回転寿司の真相シリーズ182皿目 第1部/恐ろしい?回転寿司編
ROUND11 鮨詰め話アレコレ!
同じすしでも鮨・鮓・寿司・すし(ひらがな)の字が使われる不統一さ
東京・関東圏は「鮨」の字が多く大阪はすし本来の「鮓」の字が
皿図は、後日、貼り付けます
回転寿司協会(設立2010年)より、遥かに歴史がある一般寿司店を対象にした業界団体の「全すし連」(全国すし商生活衛生同業組合連合会※下記リンク参照)をご存じでしょうか?「すし」の言葉として、全すし連から見えてくる寿司・鮨・鮓の字の使われ方について取り上げます。
全すし連には、下部組識というべき42都道府県ごとに組合が置かれています。県組合名称の「すし」の文字が、何と各県ごとに別々・バラバラなのです。どういうことかというと、例えば東京の組合は「東京鮨商生活衛生同業組合」のように、鮨の字が使われています。しかし各県組合に表記される「すし」の字は、寿司・鮨・鮓・ひらがなの“すし”と様々なのです。
分布マップでは、鮨が19県・すし(ひらがな)18・寿司4・鮓1と分かれ、本来のすしを表す鮓は大阪1府だけに留まっています。そのため統括する「全すし連」の名称は、皮肉にもひらがなの「すし」の表記にせざるを得なかったと思われます。寿司・鮨・鮓…バラバラなのは、長い寿司の食文化・地域性・歴史が存在するからです。次号で、それぞれ「字」の成り立ちをご案内致します。
「全すし連HP」を見てみましょう。HP内から、県別組合HPへリンクします。
(HPを比較すると、各県で力の入れ方に幅が見られます)
■全すし連(県別組合組識)の名称(すしの字の相違)
鮨(黄色) すし(水色) 寿司(緑) 鮓(ピンク) 白(未組織)
■県別すし組合のすしの字の相違(OO商生活衛生同業組合) 2017.10現在
▽鮨 19県/マップの黄色 (主に関東周辺・北陸など多方面)
北海道・秋田・山形・群馬・埼玉・東京・神奈川・山梨・長野・静岡・岐阜・富山・石川・三重・兵庫・岡山・大分・熊本・長崎
▽すし 18県/水色 (北海道・東北・中国・四国・九州など多方面)
青森・岩手・福島・茨城・千葉・新潟・愛知・滋賀・広島・山口・鳥取・島根・徳島・香川・愛媛・福岡・宮崎・鹿児島
※この場合のひらがな表記は、すし文化の相違ではなく、県内の組合間でも統一が困難なためと推察します。
▽寿司 4県/緑 宮城・栃木・福井・京都
▽鮓 1府/ピンク 大阪
※飽くまで県別組合の名称相違であって、各県内の個別店の名称は連動していません。
(注意 和歌山・奈良・高知・佐賀・沖縄県は、未組織)。
「鮨」を使っている県別組合は、約半数の45%(19都県)~主に関東周辺・北陸など多方面に使われています。「すし」43%(18県)~北海道・東北・中国・四国・九州など。「寿司」10%(4府県)、「鮓」2%(1府)でした。唯一、大阪だけが「鮓」を使っているのは、浪速っ子の意地でしょうか(大阪鮓商生活衛生同業組合)。
全国個々のすし店の名称で一番多く使われるすしの字は「寿司」