少数派シリーズ/東京オリンピックの危うさVOL.100
ROUND7 国民の命を守るため東京オリンピックの中止を!編 25
山田孝男・編集委員コラム◇五輪貴族・五輪ファミリーが最大の感染リスク(警戒の大穴)
■五輪貴族・五輪ファミリーの主たる来日目的は東京の「夜の街」、だから感染拡大の危険
まず投稿者の文章/毎号続けて、東京五輪の「感染リスク」(警戒の大穴)について説明します。選手やコーチは「バブル方式」と呼ばれ、選手村・ホテルと競技場とを専用バスで往復させ、誰にも接触させないことで感染を防ごうとするものです。これも漏れがありますが、それよりも感染拡大の要素は異次元?にあり、“五輪貴族”と言われるIOCの五輪ファミリーの行動です。具体的にはコラム本文にお読み願いますが、これらの人間は富裕層や各界の上級民なので、世間知らず・能天気、我がまま放題の体質なのです。競技を放ったかして、東京や日本へ「物見遊山」目的に来日するのです。今回の東京大会に限ったことではなく、毎回、開催地での“夜遊び”を楽しみにしています。従って六本木・赤坂・銀座などの「夜の街・深夜の街」へ、言わば酒と日本女性の接待が目的です。既号で紹介した五輪ファミリー・VIP用にあてがわれた日本の運転手付きのクルマ2700台・運転手4000人は、昼間はもちろん深夜・未明・早朝も待機しているのです。ファミリーは検疫が全くのフリーパスになっているため、感染が彼等から運転手・繁華街で接待する人達へ、あるいは本国に感染をもたらす恐れがあるのです。菅首相が「安心安全」な対策を講じていると言おうが、五輪貴族が発端で感染が広がることが目に見えているのです。ここが、最大の感染リスク(警戒の大穴)と言われています。
■山田孝男氏のコラム|開催ならもう1つクリアすべき条件「特権階級・五輪ファミリーの入国制限」
ここから毎日新聞特別編集委員・山田孝男氏のコラム/東京オリンピック・パラリンピック大会は時間切れ突入――の流れで、「感染症対策をもっと厳格に」の声しきりである。だが、開催なら、クリアすべき条件がもう一つある。オリンピック・ファミリーと呼ばれる特権階級の入国制限である。国民がガマンし、選手も不自由だというのに、ファミリーは五つ星ホテルでVIP待遇――という大会契約が放置されている。いびつな契約をきっぱり正し、国民を納得させてもらいたい。報道によれば、日本を訪れる大会関係者は当初予定の18万人から7・8万人まで絞られた。だが、オリ・パラで計5000人というファミリーの削減はあいまいなままという。ファミリーの中核はIOC(国際オリンピック委員会)委員115人と通訳など随員、元委員、コンサルタント、国際競技団体や各国五輪委の幹部など、「運営に必要不可欠な人材」というタテマエだが、IOCが「ゲスト」と認定する知名士も含まれる。
IOCの面々を<五輪貴族>と名付け、1980年代から追ってきたアンドリュー・ジェニングス(77)=英国のジャーナリスト=によれば、ファミリーは「五輪貴族とその遊び仲間である国家元首、ヨーロッパの王族、各国の外交官、政府高官、スポンサー企業の重役……」などである(ジェニングス「オリンピックの汚れた貴族」)。開催都市契約の大会運営要件によれば、大会組織委は、ファミリーに五つ星または四つ星ホテルのスイートルーム(1泊数十万円から数百万円)を含む1400室を提供しなければならない。IOCの予算上限は1泊400ドル(現在のレートで4・4万円)。差額は組織委が支払う。
ファミリーの存在はかねて知られていたが、人々は競技ドラマに熱中し、忘れていた。しかし、パンデミックが大会の簡素化を促す中、肌の色はもちろん、言語、宗教、社会的地位、財産などあらゆる差別を認めない――はずの、オリンピック憲章の精神と相いれない、異様な不平等として注目を集めている。
■我々は岐路に立っている「うそぶく日本か、矛盾を座視せず向き合い改める日本か」
政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長は、現状での五輪開催は「普通はない」と指摘しつつ、強行するなら「何のためにやるのか(根拠を示せ)」と根源的な問いを投げかけた。尾身の問いについてどう考えるか――。記者会見でそう聞かれた丸川珠代五輪担当相は「我々はスポーツの持つ力を信じてやってきた」と応じ、つまり返答に窮した。
