くの漁船が転覆、漁師53人が死亡しました。『春一番発祥の地』があって、今でも悼んでいます。春一番はウキウキ気分ではなく春に吹く突風(警戒用語)のことで、残念なことにキャンディーズの歌で誤解する人が増えてしまいました。こちらも、発生の定義があります。下記リンク参照。

「だれかが風の中で」 上條恒彦  作詞:和田夏十、作曲:小室等

Sankoub チコ情報◇「春一番」は恐ろしい突風のことです!ウキウキ陽気なことと思っていませんか?

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