回転寿司の真相シリーズ246皿目 第3部/回転寿司に行くなら店を選ぼう編
ROUND14 回転寿司の歴史とスタイルの変遷
②寿司レーンが時計回りなのは当時やっつけ仕事の試作がそうだったから
■投稿者の考え方/昭和30年代は動体視力を云々する時代でなかった
今でこそ、プロ野球・Jリーグ・オリンピック競技などでは、盛んに選手の動体視力が言われます。しかし昭和30年代(1955年以降)は一部の専門家やスポーツ選手は知っていても、一般的にはまだまだ認識されていない時代でした。もっと言うなら、回転寿司の形さえも想像できない時代です。前号のように「廻る元禄寿司」の創業者が、ビール工場で流れる瓶を見て閃いたイメージを、町工場の技術者に依頼したと推察します。
今日、回転寿司評論家達が言う、動体視力の観点~右目が利き目であることから時計回り(右回り)ほうが見やすく、売上も伸びるとの予想?に基づいて設計したと主張しています。いやいや、当時はそんな発想はなかったはずです。試作機を設計する人さえ、回転寿司が果たしてどういうものかも全く分からぬ時代です。再度申し上げますが、試行錯誤を繰り返し“やっつけ仕事(急場の用に間に合わせるため急いでやる仕事)”的に作っては直し、また設計の変更や手直しをするなど、やっとのことでコンベアを作り上げたと考えられます。
時計回り・反時計回りどちらの回り方でも根拠性はなく、基礎設計がたまたま時計回りだったと推察します。回転寿司の発祥経緯や時代背景から鑑み、これが自然な成り行きでしょう。“評論家達の御説”の動体視力を理由にした時計回りは、今日から見ての理由付け(後付け)と思われます。当時は、評論家の彼等が生まれる前のことです。ブログをご覧の皆様もご両親・祖父母様に昭和30年代の時代背景はどうだったか、お聞きしてみればお分かり頂けるでしょう。
戦争の例は不適切ですが、日本は戦前から戦艦大和、世界の名機・ゼロ戦などの高性能の技術を持ち備えていました。戦後も初の国産旅客機YS-11・新幹線設計、数々の家電・工業製品を生み出してきた「技術王国・日本」です。でも回転寿司のベルトコンベアは、我が国の技術の粋を結集して開発・製造されたとは思えません(笑)。「廻る元禄寿司」創業者の記録・発言が残っていませんが、やはり前述の投稿者の意見通りと思います。動体視力を理由とする“評論家達の御説”1つ目の誤りは、論破できたと考えます。
▽245-249皿目は関連内容です
245皿目 ①回転寿司のレーンはどうして時計回り(右回り)が多いのでしょうか?
247皿目 ③60年前の背景は食事マナーが悪い時計回りの寿司レーンに設計しない
248皿目 ④ファミリー回転寿司店は子供が確実に皿を取れるように反時計回り
249皿目 ⑤世界回転寿司レーン対決・時計回りの日本企業VS反時計回り欧州
酷い実態は全ての回転寿司店を示すものではありませんが
多くの店で横行しているのも事実です。