丸川は、こう答えるべきではなかったか。「感染症流行でも大会を開く意義は、行き過ぎた商業化を改め、オリンピックの原点に立ち返るところにある。この決意を内外へ示すため、オリンピック・ファミリーの特権を大胆に見直す。資本主義は現在、激しい変革期にあり、放置すれば国と国、人と人の間の格差、不平等が広がる。溝を埋め、節度を示すオリンピックにしたい」。五輪の運営をめぐる問題の決定権も、提起権さえもIOCに属するが、日本から国際世論に訴え、変化を促すことはできる。「開いてしまえば熱狂で矛盾など見えなくなる」とうそぶく日本か、矛盾を座視せず、向き合い、改める日本か――。我々は岐路に立っている。
投稿者によって、タイトル付けを行いました。
■五輪ファミリー向け635万円、開閉会式・陸上男子100m決勝などと高級料理がセット
最後にもう1度、投稿者の既投稿の抜粋/『富裕層向け・大金持ち優遇のパック販売が、「公式ホスピタリティパッケージ」。この635万円コースは、内訳を見ただけで驚く。まず入場券が、開会式+閉会式+陸上男子100m決勝+男子400mリレー決勝など、誰もが見たい11枚の観戦組み合わせになっている。さらに競技場のラウンジの高級料理がセットになったもの。最高額635万円を含め、5段階のランクがある。開会式+閉会式のセットと食事が180万円、あるいは単体で人気種目16種の競技チケットは野球決勝35万円、サッカー決勝30万円など。大会組織委が旅行会社に委託契約とはいえ大会組織委員会が関与していることに、富裕層優先・オリンピック精神を忘れた、あまりにも酷いやり方に厳しく批判が向く。(19年当時)国民が喉から手が出るほど欲しいチケットを高額で別売する姿に、誰のための東京オリンピックか? 大会組織委員会の傲慢な姿がまた見える。欧米のスポーツ界ではVIPコースは当たり前だそうだが、日本も格差社会が進む中、ましてフェアプレー精神や青少年が主体のオリンピックでは避けるべき。平等精神を尊ぶ日本には、馴染まない。』~と、当時、投稿者は批判した。
▽詳しくは、下記のリンクをご覧下さい。
635万円の東京五輪観戦パックを大会組織委が販売・富裕層優遇に批判
※2019年当時に投稿したが、ブログ移転したために投稿日時との整合性はない。
次号/教授・井上寿一氏◇菅政権の東京五輪迷走は戦時中と酷似・広がる懐疑
前号/ニュース◇スポーツドクターではコロナ対応できず・専用バス乗務員8万人ワクチン未接種
ROUND7 国民の命を守るため東京オリンピックの中止を!編 25
山田孝男・編集委員コラム◇五輪貴族・五輪ファミリーが最大の感染リスク(警戒の大穴)
■五輪貴族・五輪ファミリーの主たる来日目的は東京の「夜の街」、だから感染拡大の危険
まず投稿者の文章/毎号続けて、東京五輪の「感染リスク」(警戒の大穴)について説明します。選手やコーチは「バブル方式」と呼ばれ、選手村・ホテルと競技場とを専用バスで往復させ、誰にも接触させないことで感染を防ごうとするものです。これも漏れがありますが、それよりも感染拡大の要素は異次元?にあり、“五輪貴族”と言われるIOCの五輪ファミリーの行動です。具体的にはコラム本文にお読み願いますが、これらの人間は富裕層や各界の上級民なので、世間知らず・能天気、我がまま放題の体質なのです。競技を放ったかして、東京や日本へ「物見遊山」目的に来日するのです。今回の東京大会に限ったことではなく、毎回、開催地での“夜遊び”を楽しみにしています。従って六本木・赤坂・銀座などの「夜の街・深夜の街」へ、言わば酒と日本女性の接待が目的です。既号で紹介した五輪ファミリー・VIP用にあてがわれた日本の運転手付きのクルマ2700台・運転手4000人は、昼間はもちろん深夜・未明・早朝も待機しているのです。ファミリーは検疫が全くのフリーパスになっているため、感染が彼等から運転手・繁華街で接待する人達へ、あるいは本国に感染をもたらす恐れがあるのです。菅首相が「安心安全」な対策を講じていると言おうが、五輪貴族が発端で感染が広がることが目に見えているのです。ここが、最大の感染リスク(警戒の大穴)と言われています。
■山田孝男氏のコラム|開催ならもう1つクリアすべき条件「特権階級・五輪ファミリーの入国制限」
