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認知症九大法則1-2◇記憶障害「嫁を妻と思い込む・夕方出掛けようとする記憶の逆行性喪失」/認知症と介護13

2019年05月19日 | 認知症と介護
Alzheimertp3 認知症と介護シリーズ13
認知症九大法則◇記憶障害1ー2「嫁を妻と思い込む・夕方出掛けようとする記憶の逆行性喪失」
数十年もの過去に逆戻り・妻の顔を忘れ自分の家を他人の家と思いトラブルも

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「最初に知っておきたい認知症」(著者・杉山孝博)を参考にしました。

■「何十年も連れ添った私を忘れるなんて」と妻の気持ちは分かるが怒らないこと
認知症の共通した特徴「九大法則」、その具体的な説明「第一の法則/記憶障害に関する法則」の2回目です。記憶障害には、(a)記銘力低下 (b)全体記憶の障害、そして今号は(c)記憶の逆行性喪失を説明します。

記憶の逆行性喪失
「記憶の逆行性喪失」とは、蓄積されたこれまでの記憶が、現在から過去に遡って失われていく現象を言います。一般とは逆で、過去のほうが記憶しているのです。従ってその人にとっての現在は、最後に残った遠い昔の記憶の時点ということです。そのため現時点の配偶者の顔が分からず、嫁を妻と思い込んでトラブルを引き起こすことがあります。

●嫁を妻と思い込む~そんな時は?
昔の時点に戻ってしまっているので、“自分の妻は30歳代の女性”と思い込み、本人にしてみれば目の前の老婦人は自分の妻ではありえません。イメージに一致する嫁が、自分の妻であると考えるは当然と言えます。本当の妻としては「何十年も連れ添った私を忘れるなんて」と怒り、嫁は「お義父さんは嫌な人」と気持ち悪がり、家族は嘆きます。そんな時、本当の妻は怒り・葛藤を抑えて、さらりと『あなたの奥さん、今、何しているのかしら?』と応じるほうがうまくいきます。

●夕方になると出掛けようとする~そんな時は?
「どうもお世話になりました、家に帰ります」~夕方になるとそわそわして落ち着かなくなり、荷物をまとめ家族に丁寧に挨拶して出掛けようとすることは、認知症の人にしばしば見られます。夕暮れ時に決まって起きることなので、“夕暮れ症候群”と呼ばれています。30~40年前の世界に戻った本人にとって、昔の家と雰囲気の違う現在の家は、他人の家と同じです。夕方になれば「自分の家へ帰らねば」という気持ちになるのだと考えれば、出掛けようとする行動は、家族として理解できるのではないでしょうか。

そんな時、「ここはあなたの家ですよ」と説得しても通じません。家族が玄関に鍵を掛けようとするものなら、「よその家に閉じ込められた」と捉えて、暴れるのも無理のないことです。大事なのは、その状態の本人の気持ちを、一旦、受け入れることです。『お茶を入れましたから、飲んでいきませんか』 『夕食をせっかく用意したので、食べていって下さい』と勧めると、落ち着きます。それでも外に出ようとする時は、『お送りしましょう』と実際に外へ付き添い、再び家に戻る方法があります。

このほかにも「変なことを言っているな」と感じた時、「記憶の逆行性喪失」の特徴を思い起こすことで、家族の側の混乱が早く治まるのは間違いありません。

■ご連絡「最初に知っておきたい認知症」(著者:杉山孝博)を参考にしました。
いつも、「認知症と介護シリーズ」をご覧頂きありがとうございます。世の中では
介護疲れで長年連れ添った配偶者や親を殺す事件を耳にします。しかし投稿中の杉山
孝博氏の「最初に知っておきたい認知症」の著書を読んで、大変ではあるものの苦悩
に追い込まれず、心に余裕を持って介護できます。著作権に抵触しますが、前述の理
由から著書の内容をお伝え致します。
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著書の表紙と杉山孝博氏のプロフィール ← クリックすると拡大します!

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