認知症と介護シリーズ14
食事3・食べる前に3分間の「お口の体操」で頭や身体を目覚めさせる
食事を美味しく食べることは健康と元気を目指す介護の基本・土台
■食事の直前には「アー・ウー・ニー・プー・ベー」と声を出し顔を動かすこと
食事を美味しく食べることは生活の楽しみで、健康と元気を目指す介護の基本・土台です。介護される相手に対し、食事をする前に3分間の「お口の体操」をしましょう。口の動きをよくし、脳に刺激を与え頭や身体を目覚めさせる効果があります。では、準備はいいですか? まず優しく頬をさすります、なお寒い日は蒸しタオルで顔を温めてから始めます。ここから順次、「アー」っと声を出し、大きく口を開けるよう勧めます。「ウー」と、唇を尖らせます。「ニー」っと、口を横に開く。「プー」っと頬を膨らませ、左右に動かす。「ベー」っと舌を出し、クルクル回す。何だか若い女性の“笑顔作り”の舞台裏のようですが、これで身体が目覚め食欲が出てくるのです。
食事の際、手先がうまく動せなくても、介護用の道具・食器を使用すれば自分で食べられます。簡単につまめる箸、持ちやすい柄(え)の太いスプーン、スプーンに食べ物が乗せやすい深皿などの器具が販売されているので活用しましょう。次に、食事介助のポイントを説明します。
◆食事介助のポイント
▽あえて前かがみの姿勢を取ります → むせて食べ物が肺に入ることが防げます
▽食事の前にお茶を飲む → 口・喉の中を濡らし、食べ物をくっつきにくくする
(食後は、お茶で食べかすを洗い流す)
▽介助する時は、本人の横に座る → 下から口元に運び、あごを引いた状態で口に入れる
▽食事を飲み込む時は → 口を閉じ息をとめてから「ゴックン」と飲み込むように声掛けする
→ 介助者は、喉ぼとけが上がってから下がるのを確認します
▽こうすると肺への通り道が塞がり → むせずに飲み込めます → 一呼吸してから、二口目です
■ベッドから椅子に座り食事に至るまでの動作もリハビリと考えしっかり食事を
食べたがらない人や体重が落ちた人、衰弱や肺炎になったことがある人がいたら、口の中を覗いてみて下さい。入れ歯が合わず痛んだり傷がある、歯がグラグラ、歯茎の腫れを押すと出血、口臭や口内炎がある~これでは、美味しく食べられません。口内細菌で、感染症や肺炎になることもあります。歯科で治療し、入れ歯を直しましょう。あるいは自宅に来てくれる訪問歯科を、探してみて下さい。なお一般的な口の手入れは、歯ブラシの他に歯間ブラシ・糸ようじ・スポンジブラシ・舌ブラシなどがあります。歯科医師に尋ね、本人に合った道具と使い方を教わることも知っておきましょう。
最後は、テーブルと椅子の関係です。ベッドを離れ、座って食べることが介護の基本です。座っての食事は、1日3回、年千回以上のリハビリと考えて下さい。座ることの効果は3つあり、1つ目は床ずれ予防。2つ目が、筋力の維持とアップです。座る姿勢は、全身の筋力を使いながらバランスを取る筋力トレーニングです。内臓の筋力も付き、便秘の予防・改善にもなります。長く寝ている人は、つま先が伸びたままなのでこわばりやすくなります。そこで座ればアキレス腱が伸ばされ、ストレッチ効果があります。3つ目は、寝たままで天井ばかり見つめている生活より、座ることで当然ながら生活が豊かになるでしょう。
なおテーブルの高さが重要で、肘より下でおへそより上です。椅子も、膝・足首それぞれの角度が90度になる高さを合わせることが大事で、体重をお尻と両足の3点で支えます。かかと(足の裏)が、しっかり床につくようにして下さい。高過ぎるとお尻に体重が掛かり、低過ぎると姿勢がのけぞり、長く座れません。このように、ベッドから椅子に座り食事に至るまでの動作もリハビリの1つと考え、しっかり食事を摂るようにして下さい。