ここから毎日新聞特別編集委員・山田孝男氏のコラム/東京オリンピック・パラリンピック大会は時間切れ突入――の流れで、「感染症対策をもっと厳格に」の声しきりである。だが、開催なら、クリアすべき条件がもう一つある。オリンピック・ファミリーと呼ばれる特権階級の入国制限である。国民がガマンし、選手も不自由だというのに、ファミリーは五つ星ホテルでVIP待遇――という大会契約が放置されている。いびつな契約をきっぱり正し、国民を納得させてもらいたい。報道によれば、日本を訪れる大会関係者は当初予定の18万人から7・8万人まで絞られた。だが、オリ・パラで計5000人というファミリーの削減はあいまいなままという。ファミリーの中核はIOC(国際オリンピック委員会)委員115人と通訳など随員、元委員、コンサルタント、国際競技団体や各国五輪委の幹部など、「運営に必要不可欠な人材」というタテマエだが、IOCが「ゲスト」と認定する知名士も含まれる。
IOCの面々を<五輪貴族>と名付け、1980年代から追ってきたアンドリュー・ジェニングス(77)=英国のジャーナリスト=によれば、ファミリーは「五輪貴族とその遊び仲間である国家元首、ヨーロッパの王族、各国の外交官、政府高官、スポンサー企業の重役……」などである(ジェニングス「オリンピックの汚れた貴族」)。開催都市契約の大会運営要件によれば、大会組織委は、ファミリーに五つ星または四つ星ホテルのスイートルーム(1泊数十万円から数百万円)を含む1400室を提供しなければならない。IOCの予算上限は1泊400ドル(現在のレートで4・4万円)。差額は組織委が支払う。
ファミリーの存在はかねて知られていたが、人々は競技ドラマに熱中し、忘れていた。しかし、パンデミックが大会の簡素化を促す中、肌の色はもちろん、言語、宗教、社会的地位、財産などあらゆる差別を認めない――はずの、オリンピック憲章の精神と相いれない、異様な不平等として注目を集めている。
■我々は岐路に立っている「うそぶく日本か、矛盾を座視せず向き合い改める日本か」
政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長は、現状での五輪開催は「普通はない」と指摘しつつ、強行するなら「何のためにやるのか(根拠を示せ)」と根源的な問いを投げかけた。尾身の問いについてどう考えるか――。記者会見でそう聞かれた丸川珠代五輪担当相は「我々はスポーツの持つ力を信じてやってきた」と応じ、つまり返答に窮した。
丸川は、こう答えるべきではなかったか。「感染症流行でも大会を開く意義は、行き過ぎた商業化を改め、オリンピックの原点に立ち返るところにある。この決意を内外へ示すため、オリンピック・ファミリーの特権を大胆に見直す。資本主義は現在、激しい変革期にあり、放置すれば国と国、人と人の間の格差、不平等が広がる。溝を埋め、節度を示すオリンピックにしたい」。五輪の運営をめぐる問題の決定権も、提起権さえもIOCに属するが、日本から国際世論に訴え、変化を促すことはできる。「開いてしまえば熱狂で矛盾など見えなくなる」とうそぶく日本か、矛盾を座視せず、向き合い、改める日本か――。我々は岐路に立っている。
投稿者によって、タイトル付けを行いました。
■五輪ファミリー向け635万円、開閉会式・陸上男子100m決勝などと高級料理がセット
最後にもう1度、投稿者の既投稿の抜粋/『富裕層向け・大金持ち優遇のパック販売が、「公式ホスピタリティパッケージ」。この635万円コースは、内訳を見ただけで驚く。まず入場券が、開会式+閉会式+陸上男子100m決勝+男子400mリレー決勝など、誰もが見たい11枚の観戦組み合わせになっている。さらに競技場のラウンジの高級料理がセットになったもの。最高額635万円を含め、5段階のランクがある。開会式+閉会式のセットと食事が180万円、あるいは単体で人気種目16種の競技チケットは野球決勝35万円、サッカー決勝30万円など。大会組織委が旅行会社に委託契約とはいえ大会組織委員会が関与していることに、富裕層優先・オリンピック精神を忘れた、あまりにも酷いやり方に厳しく批判が向く。(19年当時)国民が喉から手が出るほど欲しいチケットを高額で別売する姿に、誰のための東京オリンピックか? 大会組織委員会の傲慢な姿がまた見える。欧米のスポーツ界ではVIPコースは当たり前だそうだが、日本も格差社会が進む中、ましてフェアプレー精神や青少年が主体のオリンピックでは避けるべき。平等精神を尊ぶ日本には、馴染まない。』~と、当時、投稿者は批判した。
▽詳しくは、下記のリンクをご覧下さい。
635万円の東京五輪観戦パックを大会組織委が販売・富裕層優遇に批判
※2019年当時に投稿したが、ブログ移転したために投稿日時との整合性はない。
次号/教授・井上寿一氏◇菅政権の東京五輪迷走は戦時中と酷似・広がる懐疑
前号/ニュース◇スポーツドクターではコロナ対応できず・専用バス乗務員8万人ワクチン未接種