食事3・食べる前に3分間の「お口の体操」で頭や身体を目覚めさせる
食事を美味しく食べることは健康と元気を目指す介護の基本・土台
■食事の直前には「アー・ウー・ニー・プー・ベー」と声を出し顔を動かすこと
食事を美味しく食べることは生活の楽しみで、健康と元気を目指す介護の基本・土台です。介護される相手に対し、食事をする前に3分間の「お口の体操」をしましょう。口の動きをよくし、脳に刺激を与え頭や身体を目覚めさせる効果があります。では、準備はいいですか? まず優しく頬をさすります、なお寒い日は蒸しタオルで顔を温めてから始めます。ここから順次、「アー」っと声を出し、大きく口を開けるよう勧めます。「ウー」と、唇を尖らせます。「ニー」っと、口を横に開く。「プー」っと頬を膨らませ、左右に動かす。「ベー」っと舌を出し、クルクル回す。何だか若い女性の“笑顔作り”の舞台裏のようですが、これで身体が目覚め食欲が出てくるのです。
食事の際、手先がうまく動せなくても、介護用の道具・食器を使用すれば自分で食べられます。簡単につまめる箸、持ちやすい柄(え)の太いスプーン、スプーンに食べ物が乗せやすい深皿などの器具が販売されているので活用しましょう。次に、食事介助のポイントを説明します。
◆食事介助のポイント
▽あえて前かがみの姿勢を取ります → むせて食べ物が肺に入ることが防げます
▽食事の前にお茶を飲む → 口・喉の中を濡らし、食べ物をくっつきにくくする
(食後は、お茶で食べかすを洗い流す)
▽介助する時は、本人の横に座る → 下から口元に運び、あごを引いた状態で口に入れる
▽食事を飲み込む時は → 口を閉じ息をとめてから「ゴックン」と飲み込むように声掛けする
→ 介助者は、喉ぼとけが上がってから下がるのを確認します
▽こうすると肺への通り道が塞がり → むせずに飲み込めます → 一呼吸してから、二口目です
■ベッドから椅子に座り食事に至るまでの動作もリハビリと考えしっかり食事を
食べたがらない人や体重が落ちた人、衰弱や肺炎になったことがある人がいたら、口の中を覗いてみて下さい。入れ歯が合わず痛んだり傷がある、歯がグラグラ、歯茎の腫れを押すと出血、口臭や口内炎がある~これでは、美味しく食べられません。口内細菌で、感染症や肺炎になることもあります。歯科で治療し、入れ歯を直しましょう。あるいは自宅に来てくれる訪問歯科を、探してみて下さい。なお一般的な口の手入れは、歯ブラシの他に歯間ブラシ・糸ようじ・スポンジブラシ・舌ブラシなどがあります。歯科医師に尋ね、本人に合った道具と使い方を教わることも知っておきましょう。
最後は、テーブルと椅子の関係です。ベッドを離れ、座って食べることが介護の基本です。座っての食事は、1日3回、年千回以上のリハビリと考えて下さい。座ることの効果は3つあり、1つ目は床ずれ予防。2つ目が、筋力の維持とアップです。座る姿勢は、全身の筋力を使いながらバランスを取る筋力トレーニングです。内臓の筋力も付き、便秘の予防・改善にもなります。長く寝ている人は、つま先が伸びたままなのでこわばりやすくなります。そこで座ればアキレス腱が伸ばされ、ストレッチ効果があります。3つ目は、寝たままで天井ばかり見つめている生活より、座ることで当然ながら生活が豊かになるでしょう。
なおテーブルの高さが重要で、肘より下でおへそより上です。椅子も、膝・足首それぞれの角度が90度になる高さを合わせることが大事で、体重をお尻と両足の3点で支えます。かかと(足の裏)が、しっかり床につくようにして下さい。高過ぎるとお尻に体重が掛かり、低過ぎると姿勢がのけぞり、長く座れません。このように、ベッドから椅子に座り食事に至るまでの動作もリハビリの1つと考え、しっかり食事を摂るようにして下さい。